【感想】去年見たエンタメ作品の中で、管理人が一番ハマった作品。
2022年を振り返って・・・
新年、明けましておめでとうございます。
今年も面白い記事をUPしていく所存ですので、よろしくお願いします。
昨年を振り返ってみると、何かと『魔法少女もの』に縁がある一年だったように思います。
前回の記事で紹介した作品も、そうでした。
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アニメ、ゲーム、漫画等の紹介記事を挙げることの多かった一年間でしたが、
個人的に一番ハマったといえるのは、『魔法少女まどか☆マギカ』でした。
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【アニメ】魔法少女まどか☆マギカは、詐欺アニメなんかじゃない!
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まどマギ以外にも、去年は『CLANNAD』、『メイドインアビス』、『リコリス・リコイル』
・・・といったアニメ作品を観てきました。
それらも面白かったのですが、一番を挙げるなら、まどマギになってしまいますね。
作品の優劣とかではなく、個人的にハマったという意味で。
全てを買い揃えた訳ではありませんが、フィギュア以外の単行本、
- 公式ガイドブック
- 漫画版
- ノベル版
- ムック本
などは一通り買い集めました。
後は、サントラ目当てで劇場版のDVD(中古)を購入したり、
10周年記念で開催された展示会に足を運んだり、
劇場版のリバイバル上映を観に行ったり・・・
参照リンクはこちら!
・・・自分でも、こんなにハマることになるとは思っていませんでした。
やっぱり、普段の仕事が忙しいとき、まどマギとかメイドインアビスのような、
可愛いキャラクターたちが頑張るほのぼの系アニメは癒しになりますよね。
私が実際にまどマギを見始めたのは2022年の3月頃だったのですが、
その2ヶ月後くらいに主題歌の『コネクト』を使用した某MADがネットミームになり、
本家の動画コメントまで侵食されてしまう始末となったので、
・・・その前に観ておいてよかったなぁと心から思います。
それ経由で本編を視聴していたら、キュゥべえと契約して、
「まどマギとの出会いをやり直したい」という願いを叶えていたと思います。
今回は「雑談回」ということで、『魔法少女まどか☆マギカ』の物語を、好き勝手に語りたいと思います。
ココに注意
当記事は作品のネタバレを含みます。
シナリオについて
日本アニメの超有名プロデューサー:岡田斗司夫さんが、
『魔法少女まどか☆マギカ』という作品の特徴の一つとして、
「とても論理的なシナリオ」ということを挙げていました。
従来の“魔法少女もの”の作品にあった、
「お約束」である設定を非常に上手く利用した作品ということです。
OPとかEDは飛ばしていいとか言っていたので、岡田さんとは分かり合える気がしませんが、
(アニメのOPは飛ばしちゃダメだろ!)
この意見には物凄く腑に落ちるところがありました。
ストーリーにツッコミどころは勿論あるんだけど、全部理屈があって、納得できるんですよね。
最終回では主人公が“神様”になってしまうという、とんでも展開が待ち受けているのですが、
妙に辻褄が合ってしまう。
作品のバランス、物語の構成力、設定の練り方が本当に見事だと思います。
この記事では、まどマギで描かれた物語を第1話から振り返ってみます。
物語(TVアニメ版)
TVアニメ版は全12話の1クールアニメでした。
終わり方や演出含めて、個人的にはTVアニメ版が一番好きでした。
全12話という構成を、最も上手に使い切ったシナリオだと断言できます。
どこを見ても面白いし、過剰にも過不足にも全く感じません。
続編となる劇場版もめちゃくちゃ面白かったし、大好きな作品ですが・・・そこは後述します。
1話:夢の中で逢った、ような・・・
まどかの通うクラスにやってきた転校生・暁美ほむらは、夢で見た少女と瓜二つ。
戸惑うまどかに彼女は意味深な言葉を投げかける。
感想
冒頭からして、一般的な「魔法少女もの」のソレではないですよね。
キャラクターたちの絵柄の可愛さに反して、一際異彩を放つ「魔女」や「異空間」のデザイン。
第1話からめちゃくちゃ引き込まれます。
さやかちゃんがまどかとほむらの関係を「前世の因果」と冗談混じりに言う場面がありますが、
ものすごく確信を突いてるなぁ・・・。
あと、分かった上で見返すと、キュゥべえは既に怪しいです。
2話:それはとっても嬉しいなって
キュゥべえを助ける途中、不思議な空間に迷い込み、ピンチに陥ったまどかとさやか。
2人を救ったのは魔法少女の巴マミだった。
感想
マミさんは第3話の退場シーンのインパクトが大きすぎて、「やられ役」の印象が強いですが、
純粋な戦闘力なら魔法少女No.1なのではないかと思います。
まぁ、それが当人の幸せになっているかと言われると・・・ハイ。
ティロ・フィナーレ!は一度やってみたい必殺技です。
直訳すると、「最後の一発、くれてやるよオラ!」になります。
3話:もう何も怖くない
マミの魔女退治体験コースにも慣れつつある、まどかとさやか。
翌日の放課後、2人は孵化しかけたグリーフシードを発見する。
感想
伝説の「マミる」が登場した回ですね。この衝撃的な展開は、
「アニメは3話まで観てから判断する」
ーという業界の定番を生み出した程に、凄まじいものでした。
実際に観てみるとグロさとかは無いですが、「魔法少女」のアニメでこんな展開をやるのかと。
仲間に想いを託すとかではなく、ただただ死ぬーというのが、リアルですね・・・。
4話:奇跡も、魔法も、あるんだよ
マミと魔女との壮絶な戦いの翌日。
敗北の結果を目の当たりにしたまどかは、魔法少女になることを諦める。
感想
まどかとほむらの会話が印象に残る回です。
この時間軸では何も知らないまどかに、ほむらが本心では何を思っていたのか、
垣間見える部分も出てきます。
第2話でも、まどかがほむらに
「どんな願い事をして魔法少女になったの?」
と、尋ねる場面がありましたが、この時のほむらの心情を思うと・・・。
本当に、切ないですね。
5話:後悔なんて、あるわけない
魔法少女として、まどかと仁美を救ったさやかの心は清々しい。
反対にまどかは、魔法少女になることを諦めてしまった自分に悩む。
感想
『魔法少女さやか☆マギカ』の始まりです。
「魔法少女」の契約を結ぶこと自体がダメという設定は知っていたので、
ここからさやかちゃんが曇らされるんだろうなぁ・・・という思いで観ていました。
さやかちゃんは登場人物の中で最も人間臭い人物で、私はかなり好きなキャラクターです。
6話:こんなの絶対おかしいよ
さやかと杏子の戦闘現場に現れたほむらは、さやかを一撃で気絶させる。
さらにとある目的のため、ほむらは杏子に接触する。
感想
4話辺りから本性を見せていたキュゥべえですが、
その本質が人間とは全く異なる存在であることが、この話ではっきりと描かれました。
魔法少女に変身するアイテムのように登場した「ソウルジェム」が、
実は魔法少女そのものだったという・・・。
ここから9話までの展開は、ずっと辛かったですね。
それにしても、「こんなの絶対おかしいよ」とか「わけがわからないよ」とか、
まどマギは妙に汎用的な名セリフが多い。
7話:本当の気持ちと向き合えますか?
魔法少女となった自分の体の真実を知ったさやか。
ふさぎこむさやかのもとに現れたのは、敵対していたはずの佐倉杏子だった。
感想
佐倉杏子の過去エピソードが中心の話。
真っ先に魔女になっても全然おかしくない境遇なのに、本当に強い子です。
『新編』や外伝作品の『マギアレコード』でも、杏子ちゃんの安定感は凄い。
そして、終盤の「影の魔女」との戦いから、さやかちゃんはどんどん壊れ始めます。
この場面、アニメでは切り絵の様に描かれていたのが、とても印象的でした。
初期の『プリキュア』路線は、視聴者の錯覚だったのでしょうか・・・。
8話:あたしって、ほんとバカ
自らの負傷も意に介さず、ただ目の前の魔女を切り刻むさやか。
自己嫌悪に悔し泣きをする彼女のソウルジェムは、黒く濁っていく。
感想
全12話の中で、個人的には一番好きかもしれない話。
何回見返したことやら分かりません。
薄々視聴者も察していましたが、これまで魔法少女たちが相手にしてきた「魔女」の正体が、
とうとう明らかになります。
やがて「魔女」になるから「魔法少女」というのは、そりゃそうだよね・・・。
「勝手に自分を粗末にしないで! あなたを大切に思う人のことも考えて!」
まどかに対するほむらの切実な叫びは、作中屈指の名場面。
自ら命を絶ってしまった人たちに、同じことを思います。
視聴者目線では初めて、ほむらがまどかのことを名前で呼ぶなど、
彼女の本音が見えてくる回でもあります。
あと、私は別にキュゥべえのこと嫌いではないですが、
ほむらに銃殺された後に別個体が現れ、自分の死骸を共食いする場面を見たときは、
「ゴキブリみてぇだな」って思いました。
9話:そんなの、あたしが許さない
漆黒のグリーフシードと化したさやかのソウルジェム。
その前で泣き崩れるまどかに、ほむらはソウルジェムの最後の秘密を語る。
感想
『魔法少女さやか☆マギカ』の完結編です。
杏子ちゃんが作中でも上位の人気キャラクターなのが、とても良く分かる回です。
初登場時の印象から、一番大きく変化したキャラではないでしょうか。
特殊EDの「and I'm home」はファン必聴の名曲。
10話:もう誰にも頼らない
それはとある少女の転校風景。
入院生活により学力も体力も他の生徒に劣る彼女は、帰宅途中、魔女の結界に迷いこんでしまう。
第10話にして『魔法少女まどか☆マギカ』のエピソード ゼロ。
文句なしの神回でしょう。
最後にOP の「コネクト」が流れる演出は、初見時は鳥肌が立ちました。
暁美ほむらの正体ーそれは、魔法少女まどかに憧れ、彼女を救う為に願いを叶えた少女。
主人公が全然魔法少女にならないのではなく、最初から主人公は魔法少女だった。
自信に満ち溢れた、生き生きとした“まどか”の姿は、
ここまでに見てきた気弱な主人公の面影を全く感じさせません。
ほむらがまどかを救うために魔法少女になり、タイムループしている設定は知っていましたが、
主題歌がここまで「ほむら」とリンクしていることは知らなかったので、驚きましたね。
“まどマギの実質的な主人公”と呼ばれるのも頷けます。
11話:最後に残った道しるべ
さやかの葬儀に悲しみに暮れるまどか。
彼女の元に現れたキュゥべえは、自分たちと人類がこれまでともに歩んできた歴史を語る。
感想
ほむらがまどかを想い、時間遡行を繰り返すことで、
結果的にまどかが最強の魔法少女=最悪の魔女になってしまった。
ーということがキュゥべえの口から語られます。
いらすとやにありそうな“ザ・魔法少女”の「まどか」が、作中最強キャラだったのは、
こういう背景があったんですね。
タイムループにはそれ相応の代償があった。
ほむらがループを繰り返すごとに、マミさんの死期がどんどん早まっていたことも、
何かしらの因果があったのでしょうか。
魔法少女でなくなった本編のまどかは、自分の願いである「何者かになりたい」という願いを叶えられず、
「誰の役に立つことも出来ない」という自己否定に陥っているのが皮肉です。
そして、何度やっても「ワルプルギスの夜」を越えられない・・・。
12話:わたしの、最高のともだち
一人でワルプルギスの夜に挑むほむら。
彼女の前に現れたまどかは、決意のまなざしで言い放つ。
「叶えたい願い事をみつけたの」
感想
最終回です。
最終回にして、ようやく本編のまどかは魔法少女になります。
作品を知らない人に対しては、
「主人公が魔法少女になるところまでは観て!」
ーと、説明すると良いと思います。
魔法少女にどこまでも救いが無いようなお話でしたが、
主人公の決意と犠牲により、最後の最後で救いのあるー・・・そんな結末でした。
願いを叶えた代償として、人間という領域から外れた主人公は“概念”となり、
誰にも認識されず、干渉も出来ない存在になってしまいますが、
ほむらだけはまどかのことを覚えていました。
たった一人の友達が守ろうとした世界で、ほむらは戦い続けるというラスト。
大切な人の想いと武器を引き継いで前に進むという、
実に少年マンガ的で、凄く綺麗な締め方だと思いました。
劇場版まどか☆マギカ
劇場版は3作あり、
“前編”がTVシリーズの1〜8話の総集編。
“後編”が9〜12話の総集編。
そして、“新編”がTVシリーズの最終回に続く、正統な続編になっております。
この劇場版から、本編以上にキャラクターのカップリング要素を押し出してきたなぁ。
・・・という印象を受けます。TV版の本編でマミさんを食い殺したあの魔女が、
“新編”にてマミさんの相棒になったときには、驚いたファンも多かったことでしょう。
前編「始まりの物語」/後編「永遠の物語」
願いから生まれる魔法少女の物語が再び、新たな物語としてつむがれる。
TVシリーズを再構成した劇場版2作。
「さあ、鹿目まどか――その魂を代価にして、君は何を願う?」
劇場版だけあって、演出や作画はパワーアップされていますが、
個人的には別に観なくてもいいかなーと思います。
配信、リバイバル上映、DVDのオーディオコメンタリーと、
3周している私が言うことではありませんが。
何でかと言うと、第一話のアバンに当たる、
まどかの夢(=1ループ前の時間軸)の描写が丸々カットされているんですよね。
ここが第10話で繋がるのが気持ち良すぎたのですが、劇場版ではその感動を味わえません。
「劇場版では冒頭で視聴者の謎を生む演出は不要と判断し、削った」
ーというのが制作コメントとしてありましたが、入れて欲しかったですね。
ただ、劇場版オリジナルOPのアニメーション『ルミナス』は、ファン必見のものになっています。
本編では描かれなかった「まどか」の成長を切り取った、幸せな風景が映し出され、
物語の結末を知っている分、「OPで泣いてしまった」という声もありました。
新編「叛逆の物語」
魔法少女は絶望から救われたのか。
"円環の理"に導かれて、少女たちの新たな物語がはじまる。
魔法少女が見るのは、希望か、絶望か。
2013年に公開された、本編の正統続編。
声優さんをして「絶対に賛否両論ある」と言わしめた本作ですが、
公開当初はその結末に大きな反響を呼びました。
本編でものすごく期待の上がっていたハードルを超えたという意味では、
文句なしの大傑作です。
ただ、私が最初に観た感想としては、
「いや、これ・・・えぇ〜!?」
ーという感じでした。
とにかく情報量がとんでもない映画なので、
初見だと「わけがわからないよ!」って思います。
2回目を視聴したときに物語の全体像が分かって、理解した後はめちゃくちゃ面白かったです。
『叛逆の物語』を観る前に、「ほむらが悪魔になる」というネタバレは知ってしまったのですが、
実際に観てみると、ネタバレが全くネタバレになっていなかったというか・・・。
完全に予想の斜め上でした。
後味としては、「本当にこれで良かったのかな・・・」という結末でした。
これから観る人は、間違いなく同じ感想を抱くことでしょう。
本編は最高のバッドエンド。叛逆は最悪のハッピーエンド。
ーという感想をネットで見かけたときは、
「これ、俺が言ったことにならないかな〜」と思いました。
統括
今回は雑談回ということで、まどマギを改めて振り返ってみました。
公開時期は未定ですが、叛逆の続編となる劇場版も制作が決定しているので、非常に楽しみです。
楽しみなものが増えると、人生は面白くなります。
2023年もまどマギと同じくらいにハマれる、好きな作品を見つけられたら、
それはとっても嬉しいなって。
紹介した作品
『劇場版魔法少女まどか☆マギカ<ワルプルギスの廻天>』 ※公式サイト