【紹介】日本人による最高のスピーチ。『思うは招く』について語る。

 

【コラム】人生で一番大事なこととは。


今回は、TED(テド)で講演された『思うは招く』というプレゼン動画を紹介します。

これまでの人生で3回以上は見ていますが、何回見ても勇気をもらえます。

既に見たことがある方も多いと思いますが、本当に素晴らしい内容なので、改めて見てみて欲しいです。

 

ココがポイント

私たちは、自分を責める必要なんて全く無い。

 

 

思うは招く

まずは何も言わず、下の動画を見てください。

20分くらいある動画なので、少し長く感じるかもしれませんが、再生ボタンを押したら最後まで見終わってます。

再生回数5,000,000- 以上を突破した、伝説のスピーチ動画です。

 

はい、では、みなさん改めましてこんにちは。

緊張がほぐれました。

今からみなさんに時間を借りてお話を聞いてもらいます。

それは「思うは招く」っちゅうお話です。

僕の母さんが中学生のときに教えてくれた言葉です。

思ったらそうなるよって意味です。思い続けるって大事です。

『Hope invites|思うは招く』より一部引用。

 

ーという冒頭から始まるこのスピーチは、人生で本当に大切なことを教えてくれる内容です。

作業着姿でTEDの舞台に立つ植松さんは、どこにでも居そうな、普通のおっちゃんです。

20分に渡る講演ですが、どこにも高度な専門知識、難しい言葉は出てきません。

 

そんな人が語る言葉だからこそ、深く深く私たちの心に沁み入るのかもしれません。

不合理な社会・理不尽な現実を生きていく内に、私たちがいつの間にか見失ってしまったものに、気づかせてくれます。

 

特に、仕事で辛い思いをしている方にとっては、思わず涙が出てしまう程の感動的なスピーチです。

私なりに要約して、紹介させていただきます。

大雑把ではありますが、下記の3つのポイントに絞りました。

  1. お金で買えるものは、誰かのつくった価値に過ぎない。
  2. 大事なことは、「できなかったことができるようになる」こと。
  3. 人は皆、足りないから助け合える。

 

その前に、TEDや植松さんについて簡単に紹介しますね。

 

 

TEDとは?

TED(テド、テッド、英: Technology Entertainment Design)は、アメリカ合衆国のニューヨーク市に本部があるLLC。

カナダのバンクーバー(過去には米カリフォルニア州ロングビーチ、モントレー)で、

毎年大規模な世界的講演会「TED Conference」(テド・カンファレンス)を開催(主催)している非営利団体である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

 

・・・Wikiを見てもよく分からないので、“世界各地で有名人が開催する講演会”と考えてください。

YouTubeの「TED×Talks」というチャンネルで、無料で見ることが出来るので、下にリンクを貼っておきます。

詳しくはコチラ

 

映像から伝えられるメッセージというものは、活字媒体とは比較にならない程に感情が動かされ、心に残るものです。

「何かやる気が出ない・・・」というとき、こういう動画を見ると意識が高まって、“行動を起こすきっかけ”になります。

 

 

植松努さん

子どものころから紙飛行機が好きで宇宙にあこがれ、大学で流体力学を学び、名古屋で航空機設計を手がける会社に入社。

1994年に北海道に戻り、父・植松清が経営する植松電機に入社。産業廃棄物からの除鉄、選鉄に使う電磁石の開発製作を手がける。

10年後、カムイ式ロケットの研究を進めていた北海道大学大学院の永田教授との出会いをきっかけに、ふたたび宇宙へのあこがれを胸にロケット研究の全面支援を約束。

以来、「ロケットの開発」、宇宙空間と同じ無重力状態を作り出す「微少重力の実験」、「小型の人工衛星の開発」、「アメリカ民間宇宙開発企業との協同事業」と4つの宇宙開発を軸に研究開発を進める。

引用:植松 努|TED x Sapporo

 

講演の中でも、植松さんは自身の人生について語ります。

幼い頃に祖父とTVで見た「アポロの月着陸」をきっかけに、「飛行機やロケットの仕事」をするという夢を持ち、その目標に向かって一心不乱に走り続けました。

 

ただ、その道は決して簡単なものではありませんでした。

  • 学校の教師から自分の夢を否定されてしまう。
  • 一生懸命に自分の大好きなことを追いかけても、周りの理解を得られない。
  • 会社経営で失敗し、2億円の借金をつくってしまう。

 

・・・そんな苦難を乗り越え、今は社員数:20名程度と小規模ながら、日本で唯一の実験装置を所有する、ロケット開発事業を営む会社で取締役を務めています。

 

彼が『思うは招く』で語る、自分の体験したことから学んだ人生観は、そのまま会社の理念として表れています。

植松電機は自らが思い描き挑戦していくことと、

宇宙開発を通して子供達に夢を持つ勇気と自信を持ってもらうことで、

人の可能性が奪われない、より良くを求める社会を目指します。

引用:植松電機ウェブサイト 会社情報

 

 

お金で生み出せる価値。

この講演の中で、植松さんは一貫して「お金って実は大したことない」と言います。

もちろん、今の社会で生きる為にはお金が必要ですし、より多くあった方が人生は豊かになります。

自分の人生で出来ることが増えるからです。病気の治療費とか、お金で困る不安がなくなるからです。

 

こんな趣味の悪いスポーツカーを所有することも、お金があれば可能です。

 

でも、植松さんはこう語るのです。この車が手に入るのは、「お金持ちだから」じゃないんだと。

こういった車を世界の誰かが頑張ってデザインし、機能性を追求し、安全性を研究しているから販売できている。

それを、お金を持っている人が買っているというだけの話なんです。

 

私を含めて、多くの方がここでハッとさせられたはずです。

実はお金ってたいしたことないんです。

だって、「お金が必要な夢とかお金がないと無理だぁ!」 っていう夢、それは実は、誰かがしてくれるサービスにすぎないんです。

これを待ってるだけの話なんです。

 

そう、「お金を使う」という行為自体は、自分の為・娯楽のため。それ以上の価値はありません。

そのサービスを提供してくれる人たちが、必死に頑張って生み出した価値なんです。

 

植松さんはこう続けます。

自分ができなければできないほどしてもらうしかありません。

ってことは、生きてくためにどんどんお金がかかってしまうということなんです。

ところが、自分ができると、できることがあればあるほど、それはしてあげられるから仕事になるかもしれないっちゅうことなんです。

ってことは、人間が生きてく上で大事なことは、できなかったことができるようになることなのかもしれません。

 

生きていく上で「お金を稼ぐこと」は重要なことです。

ただ、多くの人が「お金が欲しい」という欲望に執着して、順番が逆になっています

 

私たちがすべきことは、「お金を稼ぐ」より先に、「できなかったことをできるようになること」です

そうやって多くの人の役に立つことができれば、結果的に多くの財産を手にします。

「結果は後からついてくる」とはこういうことでしょうし、そこで得られた経験は、決して宝くじに当たっただけでは手に入らないものです。

 

 

「どうせ無理」をなくすこと。

植松さんは学校の勉強をほったらかしにして、自分の大好きなロケットのこと、宇宙のことばかり勉強してきました。

その結果、周囲からどんどん人は離れていき、孤独になっていきます。

 

誰も植松さんの応援などしてはくれず、

「お前なんかにできるわけがない」

「どうせ無理だろ」

ということを言われてしまいます。

 

そんな冷たい言葉に傷つけられながら、植松さんは一生懸命勉強し、社会人になってからは会社を経営することになりました。

やがて僕は成長して、えげつないことも冷酷なこともできるようになって、競争相手をやっつけたり陥れたりできるようになりました。

でも、その人にどんな家族がいるかなんてひとつも考えませんでした。

 

会社としての売上が増えても、誰も信じることができず、全ての物事を合理でしか判断できなくなっていることに気づきます。

友人に誘われた児童施設のボランティア活動を経て、植松さんはこう考えるようになります。

「自分は何のために人をやっつけてまで、お金を稼いでいるのだろう」と。

 

そして、一つの結論にたどり着くのです。

だからこそ僕は「どーせ無理」という言葉をなくそうと思いました。

これがなくなったら「いじめや暴力や戦争がなくなるかもしれない。児童虐待もなくなるかもしれない」って思いました。

だから僕は誰もが「どーせ無理」だと思われてる宇宙開発をしてみようと思ったんです。

 

 

「諦め方」を学んでしまった人

「どーせ無理」を使ってしまったら、簡単に人から自信や希望を奪うことができます。

そして、言った本人は何もしなくても済むから、その瞬間から楽になれる言葉でもあります。

それを使ってしまう人たちというのは、“自信をなくしてしまった可哀想な人たち”と、植松さんは語っています。

 

その人たちが自分の自信を守りたくって、しょうがなく他のひとの自信を奪ってしまってるのかもしれません。

(中略)

自分の未来や可能性を諦めてしまった人たちが最後には人を殺して奪うようになるんだそうです。

なぜならば、がんばれないから、生み出せないから、奪うしかないんです。

 

今の日本でも、自分の未来や可能性を信じることができなくなった人間が、無差別に多くの人を巻き込む悲惨な事件が起こっています。

自信を無くしてしまったら、最終的にこういうことになってしまうのです。

 

だから植松さんは、世の中からこんな怖しい「どーせ無理」という言葉を、無くしてしまおうと呼びかけているんです。

僕たちは世界を救うために生まれました。世界を救うの簡単です。

世界を構成するすべての人間が「自分なんて…」って思わなくなるだけで世界は救われてしまいます

今日からひとりひとりができる世界の救い方です。

 

 

助け合うこと。

植松さんは講演の中でこんな話もされています。

ロケットは危険だしお金も掛かるから、諦めていたところもあった。

だけれど、ロケット研究をしていた永田教授と出会い、お互いが助け合うことで宇宙開発ができるようになったーと。

 

もし、お互いが自分の力で何でもできるなら、こんなことは起きていません。

人は足りないから助け合えるんです。

だからこそ足りないことをバカにしちゃいけないんです。

恥ずかしいって思う必要もないんです。

 

何かに挑戦すれば、失敗することもあるでしょう。きっと、そっちの方が多いはずです。

それでも、できない自分を責める必要も、凹む必要も全くありません

本当に危ないと感じたなら、その環境から逃げ出したっていい。

 

そこで自信を失って、自分なんて・・・と諦めてはいけません。

だったらどうするか

できる理由を考え続けることです。

 

そうすれば、きっと助けてくれる人がいて、世界はもっともっと良いものになっていきます。

 

 

最後に

今回、この話を取り上げたのは、最近の私が自信を失いつつあったからです。

先週から新しい仕事に入り、今までに経験したことの無かった業務の為、相当に苦心しています。

納期に追われ、1日の業務を終えて帰宅する頃には、23時を超過していることも珍しくありません。

 

決してパワハラは受けていませんが、上司からの指導を日々受けていて、

「このままではダメだな・・・」という焦燥感で、中々眠れないこともありました。

 

そんなときだったので、『思いは招く』で語られている内容は今の自分にとても突き刺さりました。

これからも定期的に振り返って、「だったらこうしよう」という思考回路を自然に身につけていこうと思います。

 

紹介した動画

Hope invites | Tsutomu Uematsu | TEDxSapporo

 

 

  • この記事を書いた人

イナ

本業は設計者。29歳。書評とコラムを発信する、当サイトの管理人。気ままに記事を更新します。日課は読書と筋トレ。深夜ラジオとADVゲーム好き。

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