【書評】ストーリーには一切触れずに、スラムダンクを語ります。
外出自粛延長を受けて出した結論:漫画、読もうぜ!
コロナウイルス感染防止の為、外出自粛が延長されましたが、いかがお過ごしでしょうか。
徐々に規制緩和されないと、経済が保たないのでは・・・と懸念もありますが、こんなときだからこそ、慎重に行動しましょう。
最近はジムに行けませんので、必然的に太りました。
そこで、家で自主トレをするためにヨガマットを購入しました。場所をとらないので、かなり便利ですよ。
GWの長期休みを利用して、会社のための勉強や自己研鑽の読書、ブログの更新をやろうと決めていたのですが、思った以上にできなかったです。
レオモンさんという有名なゲーム実況者にハマって、生放送を見たり、kindleで漫画を読んだりしていました。
連休最初に休日の実行目標を立てていたのですが、半分も達成できなかったのは、反省点です。
まあ、久しぶりにゆったりとした時間を過ごせて楽しかったので、良しとします。
漫画の紹介
さて、読書の要約を主に行っている当ブログですが、今回は初めて漫画の紹介をします。
このご時世、家でできる娯楽の需要が高まっています。
youtubeでもアクアリウムを始めた動画だったりとか、『あつまれどうぶつの森』をプレイする人が増えていたり。
そういった娯楽も勿論、素晴らしいことです。
でも、少し敷居が高いですよね?
始めるためにお金が必要だったり、場所をとったりします。
私のように、実況プレイを見れば充分という方もいるでしょう。
(Switchは持っていたのですが、やらなくなってしまったので今年の初めに売りました)
そういった意味で、漫画はかなり良い趣味なのではと思いました。
人生でNo.1の漫画
私は結構漫画好きで、子供の頃からお小遣いは殆ど漫画代に充てていました。
学生時代はツタヤとかゲオに行って漫画をレンタルしたり、漫画喫茶で休日を過ごしたりしていました。
社会人になった今はビジネス書を読むようになったり、単純に忙しかったりで、漫画を読む量は減りましたが、気になる漫画はkindleで集めています。
最近は『宇宙兄弟』や『魔人探偵脳嚙ネウロ』にハマってますね。
手軽で、場所をとらないので漫画は特に電子書籍がオススメです。
ただ、調子に乗ってお金を使いすぎる側面もあるので、私も月に○冊まで!と決めています。(全然守っていません)
一応、平均的な人よりは多く漫画を読んできた自信があります。
そんな私が「人生で一番面白かった漫画を一つ選べ」と言われたら、間違いなく『スラムダンク』を挙げます。
超有名作品で、紹介するのも抵抗がありましたが、自分の中で圧倒的にNo.1の作品です。
読んでいる方のほうが圧倒的に多いと思いますが、20年以上前の漫画ですので、意外とまだ読んだことがない人もいるかもしれません。
そういう人は、今すぐに全巻ポチってください。決して安くはない買い物ですが、絶対に後悔はしないと断言します。
私は引っ越しを機に泣く泣く売ってしまいましたが、いつか買い戻そうと思っています。
残念ながら電子書籍で出ていないので、今はamazonのカートに温めている状態です。
『スラムダンク』はオリエンタルラジオの中田さんが最近youtubeで紹介していました。
二時間もある動画ですが、かなり熱く語っておられます。ストーリーの大枠はこの動画を見れば大体分かります。
参照リンクはこちら!
【スラムダンク①】史上最高のバスケットボール漫画〜魂の授業〜
ただ、誤解を恐れずに言うと、この動画は面白くなかったです。
これは別に中田さんを批判しているわけではないのですが、『スラムダンク』の内容を二時間で語るなんて無理なんですよ。
嘘だろ!と思うかもしれませんが、実際この動画の後に中田さん自身が「めちゃくちゃ内容削った」とおっしゃっています。
そもそも、スラムダンクの魅力を口頭で伝えるのは難しいんです。
中田さんのような喋りのプロでも、調理し切れないぐらい内容が超濃密なんです。
なので、気になる方は本当に一度読んでみてください。
スラムダンクとは
様々なメディアで内容については散々語られていますので、改めてストーリーを紹介することはしません。
この記事では以下の内容に絞って紹介します。
- どれくらい人気だったのか
- 何故20年以上前の漫画が今もなお語られているのか
- 私が読んだきっかけ
先ず、コミックの売上で言うと1億2000万部以上。一巻辺り3800万部売れている計算です。
国民的漫画の『ワンピース』が一巻辺り4000万部なので、それに迫る位の数字ですね。
また、2018年に出た新装版(表紙を新しく書き直したもの)の売上が、その年の漫画売上ランキングトップ10に入っています。
何が言いたいかというと、化け物です。
『スラムダンク』は掲載誌である週刊少年ジャンプが黄金期と言われていた時代に、連載されていた漫画です。
週刊誌として一番発行部数が多かった時代であり、月に最高650万部だったそうです。
大人から子どもまで、ジャンプを買うのが当たり前だったと言われています。
今のジャンプの発行部数が約200万部と言われているので、3倍も違いますね。
現代とは子供の数や娯楽の種類・量も違うので、一概に比較はできませんが、それでも凄かったんだということは良く分かるでしょう。
そんな時代のジャンプの連載陣は、一言で言うなら全部『ワンピース』。
そういっても過言でないくらいに、メディアミックスされている作品ばかりです。
当時のジャンプの巻末にある作品リストを見るたびに私は思います。
「この時代に生まれたかった・・・」と。
このジャンプ黄金期に、看板漫画と言われるほどに人気があった作品が『ドラゴンボール』、『幽々白書』、そして『スラムダンク』です。
レジェンドofレジェンド、漫画of漫画、バスケofバスケ。それが『スラムダンク』です。
『スラムダンク』を推す理由
何がそこまで凄かったのか?
一言で言うと、人気絶頂期に連載を完結させたことです。最終回で頂点を迎えた漫画、それが『スラムダンク』です。
これは漫画という媒体では、通常ありえないことです。
読者から人気のある漫画は、編集部としては終わらせたくないので、展開を引き延ばしたり、あるいは続編を書いたりします。
商業誌ですから当たり前のことです。
『ドラゴンボール』は超サイヤ人になった悟空がフリーザを倒して、終わりではありませんよね。
『幽々白書』でも、戸愚呂100%に勝って連載終了ではありませんでした。知らない人は何を言ってるか分からないと思いますが。
これらの作品が引き延ばしだったかどうかは分かりません。
ただ、作品の人気絶頂期、ストーリーが一番盛り上がっているときに、完結しなかったことは事実です。
『スラムダンク』は作品上での最高の試合を描き切って、そこで物語が終わります。
私が読まなかった理由
これほど有名で多くのファンがいる『スラムダンク』という漫画ですが、私は長いこと読んでいませんでした。
面白いということは、テレビの紹介だったり、友達から聞いたりしていたので知ってはいました。
でも、中々読む気になれませんでした。
その理由は、どういう終わり方をするのかを知ってしまったことにあります。
ネタバレになってしまうので細かくは書きませんが、私が知っていたことは以下の通りです。
- 全国大会のIHで描写されるのは二回戦まで。
- 主人公のチームは負けてしまったことが最終回のナレーションで語られる。
- たった4ヶ月の物語であること。
普通の漫画であれば、トーナメントで最強の相手と決勝戦で戦うというのが王道のストーリーですが、
『スラムダンク』はそういった常識に沿わなかったのです。
主人公が敗北して終わるという、ネガティブな情報を先に聞いていたので、
だったら読まなくてもいいかと無意識に思っていました。
そんなときに、youtubeで『スラムダンク』の紹介をしている動画を偶然見つけました。
その内容は、『スラムダンク』で最後に描かれた“山王戦”のダイジェスト映像でした。
『スラムダンク』はIHが始まってから最終回までの話はアニメ化されていないので、
漫画の一コマ一コマを抜き出して、アニメの主題歌を流すというものでした。
・・・まあ、違法動画です。おそらく今は見れなくなっていると思います。
20分位の動画でしたが、何となく再生しました。
当時は敵も味方も、ストーリーもほぼ知らなかったですし、最後まで見るつもりすらありませんでした。
でも、視聴した1時間後には、ゲオで全巻レンタルしていました。
誇張抜きに、私が今まで読んできた漫画が全て霞む程の、圧倒的なインパクトでした。
最初にyoutubeで見たときには、まさか、全然知りもしない漫画で鳥肌が立つとは思っていませんでした。
特に、ラスト24秒から決着に至るまでのシーンは、圧巻です。1コマ1コマに魂が込められています。
何回も読み直して、展開が分かりきっていてもなお、手に汗握って読んでしまいます。
そして、全巻読んで初めて、何故二回戦で終わったのか理解できました。
たった4ヶ月のストーリーということにも意味があります。
『スラムダンク』という物語に、これ以上の終わり方はなかった。心からそう思います。
「続編を書いて欲しい」
「決勝まで描いて欲しかった」
という意見を耳にすることがありますが、私からすれば「ちゃんと読んだのか?」と言いたいくらいです。
作品のポイント
作品の魅力、ポイントはあり過ぎるので、読んでいてこれは凄い!と思ったことだけ紹介します。
- スポーツ漫画なのに主人公側の逆転勝利が、たったの一度しかなかった。
- 勝つための動機・理由付けがほとんど無い。
逆転勝利は、たった一回のみ
これは本当に凄いと思います。
バスケとかの点を取り合うスポーツ漫画は、話の展開を盛り上げるために最初は主人公側を劣勢に描いて、ギリギリで逆転勝利!
・・・というパターンが多いですよね。
それが悪いこととは言いませんが、嫌な言い方をすれば“安易”とも言えます。
でも、『スラムダンク』ではそういう分かりやすい展開がほとんどありませんでした。
では、たった一回の逆転勝利をどこで描いたのか?
それは是非、自分の目で確かめてください。
勝つための背景を描かない
主人公が所属するバスケ部が最初は弱小校で、周りの部員はやる気も実力もなく・・・
ーといった話が、過去回想等で度々語られます。でも、
- 何故勝たないといけないのか?
- 何故そこまで勝ちたいのか?
といった理由については特に描かれないんですね。
ただ単純に勝ちたいから、バスケが好きだからという純粋な気持ちで主人公達は動いています。
部活漫画では例えば、「死んだお爺さんとの約束で・・・」とか「この試合が終われば俺たちは引退だから・・・」とか、
主人公側が勝たないといけないエピソード・勝つための理由づけって、必ずといっていいほどありますよね。
『スラムダンク』では、主人公達はあくまで“自分が勝ちたいから”というスタンスです。
誰かが作中で死ぬわけでもなく、重たい過去なんてほとんどの登場人物は持っていません。
なのに、感動するんです。
どこまでもひたむきで、真っ直ぐな主人公の姿に、心を揺さぶられるんです。
だからこそ、20年以上経った今でも、多くの人に支持される作品になっているのでしょう。
私もいつか読み直す予定なので、皆さんも興味を持ったなら、一度読んでみることをオススメします。
紹介した漫画
『SLAM DUNK』 著:井上雄彦
オススメ度:殿堂入り
※読み終わった後、あなたはバスケットボールを手に、リングの前に立っています。右斜め45°、左手は添えるだけ。