引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
【コラム】大好評! ガッシュの登場人物 紹介企画 第二弾!
今回は、僕の大好きな名作マンガ『金色のガッシュ!!』に登場する、
キャラクターの紹介記事を書きます。
2年ほど前に書いたこちらの記事が、割と当ブログでも読まれており、
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【コラム】次元の違う圧倒的強者の描写。『金色のガッシュ!!』より。
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好評だと勝手に受け止めて、第二弾の記事を書きます。
完全版(8)に収録されている、“石板魔物編”における終局、デモルト戦。
ガッシュたちを苦しめた千年前の戦士の中でも、最強の魔物。
そのパートナー、ローベルト・ヴァイルを紹介します。
誰だよ?
冷酷な雰囲気を纏った長髪の男、ローベルト・ヴァイル。
前回の記事で紹介した「ゼオン」の敵役としての魅力を“100”とすると、
こいつの魅力は“3”くらいです。ただのゲスです。
一応、章ボスの相棒なので、「物語的にどうでもいい捨てキャラ」ではないですが、
本当にどうしようもない奴です。わざわざ個別に取り上げるような人物ではありません。
じゃあ、なんで書くんだよ
ーという当然の疑問が湧くと思いますが、きっかけは、
先日公開されたYouTubeのバキ童チャンネルです。
数少ない更新を心待ちにしているYouTubeチャンネルで、
漫画ONE PIECEに登場する「ツメゲリ部隊」を紹介する、30分超えの動画がアップされていました。
「ツメゲリ部隊」は20巻付近の「アラバスタ編」で出てくる人たちで、
物語の役割は簡単に言えば“やられ役”。
その登場から退場に至るまでの流れが“雑”すぎて、当時読んでいた少年時代の私でさえ、
「これいる?」と疑問に感じたほどでした。
©バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】
個人的にアラバスタ編は特に好きな編ですが、
「ツメゲリ部隊」と「ペル生存」には未だに否定的です。
なんで怪しい水を飲んだ奴らが死んで、直径5 kmに及ぶ爆発をゼロ距離で受けた鳥が生きてんだよ。
・・・そんな「ツメゲリ部隊」を徹底考察する、という動画が非常に面白かったので、
私も大好きなガッシュで、同じような記事を書きたい!という意欲が湧いた次第です。
とはいえ、『金色のガッシュ!!』は敵も味方も魅力的なキャラクターばかりで、
「ツメゲリ部隊」のような捨てキャラは本当にいないんですよね。
そんな中で唯一、作者の雷句先生も「こいつのことはそんなに愛着ないだろうな」と思うような人がいました。
それがローベルト・ヴァイルです。
この人のことを徹底的に紹介する記事や動画は、おそらく存在しないので、
私が完璧に紹介して、ガッシュファン大歓喜の記事にしようと思います。
記事の構成
- 概要
- 目的
- 能力
- 結末
- 統括
では、さっそくはじめていきましょう!
1.概要
先述した通り、“石板魔物編”のラスボス枠として登場した、デモルトのパートナー。
『金色のガッシュ!!』の話数でいうと、147〜157話です。
引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
まぁ、そのうち半分くらいはデモルトの胃の中にいたため、
実質的な出番は5、6話くらいです。
ちなみに、ガッシュは全323話です。
徹底解説するとか書きましたが、描写も存在価値も薄すぎて、
あんまり書けることないです・・・。
ただ、読者にそれなりのインパクトを残した悪役ではあると思います。はい。
特徴
“石板魔物編”では黒幕の「ゾフィス」という魔物がいて、
そいつに操られた人間が無理やり戦わされている、という背景があります。
しかし、このローベルト・ヴァイルというオールバックでロン毛の中年は、
ゾフィスに非常に強力的で、ノリノリで戦闘に参加しています。
性格も非常に悪辣で、常に人を小馬鹿にした言動が鼻につきます。
相棒のデモルトに対しても「調子にのって遊んでんじゃねぇ」などと、
ことあるごとに言わなくていい悪態をつきます。一番調子にのってるのはお前だろ。
どの職場にもこういう奴いますよね。
こっちが何をやっても、絶対に文句を言ってくる人間。
性格の病気で、もう治らないでしょうね。
主人公たちは基本的にこいつのことガン無視で戦うのですが、
相手にされていないことに対して逆上。
引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
この「人の話、無視してんじゃねえよー!!!」は、名言ですね。
日常生活で使える機会はほぼありませんが。
ちなみに、無視された話の内容ですが、
「デモルトにそんな攻撃効かないぜ。いや、それでも精一杯の攻撃してるんだったな。こいつは失礼しちまったぜ、ハッハッハッ〜」
ーというものなので、無視されて当然だと思います。
逆になんて応えてもらえると思ったんだよ、この中年は。
2.目的
そんなローベルト・ヴァイルさんの目的ですが、
ゾフィスが魔界の王になった暁には、人の心を操る「月の石」という道具を、
勝利への報酬としてもらえる約束をしているそうです。
引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
ゾフィスと同じように催眠能力を得て、安全圏から他人に犯罪行為をさせるという、
悪趣味な野望を抱いています。
ガッシュは健全な少年漫画なので割愛されたのでしょうが、絶対エロいことにも使うと思います。
野望は可能なのか?
さて、意気揚々と語っていたヴァイルさんの計画ですが、
残念ながら、作中描写を見る限り、実現性はかなり低いと言わざるを得ません。
清麿の説明によると、「月の石」はあくまでゾフィスの力を増大させる装置、いわばアンプです。
「でかいコンピュータに繋げれば、ゾフィスがいなくても集団催眠ができる」
などと宣っておりますが、信頼性もなにもあったもんじゃありません。
大体、コンピュータに繋げればって簡単に言ってますが、
インターフェースはどうするつもりなのか。
「月の石」は確かに、ゾフィスが人間世界に来てから作ったものですが、
その構造原理は現在の科学ではとても解明できないほど、非常に高度なもの。
それを生み出したゾフィスは、とんでもない天才。
ーと、他ならぬ天才児の清麿がそう、断言しています。
つまり、コンピュータを使ってどうこうできる次元の代物ではないと思われます。
ゾフィスの性格を考えても、そんな風に設計する意味がないですからね。
さらに、2004年に販売された『金色のガッシュ!! まるかじりブック2』では、
「月の石」という装置自体、永続できるものではないとはっきり書かれています。
「魔界の王を決める戦い」が終わるまで機能すればいい、と考えると、
推定寿命は2〜3年くらいが関の山ではないかと思われます。
“ゾフィスのあとを継ぐ者”とか何とか言ってますが、
それはこいつが勝手に言ってるだけであり、
ゾフィスは単純に不用な粗大ゴミを押し付けただけでしょう。
3.能力
善悪を抜きに考えてみても、目的に懸ける情熱は本物かもしれませんが、
計画への見通しは非常に甘く、痛い妄想を吐いているだけの、
残念なオッサンと言わざるをえません。
その反面、パートナーとしての能力は優秀で、
- 狂戦士デモルトに的確な指示。
- 基本的には上級呪文は温存。
- 状況に応じて最適な呪文を選択。
引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
ーと、戦闘思考力は意外と高いです。俺たちのレイラ曰く、
「デモルトの強さを何倍にも引き上げている」と評されています。
虎の威を借る狐、という訳でもないようです。
まぁ、ガッシュのパートナースペックの話をしてしまうと、
作中上位陣はアンサートーカー持ちの清麿、デュフォー。
それらと同じ戦闘レベルについていけるシェリー、リーン・ウィズ。
無尽蔵に心の力を生み出せるヴィノー。
こういった上澄みも上澄みのパートナーたちと比べてしまうと、
パートナーとしての能力はいかんせん地味。
決して無能ではありませんが、取り立てて凄いとも言えません。
魔界の王を決める戦いにおいて最も重要な、相棒との絆も全くないですからね。
半端に優秀な分、変に性格が歪んで、プライドだけが大きくなってしまったのでしょう。
なんかもう、哀れな・・・。
4.結末
色々と書いていて悲しくなってきましたが、
「月の石」はパティちゃんとビョンコの活躍により、見事に破壊されます。
引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
(この二人の別れのシーンはマジで名場面です。)
するとどうなったか。ローベルト・ヴァイルさんは泣き始めます。
引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
自分の人生で中年のおっさんが泣いてる場面を見たのは、ここが初めてだったような気がします。
名俳優でもここまで綺麗に涙を流せないでしょう。
自暴自棄になった彼は、ゾフィスから「絶対使うなよ!?」と忠告されていた、“禁呪”を発動。
より凶暴化したデモルトに、上から目線で命令したことで遂に堪忍袋の緒が切れて、
丸呑みにされました。
引用:金色のガッシュ!!完全版⑧/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
結局デモルトは倒され、吐き出されて胃液まみれになったヴァイルさんは、
逃げるようにその場を去っていきました。
その後、無事に自分の国へ帰れたかは分かりません。
ガッシュたちを倒したとて
そもそも、ここでガッシュたちに勝てたとして、その先にあるのは、
ファウード襲来。
優勝候補の最右翼、ゼオンとアシュロン。
それらを上回る滅亡の子:クリア・ノート。
・・・という、無理ゲーが待ち受けているので、
ゾフィス軍団が勝ち抜ける可能性ってほぼほぼゼロなんですよね。
ゾフィスを合わせた総力戦でも、ゼオン単騎に全く勝てる気がしないので。
引用:金色のガッシュ!!完全版(11)/©雷句誠・BIRGDIN BOARD Corp.
とはいえ、当時のガッシュ陣営からしたらデモルトのスペックは破格で、
連載当時の絶望感は相当大きかったです。
まぁ、作中最強のお兄ちゃんと比べたらアレですが。
5.統括
今回は、久しぶりにガッシュのキャラを紹介する記事を(半分ネタで)書きました。
現在連載中の続編、『ガッシュ2』は隔週連載なので、物語が中々進まないですが、
それでも最新話が更新されると、やはり毎回面白い。
面白いからすぐ読み終わっちゃって、「続きは!」っていつもなってしまいますね。
そろそろあのキャラが復活するのか!?っていうところで、焦らされてます。
まぁ、ローベルト・ヴァイルの復活はないでしょう。たぶん。
それでは、次回の記事でお会いしましょう。
紹介した作品