【コラム】Fateって何から見ればいいの?
Fate
今回は、Fate(フェイト)シリーズについて紹介します。
2004年に発売されたPCゲームから始まった本シリーズは、
アニメ化、劇場版、スマホアプリ、スピンオフ・・・各種メディア化や派生作品が数多く生まれ、
今現在でも高い人気を誇っています。
一方で、「シリーズが多すぎて何から見れば良いのやら・・・」
そんな悩みを持っている方も多いかと思われます。私もそうでした。
実際その通りで、ざっとシリーズ作品を挙げるだけでも、
- 『Fate/hollow ataraxia』
- 『Fate/zero』
- 『Fate/stay night [Realta Nua]』
- 『Fate/unlimited codes』
- 『Fate/EXTRA』
- 『Fate/Apocrypha』
- 『Fate/Prototype』
- 『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』
- 『Fate/strange fake』
- 『Fate/Grand Order』
いや、多すぎますね。これでは観る気が失せるのも分かります。
ただ、それを理由に手を出さないのは惜しい・・・とも思います。
Fateめっちゃ面白いんだから!
そんな訳で今回は、Fateを知らない方に向けて見るきっかけとなるような、
シリーズの前提知識と簡単な解説をまとめてみました。
こんな方におすすめ
- 興味はあるけど、どれから見ればいいのか分からない。
- そもそも、どういう話なのか知らない。
- シリーズで何が違うのか複雑で理解しにくい。
本記事の流れは、以下のとおりです。
記事の構成:
- Fateの始まり。
- シリーズの魅力。
- 土台となる知識。
- アニメの流れ。
では、さっそくはじめていきましょう!
1.Fateの始まり。
Fateシリーズの原点は何か、というところから話をします。
このシリーズは、『Fate/stay night』というPCゲームから始まります。
同人サークルとして活動していた「TYPE-MOON」によって制作された“伝奇活劇ビジュアルノベル”で、
レーティングは18禁、つまりエロゲとして発売されました。
知らない人にとっては、「Fateってエロゲだったの!?」と驚かれるかもしれません。
ただ、「18禁のアダルトゲーム」に属してはいるが性的描写は控えめであり、
「ストーリー、設定面に比重を置いた伝奇活劇物」の色が濃い作品(らしい)です。
※18禁版をプレイしたことがないので、完全にWikiの受け売りです。
アダルトゲームとして発売したのは、当時のPCゲーム業界では商業用で発売する場合、
「そうでなければ流通に乗せづらかった」という事情があったそうな。
独自の世界観、魅力的なキャラクターの数々、厨二病テイスト全開の表現。
アダルトゲームとしては異例の売り上げを記録し、普段PCゲームをプレイしない層にも、
「名前くらいは聞いたことある」という人がいる程の知名度を獲得しました。
ステイナイト
『Fate/stay night』には3つのストーリーがあり、
- 「Fate」
- 「UBW (Unlimited Blade Works)」
- 「HF (Heaven's Feel)」
ーというタイトルがついています。
タイトルが長くてややこしいですが、全て一つのゲームの中で展開される物語です。
大まかにシリーズを識別するなら、本編はステイナイト、それ以外は派生作品と考えてもらえたら良いかと。
本編の前日譚として「Fate/Zero」という作品がありますが、それは後で説明します。
『Fate/stay night』だけでも数々のメディアミックス展開がされているので、
この時点で既についていけない・・・と、感じる方もいるかもしれません。
そ・こ・で! HFのコミカライズを担当されているタスクオーナ先生の書かれた、
こちらの図が非常に分かりやすいです。
現在は全ての話が漫画化、アニメ化されています。
アニメ版も複数ありますので、これも後で簡単に説明します。
2.シリーズの魅力。
この「Fate」シリーズの魅力は、何といっても登場するキャラクターです。
7人のマスター、7騎のサーヴァントが自身の願いの為に戦う。
ーというのが、ざっくりとしたあらすじですが、本当に全キャラかっこいいです。
女性キャラクターも、男性キャラクターも、それぞれ違った魅力を持っています。
原作はアダルトゲームですが、男性キャラの人気が高いのも“異色”の作品といえます。
英霊
特に、マスターである魔術師が呼び出す英霊(サーヴァント)は、
全員が主役級の能力とビジュアルを持ち、高い人気を誇っています。
“英霊”という名の通り、彼らの正体は神話に登場する英雄。
伝記に記されているような騎士王、戦士、魔導師、怪物など。
誰もが知っているような伝説上の人物が、サーヴァントとして主人公の前に現れます。
早い話、このFateには雑魚キャラというべき存在がいません。
ステイナイトでは、最初に「ランサー」というキャラと戦うことになるのですが、
彼の必殺技は、“因果律の逆転”を可能にする魔槍:ゲイボルク。
相手の心臓を穿つという“結果”を創り出す、文字通り必殺の一撃。
誰がどう考えても、初戦の相手が使っていい範疇の技じゃありません。
他作品なら余裕でラスボス級の能力です。
主人公側も敵もこういったチート能力を持ち、それらを駆使して戦うので、
一つ一つの戦闘がマジで“死闘”です。
原作が成人向けゲームということもあり、表現の規制も緩いので、
主人公であろうとヒロインであろうと、戦闘では容赦無く致命傷を負います。
これらの要素が、物語の緊張感を高めるのに一役買っています。
3.土台となる知識。
先ほど少し触れましたが、シリーズを理解するために必要となる前提知識について、
ここで軽く紹介します。
マスター
まず、このFateの世界観では、「魔術師」と呼ばれる人たちがいます。
数十年に一度現れる、あらゆる願いを叶えるとされる「聖杯」。
7人の魔術師たちが7騎の使い魔:サーヴァントと契約し、彼らの「マスター」となり、
この「聖杯」を巡る抗争に挑むー・・・というのが、Fateの物語になります。
細かい設定は多々ありますが、基本的には『金色のガッシュ!!』のように、
“ペアを組んで生き残りを賭けて戦う”という、
漫画やアニメ業界においては非常にポピュラーな展開です。
聖杯戦争
聖杯を手に入れる為、最後の一人になるまで互いを殺し合う戦い。
シンプルながらも緻密に練り上げられた設定、世界観は多くのファンを生み出しました。
一見、少年漫画にあるようなバトル要素。
ここに、アダルトゲームという媒体であるからこそ許される、過激なグロ要素が掛け合わさり、
他の作品にはないオリジナリティを発揮しています。
“戦争”の名の通り、目を覆いたくなるような残酷な場面も少なくありません。
ですが、それもまたシリーズを語る上では欠かせない、作品の魅力の一つになっています。
クラス
英霊(サーヴァント)とは何ぞや、については軽く説明しましたが、ここで少し掘り下げます。
サーヴァントの正体は、伝説や神話に登場する英雄。
そして、ファンから好評を得ているFateの魅力の一つであり、同時に、
初見の人を混乱させる要素にもなっているのが、彼らの「真名隠し」です。
例えば、このFateシリーズの「顔」といってもいい中心人物:セイバー。
彼女も伝説の英雄の一人である為、誰もが聞いたことのある史実上の人物が、
彼女の正体なのですが・・・この「真名」は最初は明かされません。
彼女に限らず、他のサーヴァントたちも同様です。
キャラによっては初登場と同時に、真名が判明することもありますが、
基本的にサーヴァントは彼らに与えられた「クラス名」で呼ばれます。
- セイバー(剣士)
- ランサー(槍兵)
- アーチャー(弓兵)
- ライダー(騎兵)
- キャスター(魔術師)
- バーサーカー(狂戦士)
- アサシン(暗殺者)
何故こんな設定があるかというと、彼らは伝説上の人物である為、
真名が分かる。= 武器と能力、さらに弱点が分かる。
・・・ということになり、敵に自分の手の内を晒すことになるからです。
この設定が、物語における「伏線」にもなっており、サーヴァントの「真名」を当てるというのも、
シリーズの楽しみ方の一つです。
真名=ネタバレ
ただ、これの厄介なところは、全く別の人物が同じクラス名になることがあります。
これを人に説明するときが大変で、それぞれのキャラを真名で話せば済む話なのですが、
思いっきりネタバレになります。
別シリーズでは異なる時代や世界観の「聖杯戦争」を描いている為、
『Fate/stay night』に登場する「ライダー」と、『Fate/Zero』に登場する「ライダー」は、全く違う人物だったり。
逆に、作品によっては共通の人物が「アーチャー」として登場したり。
これも、作品の設定を知らなければ混乱することでしょう。
4.アニメの流れ。
さて、ここからはFateのアニメについて紹介します。
Fateを知ろうと思ったら、アニメから入るのがいいと思います。
それが一番楽でしょうからね。
とはいえ、アニメも様々な種類がありますので、基本となる作品だけ取り上げます。
Fate/ stay night
スタジオディーン制作により2006年に放送された、最初のアニメ作品。
始まりの物語である「Fate(セイバー)ルート」を、映像化したものになります。
全24話で、ここから視聴することを推奨されていますが、
今からみると少々古臭さを感じることは否めません。
個人的には、後述する「UBW」から視聴しても良いと思っています。
Fate/Zero
『鬼滅の刃』で有名なufotable制作により、2011年に放送されたのが『Fate/Zero』。全25話。
Fateの人気を確固たるものにしたと呼ばれる作品で、『Fate/Zero』のファンは多いです。
男性キャラがとにかくカッコいいので、女性ファンもかなり増えたとか。
シリーズの主軸となる『Fate/stay night』の10年前。
本編では描かれなかった、“前回の聖杯戦争”が描かれます。
これのまたややこしいところが、元々はスピンオフ小説というところです。
『Fate/stay night』の物語を書いたのは「奈須きのこ」さんという方なのですが、
この『Fate/Zero』は「虚淵玄」さんという方が執筆しました。
つまり、ステイナイトとは作者から違います。
虚淵さんといえば、「まどマギ」の脚本家として有名なシナリオライターです。
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そういう事情もあってか、『Fate/Zero』は『Fate/stay night』とは細かな違いが存在しており、
序盤から『Fate/stay night』のネタバレがありますので、
『Fate/stay night』のシリーズを一通り見てから観ることをオススメします。
私はUBWとHFを未視聴の状態で、この『Fate/Zero』を観たのですが、
「この人誰だっけ?」と思う部分も少なからずありました。
また、『Fate/stay night』も決して明るい話とは言い難いですが、
『Fate/Zero』は“鬱要素”がかなり多めな点も注意です。
「まどマギ」のような、ゆるふわ萌え系アニメの脚本を書いた人とは思えないくらい、全体的にダークな物語です。
アニメ化に至っては一部、表現規制で画面が真っ暗になる場面すらある程です。
個人的にはダークな作品は好きな方ですが、聖杯戦争とは無関係な子どもまで犠牲になるのは、
視聴していて辛かったです・・・。
(まどマギも似たようなもんだろって? それはまぁ、そうですね。)
UBW
『Fate/Zero』と同じく、ufotable制作で2014年に放送開始されたのが、
Fate/stay night [Unlimited Blade Works]。通称:UBW。全25話。
2010年に劇場版として公開されていますが、展開がかなり巻かれているので、
テレビシリーズ版を観る方が良いでしょう。
『Fate/stay night』シリーズで活躍する「遠坂凛」がメインヒロインとなる物語で、
Fateのアニメ作品の中では個人的にイチオシです。超〜面白い。
ヒロインの遠坂さん、その他のヒロインも可愛く描かれています。
『Fate/stay night』の主人公:衛宮士郎の秘密が明かされるのも、大きな魅力です。
Fateシリーズの中でも、一番、主人公が主人公している話だと思っています。
このUBWを知っていれば、他のシリーズ作品もより楽しめること間違いナシ!
HF
間桐桜がヒロインを務める[HF]ルートを、ufotableが劇場版3部作として映像化した作品が、
『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』です。ステイナイトの最終ルートの物語になります。
『Fate/stay night』の中でも異質なストーリーで、序盤から「ランサー」のような人気キャラが退場し、
他シリーズではラスボス役を務めたキャラですらあっさりと死ぬ等、衝撃的な展開が続きます。
そして、映像表現の美しさは『Fate』シリーズのアニメの中でも随一です。
このルートのみ登場する「黒セイバー」の戦闘シーンは、何度も巻き戻して観ました。
注意すべきは、Fateの序盤の展開はかなり省略されているところ。
少なくともUBWは観ておかないと、何がなんやらわかりません。
また、PG12指定でアダルティな描写があることも知っておきましょう。
具体的には、発情したヒロインがひとりHしたり、主人公の士郎と性行為したりする場面があります。
恋人や家族と観る場合、食卓の空気が冷え冷えになること間違いナシ!
誤解の無いように言っておくと、これは物語において必要なシーンですからね。
しっかり映像化してくれた制作陣の方々には感謝しかありません。やましい意味とかではなく。
統括
今回はFateについて大まかに紹介してみました。
アニメから入った方がいいと言ったのは、原作のPCゲームはプレイし難いからです。
アダルトゲームであるからという理由ではなく、単純に入手しにくい。
ダウンロード版の販売は現状なく、中古のDVD-ROMで1万オーバーという値段です。
起動できるかも怪しいものに、そんな金額はとても払えない・・・。
どうしても『Fate/stay night』を遊びたい方は、スマホアプリでインストール可能です。
PS2などに移植された全年齢版の「レアルタ・ヌア」になりますが、
原作には実装されていないCV(キャラクターボイス)も付いているので、
単純にゲームを遊びたいだけならこれ一択でしょう。
私はPS Vitaを持っているので、アニメを視聴終えた現在、ゲーム版を進めています。
確かに面白いのですが、完全クリアまでに60時間以上は掛かるらしいので、隙間時間でちょこちょこ遊んでいます。
完走したら、ゲーム版の感想をブログに書こうと思います。
・・・私は、いつ、ゼルダの続編を終わらせることが出来るのでしょうか?
紹介した作品
Fate/stay night[Realta Nua] フェイト ステイナイト(アプリ版 公式サイト)