引用:WHITE ALBUM2 幸せの向こう側 PS Vita より
【コラム】この地獄のようなゲームを完走した自分を褒め讃えたい。
本記事は文章量がとても多く、
個人的な偏見及び特定のキャラクターに対する暴力的表現を記述します。
レビューというよりは、ほとんど私の愚痴です。
それでも構わないという方は、どうぞお楽しみください。
史上最高傑作と名高い神ゲー
今回は、「恋愛アドベンチャーの最高峰」とまで評される屈指のノベルゲーム、
『WHITE ALBUM2』を紹介させていただきます。
原作は(株)アクアプラスのアダルトゲーム専用ブランド:Leafが制作した、
Windows用18禁恋愛アドベンチャーゲーム。
・・・要するにエロゲです。
◎ゲーム紹介動画(公式):
「WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION」プロモーションムービー
プレイしたきっかけは、去年紹介した『白昼夢の青写真』が個人的にとても面白かったので、
-
【レビュー】面白さの次元が違う圧倒的シナリオ。『白昼夢の青写真』
続きを見る
同じくらい質の高いADVゲームを探していたところ、この『WHITE ALBUM2』にたどり着きました。
※「2」とナンバリングされていますが、前作からは世界観や設定を一部引き継いでいるだけなので、
本作からプレイしても全く差支えはありません。
10年も前に発売されたゲームですが、今でも「名作」という呼び声高く、
多くのファンから支持されています。
原作はエロゲにも関わらず、2013年には「高校生編」がテレビアニメ化され、
深夜帯の枠で放送されたほど。
参照リンクはこちら!
最初に断っておくと、本作は決して、
美少女いっぱいの楽しい楽しい恋愛ゲームではありません。むしろ真逆。
“鬱ゲー”とまで呼ばれており、
「三角関係」を主軸とした男女の恋愛を、極限まで描き抜いた本作のシナリオは、
プレイヤーのメンタルに膨大なダメージを与えます。
◎キャッチコピー
「もう、見たくない・・・でも、見届けずにいられない。」
ゲームの評価としては、「ストレスで胃に穴が空くレベル」とまで言われています。
これは誇張表現でも何でもなく、本作をプレイした人の中には、ストレス性の胃腸炎になった方もいるほど。
実際にプレイした方の感想が紹介されているnote、動画のリンクを下記に貼っておきます。
プレイした人の感想
◎note:
WHITE ALBUM2に出会って人生大きく変わった話
Maturi さんより
◎YouTube:
冴えカノ原作者の神ゲーが予想の5億倍ヤバすぎた…【ホワイトアルバム2レビュー / WHITE ALBUM2】
なりひら/名作情報 さんより
「鬱ゲー」と評価される一方で、シナリオのクオリティは非常に高く、
Amazonのレビューも337件で驚異の★4.8!
上位レビューの一部を紹介すると、
極めて、超極めて控えめに言って
ゲーム史上最高傑作
ってか、そこのあんた
こんなくだらないレビュー読んでないで
さっさと買って一秒でも早くプレイしろ
そんでもって
たかがゲームで、人生屈指の切なさと感動に打ちのめされろ
WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION akileさんのレビューより一部引用
・・・凄まじいですよね。
これだけの熱量を持った感想をプレイヤーに抱かせるなんて、一体どれほどの作品なのでしょうか。
「鬱ゲー」という部分が気掛かりでしたが、私は期待に胸を膨らませて購入しました。
ちなみに、全年齢版の『WHITE ALBUM2 -幸せの向こう側- 』でプレイしました。
原作(PC版)のHシーンは見ていないので、そこに関しては紹介できません。許して。
私の感想
完走した感想ですが、言葉を選ばずに言うと・・・
メインキャラクター全員、死ねばいいのに。
・・・すみません、流石に言い過ぎかもしれません。
ゲームとして面白いか面白くないかでいえば、面白かったといえます。
シナリオと演出、作品を彩る音楽のクオリティは、間違いなく高いです。それは認めましょう。
ただ、実際にプレイしてみて、
面白かった部分よりも苦痛だった部分の方が、遥かに多かったです。
何度、「もう止めてしまいたい」と思ったことやら分かりません。
シナリオがあまりにも鬱すぎて、見ているだけで心がしんどいから・・・。
ーそんな理由では、ありません。
私が今までに見てきたマンガ、ゲーム、映画、ドラマ。
全てのエンタメ作品の中で、ここまで主人公に殺意の湧いた作品はありませんでした。
何で、そう感じたのか?
理由は多々あります。が、一言に集約すると、これに尽きます。
「お前、どこまで自分の人生に酔ってるの?」
結論:
このゲームを人に勧めることは、絶対にありません。
むしろ、自分の嫌いな人間に対しては積極的に勧めていき、
「最終章までは我慢して進めて! 絶対に泣けるから!!」
と言って本作を渡せば、新手の拷問になると思うので、そういう意味ではオススメできます。
・・・もちろん、これは個人の感想です。
世間的にはものすごく高い評価を受けているゲームなのですから、
私の感覚の方がズレているのかもしれません。
でも、考えてみれば当然ですよね。
ノベルゲームに限らず、全ての娯楽商品が自分に適合する訳がありません。
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作り手をはじめ、関係者の方々に対する配慮が守られているなら、
作品に対する意見は自由であるべきです。
実際に自分がやってみた上で、正直な感想を述べているだけですから。
これからも私は「WHITE ALBUM2は、オススメ出来ない」と、言い続けます。
世界中のファンを敵に回すことになっても、その考えを改めるつもりはありません。
何度同じ時間を繰り返すことになっても、たった一人の友達を必ず守ると決意した、
暁美ほむらに匹敵するくらいの覚悟は持っています。
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【アニメ】魔法少女まどか☆マギカは、詐欺アニメなんかじゃない!
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約束するわ、絶対にあなた(読者)を救ってみせる。
あなたの為なら、私は永遠の迷路に閉じ込められても、構わない。
本記事の目的
『WHITE ALBUM2』について紹介しようと思うと、私としてはどうしても、
作品そのものを酷評してしまうような記事になってしまいます。
だから、最初はブログに取り上げるつもりもありませんでした。
ーしかし、こうも思うようになりました。
「私と同じように、このゲームやってみようと考えている方がいるかもしれない」と。
何せ“神ゲー”とまで呼ばれている作品ですからね。
実際、このゲームのレビュー動画とかを見ると、やってみたくなるんですよ。
そこで、私なりに『WHITE ALBUM2』を、徹底的に紹介する記事を書きました。
本記事の目的。
それは、これを読んだ方々が、
『WHITE ALBUM2』をプレイしなくてもいいようにすることです。
極限まで内容を圧縮して紹介しますが、プレイして感じたことは、余すところなく書きます。
その結果、いつも書いている記事の、3倍以上の文章量になりました。
トータル2万文字超です。全部読んだら30〜40分くらいかかります。
(株)アクアプラスの関係者、本作のファンに対しては、
不愉快な表現をしてしまうかもしれません。
作品を制作してくださったプログラマー、脚本家、絵師、声優さん等を、
攻撃する意思は全くないということを、最初に表明しておきます。
では、本記事の流れを書きます。
記事の流れ:
- ゲームの概要
- シナリオの特徴
- 苦痛に感じた理由(3つ)
- 登場人物紹介
- 各シナリオ紹介
言うまでもありませんが、今回の記事は全力でネタバレします。
今後プレイする予定のある方は、今すぐブラウザバックしてください。
では、ここからスタートです!
1.ゲームの概要
『WHITE ALBUM2』は先述した通り、恋愛ADVです。
プレイヤーの攻略対象となるヒロインは計5人いますが、
メインヒロインというべきキャラクターは、パッケージ画像の2人。
エヴァのアスカ似の少女:小木曽雪菜と、黒のロングヘアーが特徴の少女:冬馬かずさ。
このダブルヒロインと主人公を巡る「三角関係」が、
『WHITE ALBUM2』という物語の中心になります。
あらすじ
峰城大付属3年生の北原春希は学園生時代の思い出を作るため、
軽音楽同好会へ加入。
学園祭に参加することを諦められない春希は、
屋上で歌っていた学園のアイドル:小木曽雪菜を勧誘することに成功。
更に、クラスの問題児:冬馬かずさがピアノの天才であることをつきとめ、
紆余曲折の末に彼女をメンバーに迎えることに成功する。
バンド結成から本番まで時間も無くバラバラだった3人だが、
練習などを通じて結束を深め、結果として学園祭のステージは大成功を収めた。
しかし、
3人の想いはステージ終了後から少しずつすれ違いを始め、
悲劇的な結末へと走り出すこととなる。
2.シナリオの特徴
物語のコンセプトとしては単純な「三角関係」を主題としており、
それだけであれば、凡庸な少女マンガのそれと同等に捉えられます。
本作が「傑作」とまで称されるのは、その単純なシナリオを、
極限まで偏執的なまでに描いたということでしょう。
物語の導入部:高校編(introductory chapter)から始まり、
その3年後を描いた大学編(closing chapter)。
そして、更にその2年後を舞台とした最終章(coda)までの、全三部構成。
ここまで徹底的に、男女の恋愛模様を丁寧に描いた作品は他に類がなく、
プレイヤーに対して否が応にも臨場感と没入感を与えてくれます。
「現実よりも現実的」と評価する声もある程です。
物語が進むにつれて、各登場人物の社会的立場や将来設計までもがシナリオに絡む流れとなり、
それらの要素の一つ一つが、主人公に突きつけられる「選択」を非常に「重い」ものにさせます。
参考:
ゲームカタログ@Wiki WHITE ALBUM2 ~introductory chapter~ / WHITE ALBUM2 ~closing chapter~
3.苦痛に感じた理由
ーさて、本作を客観的に評価するのはここまで。
ここからは、私が実際にプレイした感想を交えて、作品を紹介します。
先ほど書いた内容は、あくまで紹介であって、そこに私の意思はありません。
嘘は書いてませんが、「どこが現実より現実的なのか」と、文句を言いたいくらいです。
『WHITE ALBUM2』に対して「苦痛」とまで感じた理由を、順番に解説します。
抑えておくべきポイント:
①シナリオが長すぎる。
②登場人物に共感できない。
③主人公がクズすぎる。
3ー①.シナリオが長すぎる。
『WHITE ALBUM2』をオススメできない、最たる要因はこれ。
異常なまでに長いシナリオです。
当記事の最初の方に、「完走した感想」などと軽く書きましたが、
めちゃくちゃ大変だったんだからな!?
本作を紹介するにあたって、まず語らなければならないのが、圧倒的ボリュームです。
シナリオの特徴として「三部構成」と書いたので、何となく察したところはあると思いますが、
・・・マジでシナリオが長いです。いつまで経っても終わりません。
何せ高校編、大学編、社会人編まであるので、「島耕作」みたいなもんですよ。
とはいえ、高校時代の3年間、大学時代の4年間が丸々描かれる訳ではありません。
正確にいうと、
高校編:高校3年生、最後の学園祭の準備〜卒業まで。
大学編:大学3年生の11月〜2月。
社会人編:社会人1年目のクリスマス〜2月。
以上が、作中で描写される物語の期間です。
要は特定の「冬の時期」を舞台としたストーリーになります。
作中での経過時間はむしろ短いくらいですが、
ここで起こった出来事を、執拗なまでに描きます。
例を挙げると、高校生編は「バンドやろうぜ!」から始まる学園青春物語になるのですが、
学園祭までの練習風景をキッチリ描きます。主人公もヒロインも、ガッツリ練習します。
この作品を遊んだだけで「俺、もうギター弾けるんじゃね?」と、錯覚するほどです。
主人公と雪菜が夜中に電話したり、かずさが熱を出して看病したり。
どうでもいいサブキャラクターの雑談。
数行で済ませられるであろう、ストーリーには直接影響しない部分。
そんな細かい場面まで、丹念に丹念に描写します。
つまり、クソ長いってことです。
プレイ時間
では、肝心な総プレイ時間ですが・・・
テキストスキップを使わない+フルボイスで全シナリオを堪能した場合、100時間を超えます。
嘘みたいだろ?
ノベルゲームなんだぜ、これ。
残念ながら、マジな話です。私、このゲーム買ったの去年の10月なんですよ?
クリアしたのが今日(2022/06/04)ですよ?
繰り返しになりますが、本当にシナリオが終わらない。
この1年間における私の流行語大賞は、
「マジなげぇよ」と「いつ終わんだよコレ」です。
それだけの時間を投下して、見る価値があるシナリオかと言われたら、無いです。
クソみたいなシナリオとまではいいませんが・・・。
「作中での経過時間がリアルだからこそ、物語の臨場感が半端じゃない。」
「最終章は先の展開が気になりすぎて、一気にやった。」
そんな感想も拝見しましたが、私にはそう感じませんでした。
何なら、最終章も一部のルートを除けば、特別面白いとかなかった。
海外ドラマを見たり、マンガを読んだりしながらやっていたくらいです。
序盤の方はフルボイスで丁寧に物語を追っていたのですが、あまりにも物語が終わらないので、
途中からはテキストだけ目で追って、飛ばし飛ばしでプレイしていました。
「ブログに書こう」という目的がなければ、最後までプレイしていなかったとさえ思います。
ちなみに、『白昼夢の青写真』の最終章をプレイしていたときは、
翌日が仕事なのにも関わらず、25時くらいまで夢中でやっていました。
従って、「ノベルゲーム自体に向いてない」ということはありません。
シンプルに、この作品が私には合わなかった。
ブレワイをやりましょう。
100時間という、人生の貴重な時間を使って遊ぶなら、
私としては『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をプレイして欲しいです。
『WHITE ALBUM2』とは全然ジャンルが違いますが、
これこそ「控えめにいってゲーム史上最高傑作」です。
ハイラルの大地を自由気ままに冒険した100時間は、本当に充実していました。
『WHITE ALBUM2』の、主人公の自己陶酔感に満ち溢れたきっっっっつい文章を、
歯を食いしばりながら必死で読み続けた100時間と比較すると、1000億倍楽しかった。
スマブラをつくったゲームクリエイターの桜井政博さんも、自身のコラムで絶賛しておられます。
-
【要約】スマブラの生みの親『桜井政博のゲームについて思うこと』その2
続きを見る
3ー②.登場人物に共感できない。
何でここまで、作品に対する評価が分かれるのか?
それは、作中の登場人物たちに共感できたか否かです。
『魔法少女まどか☆マギカ』の新房監督が、
続編となる『[新編]叛逆の物語』を制作されたときのインタビュー記事で、
「キャラクターに思い入れがなければ、そのストーリーを知ろうと思わない。」
という旨の発言をされていたことがありました。正にこの事例だと思います。
実際、Amazonのレビューを見ていると、低評価のレビューには一貫して
ーといった内容が書かれていました。
個人的に、「マジでそれ!」と強く共感したレビューがありましたので、
ここでその一部を紹介させていただきます。
大いに参考になるレビュー
主人公に降りかかる問題が基本的に自業自得であり、
反省や自己嫌悪はもの凄くするがその後も似たような過ちを繰り返す。
自分の感情を最優先に行動している箇所が多く、身勝手極まりない。
改善の無い反省はただの自己満足だ。
当然そんな人間を好きになれるわけがなく、応援する気にもなれない。
(中略)
おそらくキャラの心情や関係性などの、人間模様が一番の見せ所なんだろう。
しかしそれは登場人物に共感し、好感を持って初めて成り立つものではないか?
個人的には、主人公を含むメインキャラ3人が最終的に嫌いになったので、
ドロドロの三角関係もどうでもよく感じた。
もちろん感動的なシーンも泣けなかった。
というか何も感じなかった。
これは感動ゲーでも泣きゲーでも鬱ゲーでもない。
ただのイライラゲーである。
(中略)
ここまで読んでくれる人は少ないと思うが、最後にもう一度言う。
おすすめはしない。
考え直して別のゲームを買ってほしい。
WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION 初レビュー太郎さんのレビューより一部引用。
レビューの重要な部分を引用させていただきましたが、本当は全部載せたかったくらい、
私の感想そのものでした。
言いたかったことをそのまま書いてくれています。
現実的に有り得ないヒロイン
『WHITE ALBUM2』の主人公に関しては、次の項目でボロクソに書くので、一旦置いておくとして、
メインヒロイン2人も相当に酷いです。
記事の後半で個別にキャラクター紹介をしますが、「雪菜」も「かずさ」も、主人公に執着しすぎです。
「何でこんなヤツを好きになる必要があるのだ?」と、小一時間ほど問い詰めたい。
たった一人の相手を想い続ける・・・確かに、美しい愛の形です。
『WHITE ALBUM2』を絶賛している人たちは、
健気で儚いヒロインたちの切実な恋心に、感動したのでしょうね。
しかし、私にはこの作品のヒロインたちの心情が、全く理解できませんでした。
ドライな言い方をしてしまえば、何度も何度も最低の裏切りをされて、
それでも、そんな主人公のことを愛し続ける女性がいるとは、思えないからです。
こんな恋愛関係を「現実よりも現実的」とか「臨場感が凄い」と評価する声に、
どうしても共感することができません。
一人の男性だけを愛する気持ち。
それが悪いこととは全く思いませんが、本作のヒロイン達はその度合いが異常すぎます。
主人公とヒロインの恋物語を読んで、「美しい」とは欠片も感じませんでした。
ただただ痛々しかった。
3ー③.主人公がクズすぎる。
『WHITE ALBUM2』の主人公、北原春希。
彼は、「エロゲ史上に名を残す3大クズ主人公」という名誉ある称号を受けています。
そう呼ばれる理由を、今から説明します。
経緯
春希は「高校生編」の学園祭が終わった後に、ヒロイン:雪菜に告白され、付き合い始めます。
しかし、彼の本命は「かずさ」であり、雪菜のことも好きではあるが、
かずさに対する想いは捨てきれないでいました。
卒業式が迫った時期に、実はかずさも春希を好きだったと告白します。
その事実に驚愕した春希は、自身の性欲のままにかずさの唇を奪います。
(この時、彼女である雪菜の誕生日パーティをすっぽかしています。)
しかし、かずさは自身の恋心よりも雪菜への友情をとり、
「世界的なピアニストである母親と外国で暮らす」と決意します。
かずさが日本を発つ直前、何とか空港に間に合った春希と雪菜。
春希は、またしてもかずさと熱いキッッスを交わします。彼女の目の前で。
そうして高校生編が幕を閉じ、ここから、地獄のような三角関係が始まることにー。
真にクズである理由
・・・いかがでしょうか。
いかがも何も、「ゴミ野郎じゃねえか」と、ドン引きされた方が多数でしょう。
なので、ここから先は「春希」と入力するのも面倒なので、
「クソカス」と表記させていただきます。
私がクソカスのことを「マジで無理だわ・・・」と感じたのは、
単純に浮気したからではありません。
むしろ、そういうゲームとしてキャラクター設計されている訳ですから、
それを責めるのは“お門違い”だとさえ思っています。
その設定自体が嫌なら、こんなゲームを最初からやらなきゃいいだけですからね。
クソカスをクソカスたらしめているのは、当記事の最初に書いた通り、
そんな自分のクズさに酔っているからです。
シナリオ上の演出・表現の一環であることは、もちろん理解していますが・・・
自分をドラマや舞台の登場人物のように見立て、
自分の行動の結果を「悲劇」や「天罰」のように捉え、
自らを「罪人」や「咎人」と自嘲し、酔いしれる様は、
ハッキリ言って反吐が出る。
主人公は基本的に善良な人間であり、それ故に、雪菜と他のヒロインとの関係性に苦しみ続けます。
簡単に彼女を裏切るような、不誠実な男ではありません。
ですが、仮に雪菜と結ばれるルートをプレイヤーが選んだとしても、
心の中では「俺、かずさにずっと恋しているんだ・・・」とか思っています。
そして、ルート次第では雪菜と恋人関係にありながら、他のヒロインとおせっせします。
最終章に至っては、雪菜に対して「世界で一番好きな女の子」と告白し、
プロポーズの準備までしている状況にも関わらず、
かずさと再会してしまったことで、「雪菜」と「かずさ」の間で揺れ動きます。
いいかげんにしてクレメンス。
自分の行動の最低さを自覚し、その結果に苦しみはするけど、問題行動を起こすことは止めません。
凄く乱暴な言い方をすると、
「三日三晩の思慮の末、自分のチ●ポに従う」というのが、彼の行動原理です。
「愛」というより、「性」なんですよ。主人公を突き動かしているものは。
『WHITE ALBUM2』は元々エロゲだし、それ込みで恋愛なんだと言われたら、
「お、そうだな」と納得はしますが。
ただ、100歩譲っても私が許せないのは、こいつの痛すぎる+キモすぎる思考です。
主人公の迷言集
本作は基本的に、主人公の視点で描かれます。
テキストが日本語的におかしいとか、読みにくさを感じるところは少なかったのですが・・・
キャラのセリフの、言い回しが独特なところがあるので、合わない人には合わないと思います。
私は、“周りくどい”と感じました。
良く言えば純文学的、悪く言えば「何言ってんだコイツ」という箇所が、度々ありました。
プレイ時に記録した主人公のモノローグの一部を、ツッコミながら紹介します。
**************************************
自分の唇の端が吊り上がってるのに今さら気づいた。
昨日の、あの原稿を書いていた俺を笑い飛ばす別の俺 (←は?)が、
麻理さんの目の前で、邪悪な笑みをこぼしてる。
自分で認めたくせに、他人に図星を突かれると、
どうしようもなく否定せずにはいられない天の邪鬼。
ここだけ切り取っているから分からないと思うかもしれませんが、
前後の文章を何度読み返しても、何を言いたいのか意味不明でした。
「別の俺」って何? 何その謎概念。それをまず説明しろ。
ここまで読者の期待を裏切り続ける彼氏役なんて、
とっくに物語から弾き出されてるか、
物語そのものが打ち切られたっておかしくなかった。
俺たちはそんな、作者が方向性を見失った、
誰にとっても不幸な長編漫画の主役カップル。
(ピロートーク中)
これからは何度だってマーキングできる。
キモすぎて草。
だって、台無しにする必要があった。
俺たちの再会を、運命にすることは許されなかった。
かずさを象る全てが、俺の五感を刺激する。
要するにムラッとした。
過去からの因縁に連なる思い出の魔女に、最後の戦いを挑む勇気を。
どうして俺は、お前が側にいると、
いつもいつも、最低の人間になってしまうんだろう。
知らねーよ。
誰からも祝福されず、誰にも許されず、
全てに背いて抱きあう俺たちを、
一度だけでいいから、世界に刻んでおきたかった。
そんなの、しなくていいから。
そして、完全に陽が沈み、
世界にかずさと俺の二人だけが取り残されると・・・
後は、世界から背を向けた、本物の俺の登場、だ。
世界一みっともない主人公の登場シーン。
**************************************
作品の感想の中には、「主人公にアホほど感情移入した」という声もあったのですが、
私には全くそう思えませんでした。
酒飲みながらこんな恋愛観を語るような奴が隣にいたら、その場でそいつのことタコ殴りにしてます。
まどマギの第9話で、キュゥべえから「宇宙の為に死んでくれ」と言われたときの、
鹿目まどかと同じ気持ちで見ていました。
「あなたの言ってること、ついていけない。全然納得できない」
あと、付け加えるなら、台詞の前後に掛けた会話が過剰なまでにあります。
作品の“味”ともいえますが、脳死状態でテキスト送りしていると、
「ん? どういうこと?」
ということになり、キャラクターの前後の会話を確認してしまうので、これが面倒くさいです。
ただでさえ長いシナリオに輪を掛けて、物語を読むテンポを悪くする一因になります。
主人公の人生
主人公の人生、つまり『White album2』を要約したコピペが、ネット上にありました。
大変分かりやすくまとまっていると思ったので、ここで紹介します。
春希「本当はかずさのことが好きだったけど、雪菜に告られたから雪菜で妥協したんだけど
実はかずさも俺のこと好きだってわかったからセッ●スしちゃったんだけど
かずさが海外にいっちゃったから、
大学生になってからまた俺と付き合ってくれと毎日ギターの弾き語りで
雪菜を口説いて口説いてやっと許してもらってセ●クスして、
そこからラブラブになって社会人2年目で雪菜と婚約したんだけど、
かずさが日本に帰ってきたから俺と別れてくれ雪菜」
これは、『WHITE ALBUM2』で用意されている結末の一つにすぎませんが、余りにも酷すぎる。
何が人生屈指の切なさだ?
どこで涙を流せるんだ?
『WHITE ALBUM2』をプレイして「感動した」とか言っている人たち全員に、
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の神回である、第10話を見せてやりたい。
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【アニメ】愛を綴る物語『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
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これこそ、“愛”です。
4.登場人物紹介
私の長い長い愚痴にお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
あと半分ほどで、『WHITE ALBUM2』を語り尽くせます。
コーヒーブレイクでも挟みながら、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。
ここからは、『WHITE ALBUM2』に登場するキャラクターどもを紹介します。
あくまで主観ですが、プレイ後のそれぞれのキャラに対する評価も、ここに記載します。
小木曽 雪菜(おぎそ せつな)
メインヒロイン1。校内ミスコン2連覇中の美少女。
エヴァのアスカにクリソツ。だが、ツンデレ属性はない。
◎プレイ後の評価:
悲劇のヒロイン気取りが鼻につく。
シナリオの関係上、恋人になった主人公に何度も何度も裏切られることになる為、
作中で最も精神的な被害を受けることになるキャラクター。
・・・なのだが、私はちっとも可哀想と思えなかった。
「もうあなたとは付き合っていられない」と、主人公に言えば済む話なのに、
雪菜はどのルートを選んでも決して主人公を責めず、恋人であることを諦めようとしない。
偏見かもしれないが、「主人公のことが好き」というよりは、
「主人公を好きであり続ける自分が好き」という風にしか見えなくなった。
主人公ほどではないが、このヒロインも自分の人生に酔っている。
雪菜ファンには申し訳ないが、これが正直な感想です。
冬馬 かずさ(とうま )
メインヒロイン2。天才ピアニストの家系で育ち、自身も卓越した才能を持っている。
アスカには全く似てないが、こっちはツンデレ属性あり。
高校編では、家族関係での誤解からやさぐれており、学内での素行が非常に悪い。
大学編ではほとんど登場しないが、最終章となる社会人編で、主人公と再会を果たす。
◎プレイ後の評価:
諦めたんじゃなかったのか、かずさ・・・。
主人公とは両片想いだったが、雪菜が先に告白したことで、
その後の人間関係がめちゃくちゃ拗れることになった。
高校を卒業した後、日本を離れてピアニストとして生きていく道を歩むが、
それでも主人公への恋心を忘れられずにいる。
最終章で主人公が「かずさ」を選択するルートに入ると、
プレイヤーは“生き地獄”を見せつけられることになる。
このシナリオこそ、本作が「鬱ゲー」と呼ばれる最大の原因。
杉浦 小春(すぎうら こはる)
「大学編」で登場する、サブヒロイン1。
主人公とは3つ年下で、附属の高校の後輩。
彼女が始めたアルバイト先で、偶然にも主人公が指導についたことをきっかけに、
次第に彼に惹かれていくことになる。
性格は至って真面目で、度を越したお人好し。主人公と酷似した性格をしており、
周囲からは「小春希」という非常に不名誉なあだ名で呼ばれる。
こんな可愛い子をあんなゴミと一緒にするなよ。失礼だろ。
◎プレイ後の評価:
孝宏くんとくっつけば良かったのに。
「大学編」が始まり、最初に流れるオープニングで一目見たときから、
「雪菜やかずさよりも可愛くね?」と思ったが、実際にその通りだった。“天使”といってもいい。
シナリオの長さに目を瞑れば、この子のルートは話自体も面白かったので、普通に好きなヒロイン。
ただ、サブヒロインの中では最も鬱要素の高いシナリオ。
メインヒロインである雪菜の弟、「小木曽孝宏」とはクラスメイトの関係。
彼は非常にイイ奴で、ジャニ系のイケメンで、小春とも十分にフラグが立っていた。
私と同じ名前なので、個人的な親近感もありました。
なので、主人公よりも孝宏くんと恋人になって欲しかった。
お似合いだと思います。
風岡 麻理(かざおか まり)
「大学編」で登場する、サブヒロイン2。
主人公のバイト先である超ブラック企業、「開桜社」という出版社のホープ。
主人公の上司の立場にあたる人物で、人生という道に迷う主人公を度々手助けしてくれる。
その内に、なんやかんやあって主人公とゴニョゴニョする関係になっていく。
なんて羨ましい主人公。
年齢は26才。クラスのみんなには、ナイショだよっ☆
◎プレイ後の評価:
幸せになってください。
物語に登場する全ヒロインの中で、私の好みにど直球でした。
仕事終わりに友達と、バッティングセンターで真剣勝負する姿が、特に良かった。
・・・なので、あまり面白い感想も浮かばないし、特に書くこともないです。申し訳ない。
和泉 千晶(いずみ ちあき)
「大学編」で登場する、サブヒロイン3。
主人公とは同じゼミで、学内ではほとんど彼女と共に過ごす。
彼女との会話は基本的に間の抜けたものだが、どことなく不信な、含みのある言動も多い。
ルート次第では、主人公と枕を交わした後、突然姿を消すことになる。
果たして彼女の目的とはー?
◎プレイ後の評価:
行動原理が理解できない。
彼女のルートをプレイするまでは、
「なんでサブヒロインなのに2ルートも用意されてんだよ。ふざけんなよ。」
と思いましたが、シナリオは一番面白かったかもしれません。
ノーマルルートを攻略することで、最初は選ぶことが不可能だった選択肢がアンロックされ、
彼女のTRUEルートが攻略可能になります。
そして、千晶がここまでずっと、物語の裏で暗躍していたことが判明します。
ここの種明かしパートは、良く出来ているな〜と感心しました。
和泉千晶の正体は、超一流の女優。
主人公に見せていた「色気のない女」も、全ては彼に近づくための演技。
そんな彼女の目的は、
「主人公・雪菜・かずさの三角関係を題材にした恋愛ドラマ」を演じること。
主人公とは全く違う方向性で、倫理観の欠如したキャラクターでした。
主人公の親友:武也というキャラクターが、
千晶のことを「理解できない宇宙人」と称するのですが、完全に同意。
このゲーム、メインキャラ以外は至ってまともなんですよね・・・。
クソカス
戦争と、あなたが嫌いです。
◎プレイ後の評価:
何で生まれてきたのかしらこのウンコ。
プロフィールが気になる方は、Wikiで調べてみてください。私は書く気にもなれません。
このカスに唯一共感できたのは、「鍋は野菜を摂る為の料理」という台詞だけです。
5.各シナリオ紹介
大変お待たせしました。
ここからは、プレイした各シナリオの紹介と、その感想を綴ります。
最初に10点満点で「面白さ」と「鬱度」を評価します。
度合いが違うだけで、『WHITE ALBUM2』は全シナリオで鬱要素があります。
ただ、あくまで主観なので、参考程度に捉えてもらえると有難いです。
基本的には、「面白さ」と「鬱度」は比例します。
「登場人物が追い詰められるほど面白い」って、以前に『カイジ』を紹介した記事でも書きましたね。
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【マンガ】日本一面白い、ギャンブル漫画の金字塔 『賭博黙示録カイジ』
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詳細なストーリーを書くと長くなりすぎる為、説明は大分端折りますが、ご了承ください。
introductory chapter(序章)
◎面白さ:5
◎鬱度:5(2周目の追加シーンを含めると6〜7)
地獄の始まりとなる「高校編」のシナリオ。
物語の流れは「主人公がクズの理由」の項目で概ね説明したので、ここでは補足程度に書きます。
この話は「序章」とある通り、全体のシナリオの導入部に過ぎないのですが、
初見では全くそう思えないほどに長く感じました。
しかし、ゲーム全体のボリュームからすると、本当に2割もない程度のシナリオです。
この後の「終章」が長すぎる・・・。
高校編で印象に残ったのは、やはり、
学園祭が終わって雪菜と付き合い始めた後の、かずさの告白です。
かずさから「お前のことが好きだったんだよ!」と、ずっと隠してた胸の内を明かされる場面は、
涙なしには見れません。(※嘘です。)
その後、2人は幸せなキスをして終了・・・とはならず、
なんやかんやあった後に、かずさは日本を離れます。
彼女が日本を飛び発つ前夜に、主人公はかずさとの最後の思い出づくりとして、コネクトします。
春希のチ●ポ気持ち良すぎだろ!
あと、余談ですが、クラスメイトに「早坂親志」というキャラクターがいます。
声優は杉山紀彰さんという方で、代表作は『NARUTO』のうちはサスケ、
『Fate / stay night』の衛宮士郎などで有名な声優さんでした。
・・・残念なのは、親志くんの出番が全編に渡ってほぼ無いことですね。
closing chapter(終章)
かずさと別れて3年後、主人公が大学に進学してからの物語。
攻略対象のヒロインは4人。
ここから、選択肢によってシナリオが分岐するようになる。
共通ルート
主人公と雪菜は同じ大学に進学していたが、お互いに「かずさ」とのことが忘れられず、
恋人とも友達とも言い難い、微妙な関係を続けていた。
そんな中で迎えたクリスマスイブ。
主人公と雪菜は友人たちの協力でデートをし、「聖なる夜」をホテルで過ごす。
しかし、本番直前になって雪菜が、ある雑誌を見つけたことで事態は急変。
それは主人公が書いた、ピアニストとして活躍中の「かずさ」の特集記事だった。
その記事を読んだことで、雪菜は彼の本命が今も「かずさ」であると悟る。
そして、雪菜に拒絶されてしまう。
「性なる夜」に奮起していた主人公も、流石にガン萎え。
ここから、シナリオが分岐する。
一応、攻略推奨順に紹介します。
ノーマルルート
◎面白さ:2
◎鬱度:3
ノーマルルートは共通ルートの話が終わった後、そのまま終わりなので、
実質「共通ルート」の感想です。
とりあえず言えるのは、雪菜めんどくせっ!
主人公と過去のことを忘れて付き合うか、さっさと別れりゃいいのに。
ノーマルルートの結末としては、可もなく不可もなくといったところ。
なげぇし、つまんねぇです。(※個人の感想です。)
ちなみに「共通ルート」を含めた4ルートのそれぞれの長さは、
私の体感ではintroductory chapterと大体同じくらいです。
つまり、「大学生編」は「高校生編」の4倍くらい長いです。バカ。
小春ルート
◎面白さ:8
◎鬱度:9
クリスマスイブに雪菜と別れた後、小春のバイト先に行くと、このルートに入ります。
傷心中の主人公に向き合っているうちに、小春は主人公に恋をします。
そして、主人公もそれを受け入れます。
ここで悲劇だったのは、二人がキスする場面をかつて主人公に振られてしまった、
小春の親友に目撃されてしまったことです。
そこから噂が最悪な方向で広まり、学校内で小春は、
「親友から男を奪った裏切り者」と認識されます。
そして、小春もそれを否定しません。
その結果、学校内で虐めの標的にされてしまうのですが、
ここの描写が本当にキツかった・・・。
仲の良かったクラスメイトにさえ、
「付属の恥。消えて欲しいわマジで!」とか言われるんですよ?
消えるべきなのは主人公ですよ!
小春ちゃんは好きなヒロインだったので、彼女が追い詰められるこのシナリオは、
見ていて一番しんどかったかもしれません。
どうなっちゃうんだろう・・・とハラハラしたシナリオでしたが、
ラストシーンで主人公が雪菜と正式に別れる演出も含めて、良かったです。
うん、普通に面白かった。
麻理さんルート
◎面白さ:6
◎鬱度:4
クリスマスイブに雪菜と別れた後、出版社のバイトに行くと、このルートに入ります。
雪菜に拒絶されてしまってから、ブレーキが壊れたように仕事をこなす主人公。
彼を心配した麻理さんが、自分の自宅に強制的に連れて帰ったことをきっかけに、
上司と部下の、秘密の恋物語が始まります。
雪菜と正式に恋人関係を解消していれば、何も問題はなかったのですが・・・
それを最後の最後までしなかったのが、この主人公がカスである所以。
終盤では、麻理さんが主人公にとって、彼女の“代替品”として見られているのだと誤解し、
自分の部屋をめちゃくちゃに荒らした上で、「最低男ぉっ!」と、主人公を非難します。
ここが、このルートの一番の鬱要素ですが、
麻理さんの声が可愛くて、あまり怖くなかったです。
あと、主人公が最低男なのは全くその通りなので、
主人公が追い詰められても、私は一向に構わんっ!
最後は、出向になった麻理さんを追いかけて、異国の地で共に暮らすことを決意します。
そんな決断が出来るなら、もっと早く雪菜と別れろよクズ野郎。
千晶ノーマルルート
◎面白さ:2
◎鬱度:1
クリスマスイブに雪菜と別れた後、千晶に会いたいと思うと、このルートに入ります。
基本的にはノーマルルートとほぼ変わりません。
違いはクリスマスの夜に、千晶と主人公がベッドインするだけです。
その後、千晶は忽然と主人公の前から姿を消し、
「あいつは何だったんだ・・・?」で、このルートは終了。
彼女のTRUEルートを見るには、最初に選べなかった選択肢の部分まで話を戻し、
選び直すところから始める必要があります。
面倒くさいのう。
千晶TRUEルート
◎面白さ:7
◎鬱度:3
キャラ紹介のところで解説した通り、
このルートに入ることで、千晶というキャラクターの本性が明かされます。
「共通ルート」の至る所で、彼女は主人公に隠れて行動していました。
数々の意味深な台詞も、「こういう意味だったのか」と納得させられます。
それは面白かったのですが、種明かしパートが終わってからは、正直退屈でした。
すったもんだあって、千晶は正式に、主人公と雪菜・かずさの恋愛をモデルにした演劇を披露します。
ーで、ここまでこのゲームをプレイした方なら、察するところではありましたが・・・
この劇も最初から最後までキッチリやります。しかも、それが第5章くらいまであります。
ほぼボタン連打している状態でも、読み終わるまで30分くらい掛かりました。
作中作なんだから、加減しろよバーカ。
最後は「自分の脚本の為に利用してただけ」と、
主人公に裏切りの告白をした千晶と、主人公が、正式な恋人として結ばれて終わります。
わけがわからないよ。
雪菜ルート
◎面白さ:1
◎鬱度:2
メインヒロインのルートです。
イブの夜に雪菜に拒絶された後、「それでも雪菜が好きなんだ」と主人公が告白し、
時間を掛けて傷ついた二人の仲を修復していく・・・というシナリオ。
『WHITE ALBUM2』の全編通して、ダントツで面白くなかったストーリーです。
メインヒロインのシナリオが一番つまらないって、どういうことなんですか。
シナリオの内容は、大好きな歌を歌えなくなった雪菜が、歌を取り戻すというものです。
高校編での学園祭と同じように、主人公とセッションした後、
夜のセッションをして、めでたしめでたし・・・。
クソ適当にまとめましたが、本当に覚えてないので、これが限界です。
私がclosing chaputerを始めて、最初に進んだのが偶然にもこのルートだったのですが、
全然面白くないし、ひたすら長くて終わりが見えなかったので、
リアルタイムで1ヶ月、このゲームから逃亡しました。(実話)
その間、何をしていたかというと、『魔法少女まどか☆マギカ』を初めて観て、
あまりの面白さに魂が昇天していました。
『WHITE ALBUM2』をプレイして濁りきった私のソウルジェムを、
まどマギを観て浄化させるという日々の繰り返しでした。
雪菜ルートのラスト。自宅のベッドの中で愛し合った後、
腕の中に抱き寄せた雪菜に対して主人公が、こんな言葉を囁きます。
「今・・・雪菜が、世界で一番好きな女の子になりました」
嘘つくのやめてもらっていいですか?
・・・
このルートのエンディングに続く形で、
本作の最終章となるcodaのシナリオが開幕します。
合計4人ものヒロインが登場し、各シナリオ全てがボリューム満載な「大学編」でしたが、
ここから始まる最終章も、ちゃんと長いです。
最後までチョコたっぷりなんです。(もう、勘弁してよ・・・)
coda(最終章)
雪菜と再び恋人関係になってから、2年後のクリスマス。
彼女と婚約目前にまで迫っていた主人公だったが、仕事の取材先で、運命の女性。
冬馬かずさと、とうとう対面してしまう。
単なる偶然だったのか。それとも、何らかの因果だったのか。
この再会をきっかけに主人公は、再び「かずさ」と関わりを持ってしまうことになる。
「雪菜」への愛、今も揺るがない「かずさ」への想い。
遂に始まった最後の物語で、主人公が選んだ道はー?
共通ルート
大学時代のバイト先である「開桜社」に就職した主人公。
ピアニストとなったかずさの、日本公演までの密着取材という形式で、
生活のほとんどの時間をかずさと共に過ごすことになる。
密着取材は、自分たちがかつて同じ時を過ごした場所、高校の学舎まで進む。
学園祭までの多くの時間を共有した、二人にとっての思い出の部屋。
そこでかずさは主人公に、ずっと隠していた秘密を打ち明ける。
彼女もまた、この5年間、主人公のことを忘れてなどいなかった。
再び日本に戻ってきたのに、自分の全てを、その何もかもを雪菜に譲ったのに。
それでも、ささやかな望みすら叶わなかった、冬馬かずさ。
彼女を追ってきた主人公に対して、彼女は最後の選択を迫る。
ここから、これまでプレイヤーがとってきた選択肢によって、シナリオが分岐する。
また、攻略推奨順に紹介します。
雪菜ノーマルルート
◎面白さ:5
◎鬱度:2
このルートは「共通ルート」の最後の選択で、「雪菜」を選択した場合の結末です。
雪菜に対する愛というより、世間体を気にして妥協した結末で、要するにゴミ。
「雪菜」にも「かずさ」にも失礼だと思わないのか、お前は。
実質的に「共通ルート」の評価になります。
最終章は、序章と対比になるような演出もあって、終章の共通ルートよりは楽しめた印象です。
かずさは長かった終章を経て、久しぶりの登場になるので、
主人公とようやく再会する場面は、素直に盛り上がりました。
もう一人のヒロイン:雪菜は、この最終章まできてようやく、魅力を感じられる女性になりました。
高校・大学編に比べると、明らかに大人の女性に変わっているんですよね。
こんな彼女と婚約直前まで進んでいる段階で、昔好きだった女性と再会したら葛藤するとか、
頭がおかしいんじゃないでしょうか。
かずさノーマルルート
◎面白さ:2
◎鬱度:4
このルートは「浮気ルート」とも呼ばれます。
表面上は雪菜と恋人関係にありつつ、日本公演でかずさが滞在している間までは、
かずさと肉体関係を持ち続けるというクソ物語です。
恋人を裏切り続ける現実に、良心の呵責が抑え切れなくなったのか、
どんどん主人公は自滅していきます。
会社をずる休みし、外部と接触を断ち、一日中かずさと部屋に閉じこもる日々。
それでも、ヤルことはヤリます。
・・・なんつーか、私はここまでやって何を見せられているのだろう。
ーという、虚しい気持ちになりました。
何を見せられているというか、ナニを見せられている訳ですが。
毎日毎日、真剣に、一生懸命に働いている人たちに、本気で謝罪して欲しい。
このルートの結末だけ説明すると、かずさは最終的に主人公から身を引き、
二人で愛し合った思い出だけで生きることを決意します。
このまま主人公と共に生きれば、自分だけは幸せになれるけど、
主人公や雪菜は幸せになれない・・・と告げて。
そうして、主人公は無事に社会復帰を果たし、
ここまできて最低の裏切りをした雪菜からも許されます。
ハッピーエンド! 大団円!!
・・・何でだよっっっ!!!!
ここまで読み終えたとき、いよいよ雪菜は主人公のことを殺していいと思いました。
かずさTRUEルート
◎面白さ:9
◎鬱度:10
このルートこそ、『WHITE ALBUM2』というゲームの真骨頂。
作品をプレイした多くの人々の胃袋に風穴を空けた、絶望のシナリオ。
たった一人の運命の人と結ばれる代わりに、それ以外の、これまでの全てを犠牲にする。
恋人も、恋人の家族も、親友も、手に入れた仕事も、自分の帰る場所さえも・・・。
それがこの、かずさTRUEルート。
ノーマルルートでは、かずさが最終的に主人公を諦めるという結果に終わりましたが、
かずさが諦めなかったら?
そして、主人公がかずさを守る為、雪菜を本当に裏切ってしまったら?
作品をプレイした人の感想で、
「世界中を敵に回してでも〇〇を守るんだ!」というのはよくある台詞だが、
このルートでは、“実際に世界が敵に回ったらこうなる”というのを、
ただただ現実的に突きつけてくる。
ーというものがありましたが、上手いことを言うなぁと思いました。
このシナリオで、プレイヤーに何が待ち受けているのか?
ここまでずっと、ずっと、ずーっと。
主人公や雪菜の味方でいてくれた友人・雪菜の家族たちから、徹底的に糾弾されます。
一人の男性の、これまでの人間関係の全てが崩壊していく様を、
プレイヤー自身も体験させられることになるのです。
「何度、雪菜のことを裏切れば気が済むの!?」
「わざわざ天国から地獄に突き落として、何がしたいの?」
「雪菜の人生を返せよ!!」
・・・当然です。このシナリオで主人公がやったことは、
雪菜に対して自分から婚約を申し込んだにも関わらず、それを一方的に取り消し、
その理由が「やっぱり、本当に好きだったのは“かずさ”だから、もう雪菜を選べない」ということ。
どれだけ非難されたって、仕方がない。
社会的にも人間的にも最低最悪の、身勝手すぎる行為。
たとえそれがどんなに、主人公にとっては美しいものであっても。
許される道理なんて、どこにもありません。
主人公に感情移入し、シナリオに没入している人であればあるほど、
この展開は重く重くのしかかります。
『White album2』のファンでも、
「このルートだけはやり直したくない、二度と見たくない」と言うほどに。
ですから、「鬱度」はMAXの10にしました。
ーで、私はどうだったかというと・・・それは、もう。
最っっっっっ高でしたよ!!!
私は主人公のことが大っっ嫌いなので、最後まで全く感情移入できませんでしたからね。
あのクソカスが皆に追い詰められていく場面満載のこのルートは、
私にとっては“ご褒美”でした。「鬱ゲー」だなんて、とんでもない。
ここまでずっと不快な目で見てきた害虫を、やっと始末できたような、実にスガスガしい気持ち。
家の中で小躍りしながらプレイしていたくらいです。
これだよ。これが見たかったんですよ、私は。
スターとったマリオよりもテンション上がりました。
特に、雪菜の親友である「水沢衣緒」というキャラクターが主人公に言い放つ、
これらの台詞は絶頂ものでした。
「最低の純愛だね、吐き気がする」
「二人しかいない世界で、仲良くおままごとやってりゃいいじゃん」
よくぞ言ってくれた! 衣緒ちゃんGJ!
この瞬間の為に、私は生まれてきたのだとすら思いました。
最後の最後まで味方でいてくれた親友からも、とうとう見限られ。
雪菜の両親からは冷酷に非難され、自分を慕っていた雪菜の弟には罵倒され。
ボロボロになった主人公は、こんなことを思います。
「神様、俺、そんなに酷いことしましたか・・・?」
してるに決まってんだろが。
主人公がどんなに酷い目にあっても大歓迎でしたが、
ここまで何度も裏切られ、やっとプロポーズを受けたにも関わらず、
あまりにも理不尽に撤回された雪菜が、どんどん壊れてしまう展開はしんどかったです。
決して好きなヒロインではありませんでしたが、ここまでくると流石に同情します。
こんなに傷つけられても、雪菜は主人公を責めず、
「春希くんとかずさと私の3人で、ずっと一緒に居ればいい」と、
あまりにも虚しい台詞を繰り返す姿は、正視に耐えうるものではありませんでした。
雪菜TRUEルート
◎面白さ:8
◎鬱度:0
「かずさ」に今も惹かれていることを「雪菜」に告白し、
その上で「雪菜」を選ぶと、このルートに入ります。
『WHITE ALBUM2』というゲームの、グランドフィナーレといってもいいエンド。
少年マンガ的なストーリー、登場人物たち全員が前向きに救われるので、
この話を最後にプレイすることをオススメします。
終盤は「序章」を想起させるような展開もあり、純粋に面白かったです。
(ここに至るまで長すぎですが・・・。)
長い長い物語を経て、ようやく主人公とダブルヒロインの関係に綺麗な形で決着がつくので、
「良かったなあ」という思いでプレイできました。何なら、泣きそうになりましたよ。
まあ、感動したというよりは、
「これでやっと、このゲームから解放されるんだ」
・・・という気持ちからくる涙でした。
私が学生時代にやっていた、ワンオペバイトを辞めたときのことを思い出しましたね。
統括
今回は、ほとんど1年という歳月をかけてプレイした、『WHITE ALBUM2』の紹介記事でしたが、
楽しんでいただけましたでしょうか?
ここまで解説して、それでもやってみたいという方は、是非プレイしてみて下さい。
もし、この記事を読んで「なげーよ」と少しでも感じた方は、
きっと本作は向いていないので、やらない方が良いでしょう。
『WHITE ALBUM2』は、この記事の200倍は長いのですから。
大変長い記事となってしまったので、最後に振り返りをしましょう。
本記事で伝えたかった内容は、3つです。
伝えたかったこと。
- ブレス オブ ザ ワイルドは、神ゲー中の神ゲー。
- まどマギの新作映画(ワルプルギスの廻天)が楽しみで仕方がない。
- ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、死んでもみろ。
以上、ここまで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
紹介した作品