【書評】こんなのを書いてたら頭がおかしくなってしまった。
過去最大の問題作、完結編(その2)
今回の記事は、前回、前々回の続きになります。
前回
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【要約】ボボボーボ・ボーボボのストーリーを真剣に紹介してみた【後半戦・その1】
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前々回
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【要約】ボボボーボ・ボーボボのストーリーを真剣に紹介してみた。【前半戦】
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伝説のギャグバトル漫画『ボボボーボ・ボーボボ』を最後まで紹介します。
今回の記事では、16〜21巻までの「裏毛狩り隊編」、「毛の王国編」までのストーリーを紹介します。
続編であり完結作の『真説ボボボーボ・ボーボボ』については、最後に軽く紹介します。
そもそもボーボボってなんぞや?という方は、こちらからご覧ください。
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【マンガ】平成史上最大の問題作『ボボボーボ・ボーボボ』【伝説】
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ここまで読んでくださった読者の方がいるかは分かりませんが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
では、さっそく始めていきましょう。
ココに注意
ストーリーを思いっきりネタバレしていますが、何の問題もないと思います。
ストーリーの全体像(振り返り)
前回の記事にも書きましたが、ボーボボのストーリーを章ごとに区切ると、こんな感じです。
毛狩り隊編
G〜L編
天の助・軍艦編
田楽・ライス編
OVER・ハレクラニ・ギガ編
旧毛狩り隊編
裏毛狩り隊編
旧毛狩り隊との激闘を終えたボーボボたちは、飛行機の上で運転免許の講習を受けていた。
空ニャンが連れていたモグラから、「マルハーゲ帝国新帝王決定戦」の開催が告げられる。
50年に一度の、帝王の座を懸けた頂上バトルが始まった。
集結する毛狩り隊の強豪を一網打尽にする為、ボーボボはエジプトへ向かう。
16巻
新皇帝決定戦編:
会場に集まった毛狩り隊全員に宣戦布告をしたボーボボ。
真っ先に襲来したのは、「STOP真拳」の使い手、ねんちゃく。
ねんちゃくの作り出したジャングルジムで、ボーボボたちは捕らえられてしまう。
テープに引き裂かれたボーボボの身体には、ポテチが入っていた。
ねんちゃくを制し、マルハーゲ帝国の最高幹部:闇夜叉との戦いが始まる。
髑髏を操る闇夜叉の真の姿は、サンバマンだった。ゴブリンにFAXで送られる。
夏を感じていたボーボボたちの前に、裏マルハーゲ四天王:ハロンオニが現れる。
【感想】
この巻で一番好きなシーンは、ヤケクソでギガに一発入れる絶望君。
この新帝王決定戦は、過去に登場した敵が輝くので、そういう意味でも好きな話です。
ボーボボ全体のストーリーの中でも、ギャグとバトルのバランスが絶妙だと思います。
17巻
裏マルハーゲ四天王によって、マルハーゲ城に集結した新帝王候補者たちは、
次々と「生け贄板」に吸収されてしまう。
四天王の一人:3ぶくろの闇拳に苦戦するボーボボ。
ハロンオニと同様に「闇継承の儀」を発動。手抜きデザインに変身する。
闇パワーと手抜きバワーは凄まじい破壊力だった。
最後の生け贄となった花子が「生け贄板」に封じ込められたとき、
浮遊城:ヤミキングと闇皇帝が地上に姿を現す。
「マルハーゲ帝国」の新皇帝を名乗る闇皇帝:ハイドレートを倒す為、
OVER・ハレクラニ・絶望君がボーボボパーティに加わる。
かつての強敵たちと共闘し、闇との全面戦争が開幕する。
闇皇帝編:
裏マルハーゲ四天王の一人、クリムゾンとの3狩リアに選ばれたのは、
ボーボボ・ハレクラニ・天の助。
出番の少なさにキレた首領パッチに殴られるOVER。
ノーマネーモードになったハレクラニを利用して、3強融合:金天ボが登場。
圧倒的な力でクリムゾンを撃破する。
最後の裏マルハーゲ四天王:LOVEは、筋肉を愛する変態女。
筋肉ガスを浴びたボーボボは悪魔将軍になってしまう。
裏マルハーゲ四天王を倒した先に待っていたのは、闇皇帝の右腕:白狂。
呪われた体を持つ白狂は、裏マルハーゲ四天王とは比べ物にならない程の危険な男だった。
融合戦士:パッチボボに変身してもなお、互角以上の戦闘を演じる白狂。
死闘は次巻まで続く・・・。
【感想】
かつての敵と一時共闘する流れは、少年マンガの王道で実に気持ちが良いですね。
OVERとハレクラニは元々魅力的なキャラクターでしたが、この話で一気にファンも増えたと思います。
この辺りのバトルは、テンポも面白さもボーボボの絶頂期ではないでしょうか。
18巻
闇皇帝の目前で待ち受けていたのは、ボーボボのお兄たまであるベーべべ。
毛の神への叛逆となる禁断の戦いが開幕する。
鼻毛真拳を赤子扱いするベーべべとの3狩リアが始まると、天の助の顔から天津甘栗が出てくる。
ガネメシステムが発動したボーボボによって、補完計画が完了する。
戦意喪失したベーべべは浮遊城から離脱するが、毛の兄弟が動き出すことを伝える。
長い道のりを経て、黒幕:ハイドレートのファイナルステージに到着したボーボボ。
闇皇帝は「ニャンニャンアーマー」を身にまとい、世界を統べる「足の裏真拳」を披露する。
闇皇帝を下し、マルハーゲ帝国との戦いが、一旦終結した。
ゾウ落下された破天荒から、毛の王国に君臨するボーボボの兄を倒すように懇願される。
物語の最後の舞台は、主人公の故郷へー。
【感想】
ボーボボの早バレがネットに貼られて、誰にも信じてもらえなかった伝説の回が収録されています。
このマンガ、伝説ばっかりですけどね。あと、ツルリーナ4世は普通にクズだと思う。
毛の王国編
毛の5兄弟の長兄と次兄である、バババーバ・バーババとビビビービ・ビービビ。
毛の王国の王として君臨した2人は、全世界を牛耳る声明を発表。
到着した毛の王国で待ち構えていたのは、ビービビ直属の親衛隊だった。
19巻
バーババ・ビービビから逃れる為、アリの巣で身を隠していた、ブブブーブ・ブーブブ。
彼女は、ボーボボ、ベーべべのお姉様だった。
カスはカスでもカステラだった首領パッチに、ブーブブは恋をする。
毛の王国を変貌させた兄を倒す為、「四毛塔」を守る守護神:発毛獅志16区との戦いが始まる。
ワカメミイラは激萌え。健康診断に行っていた天の助は100%イカロスだった。
闇皇帝の部下だったベーべべも毛の王国に参戦し、戦況は更に激化。
4区総隊長の極楽鳥の正体は、ビービビの容器だった。
いきなり黒幕との死闘が開幕。
ビービビの「カミの毛真拳」は、五大毛真拳の頂点に君臨する、別格の真拳。
入れ物の状態にすら、全く歯が立たないボーボボとベーべべ。
生き残る為、遂に2人の兄弟が手を組み、最強の次兄に挑む。
【感想】
クライマックスである「毛の王国編」のラスボスはビービビで、
長男:バーババはシルエットのみ最初に出てきて以降、物語の進行と共にいなかったことにされます。
続編の「真説ボーボボ」でも登場しません。
最後の敵であるビービビは、本当に別格の強さでした。
ボーボボはギャグ漫画ですが、敵の実力の描写とかマジで上手いですね。
20巻
同じバビロンの戦士:アイスンから妹を守る為にバビロンの力を解除するソフトン。
ウンコがノーウンコになり、ボーボボたちは悲しみに暮れる。
ソフトンを救う為、ボーボボは「体感☆パラダイスGAMEゾーンXサマーver」を発動。
新たなバビロンの力を得たソフトンは、4段巻になる。
3つの塔を解放し、最後の関門であるボディソープ塔では、
発毛獅志16区で最強の3名が待ち受けていた。
最強の1区総隊長:シゲキXが遂に真の力を解放。
X空間に閉じ込められたボーボボと首領パッチは、シーモンキーになる。
その頃、ツルリーナ3世と共に毛の王国に乗り込んでいたコンバットブルースは、
エロ本に夢中になっていた・・・。
【感想】
この辺りはいくら何でも情報量が多すぎだし、ごちゃごちゃしていて読むのがしんどい巻です。
発毛獅志16区は流石に多すぎたと思う。
印象に残るのが3〜4人くらいしかいないし、大半が雑に処理されるし。
2区の総隊長だった奴なんか、軍艦の弟という美味しい設定を持っていたのに、描写ゼロで退場するし。
21巻(最終巻)
X空間での「聖鼻毛融合」でスーパー戦士:横浜の純子が爆誕。
魚雷ガールと共に「大人の女界」をリードするカリスマだった。
大人になれなかったシゲキXは横浜の純子の圧倒的な力に敗れる。
発毛獅志16区を全滅させたボーボボたちは、毛の5兄弟の因縁の戦いに決着をつける為、
ビービビの待つモウコーン・キャッスルへ向かう。
ボーボボの回想によって、毛の王国が滅亡した真実が明かされる。
マルハーゲ帝国すらも道具扱いするビービビによって、毛の兄弟の運命は大きく変えられてしまっていた。
おめんパチダッシュ530の今夜のおかずはエビフライにしたかった。
最後に登場した10人目の仲間:つけものは首領パッチに殺される。
邪魔者を始末したボーボボとビービビの、最後の戦いが遂に始まる。
不意を突かれたボーボボは毛玉を完全に破壊され、死亡。
死後の世界で、地雷ダンディをはじめとするハジケリストから力を託され、
100%ボーボボが地獄から戻ってきた。
鼻毛真拳超最終奥義:「ボボボボボ・ボボボボボボ・ボーボボ」で、
これまでの全ての旅路をビービビに刻みつけて、元凶である兄に完全勝利した。
束の間の平和が訪れるが、生きていたツルリーナ3世がビービビの毛玉を奪い、真の姿を取り戻していた。
物語は「真説ボーボボ」へと続く・・・。
【感想】
「ボボボーボ・ボーボボ」の完結巻です。
最後の敵が使う技が「毛狩り真拳」というのは、非常にアツい展開でしたね。
真説ボボボーボ・ボーボボについて
続編となる「真説ボーボボ」は、無印版ボーボボに比べると、評価が良くない印象を受けます。
私が読んだ感想を正直に話すと、「面白いは面白いが、ハジけ具合が足りない」という感じでした。
一部終盤から第二部はギャグのネタが尽きてきたのか、若干息切れ気味になった。
一応、話数を重ねるごとにストーリー展開は洗練されて分かりやすくなっているのだが、
分かりやすくなったがゆえに当初の勢いがなくなってきていると評する声が多くなり、
これまでの「脈絡のない破天荒なギャグで笑いを取る」という、
滅茶苦茶な作風がここに来て仇になったと言える。
連載開始当初の作者は無名の若手漫画家であり、ストーリーの構成力などに難があったが、
それゆえの滅茶苦茶っぷりが面白さに繋がり、むしろ評価点にすらなっていた。
ところが、連載を続けていくうちに普通に実力が付いてしまい、
その滅茶苦茶さは薄れてしまったという皮肉な事態であった。
結果的に二部は、一部の三分の一程度の連載期間で終了してしまうこととなる。
何というか、普通のバトル漫画として読める部分が多くなって、
ストーリーの流れが言語化できてしまいます。
特に4〜5巻辺りは「本当にボーボボか?」と疑うくらい、シリアスな展開が続きます。
画力も大きく上がり、絵の雰囲気も途中から大分変わります。
敵キャラクターも全員まともなデザインで、幹部に宇治金時とか豆腐とかいません。
まあ、いる方がおかしいのだけれど。
総じて、普通のバトル漫画要素が強くなってしまったので、澤井先生の限界が近づいていたのかなと。
それでも、相変わらず“漫画力”は高く、物語も綺麗に幕を閉じるので、
「読んで損した」という作品ではありません。
最後に
3回の記事に分けて、やっとボーボボのストーリーを紹介することができました。
この1ヶ月くらいずっとボーボボの原作を読み直している影響で、本当に頭がおかしくなりそうになりました。
夢の中にボーボボが出てくるようになりました。
散々言われていることですが、マジでこの作品は“劇薬”だったなぁ・・・。
でも、こういう体に悪いものが人間は大好きなので、たまにはハジケリストになってもいいんじゃないかと、
私は思います。
それでは次回の記事でお会いしましょう。
紹介した作品
『ボボボーボ・ボーボボ』 (著)澤井啓夫