【紹介】今さら人に聞けない、「Fate」シリーズの解説【入門編】

2023年5月28日

©TYPE-MOON

【コラム】Fateって何から見ればいいの?


 

Fate

今回は、Fate(フェイト)シリーズについて紹介します。

 

2004年に発売されたPCゲームから始まった本シリーズは、

アニメ化、劇場版、スマホアプリ、スピンオフ・・・各種メディア化派生作品が数多く生まれ、

今現在でも高い人気を誇っています。

 

一方で、「シリーズが多すぎて何から見れば良いのやら・・・」

そんな悩みを持っている方も多いかと思われます。私もそうでした。

 

実際その通りで、ざっとシリーズ作品を挙げるだけでも、

 

  • 『Fate/hollow ataraxia』
  • 『Fate/zero』
  • 『Fate/stay night [Realta Nua]』
  • 『Fate/unlimited codes』
  • 『Fate/EXTRA』
  • 『Fate/Apocrypha』
  • 『Fate/Prototype』
  • 『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』
  • 『Fate/strange fake』
  • 『Fate/Grand Order』

 

いや、多すぎますね。これでは観る気が失せるのも分かります。

 

ただ、それを理由に手を出さないのは惜しい・・・とも思います。

Fateめっちゃ面白いんだから!

 

そんな訳で今回は、Fateを知らない方に向けて見るきっかけとなるような、

シリーズの前提知識と簡単な解説をまとめてみました。

 

こんな方におすすめ

  • 興味はあるけど、どれから見ればいいのか分からない。
  • そもそも、どういう話なのか知らない。
  • シリーズで何が違うのか複雑で理解しにくい。

 

本記事の流れは、以下のとおりです。

 

記事の構成:
  1. Fateの始まり。
  2. シリーズの魅力。
  3. 土台となる知識。
  4. アニメの流れ。

 

では、さっそくはじめていきましょう!

 

 

1.Fateの始まり。

Fateシリーズの原点は何か、というところから話をします。

このシリーズは、『Fate/stay nightステイナイト』というPCゲームから始まります。

 

同人サークルとして活動していた「TYPE-MOON」によって制作された“伝奇活劇ビジュアルノベル”で、

レーティングは18禁、つまりエロゲとして発売されました。

知らない人にとっては、「Fateってエロゲだったの!?」と驚かれるかもしれません。

 

ただ、「18禁のアダルトゲーム」に属してはいるが性的描写は控えめであり、

ストーリー、設定面に比重を置いた伝奇活劇物」の色が濃い作品(らしい)です。

※18禁版をプレイしたことがないので、完全にWikiの受け売りです。

引用元:http://www.typemoon.com/products/fate/index.html

 

アダルトゲームとして発売したのは、当時のPCゲーム業界では商業用で発売する場合、

「そうでなければ流通に乗せづらかった」という事情があったそうな。

 

独自の世界観、魅力的なキャラクターの数々、厨二病テイスト全開の表現。

 

アダルトゲームとしては異例の売り上げを記録し、普段PCゲームをプレイしない層にも、

「名前くらいは聞いたことある」という人がいる程の知名度を獲得しました。

引用元:http://www.typemoon.com/products/fatevita/cg/

 

ステイナイト

『Fate/stay night』には3つのストーリーがあり、

  • 「Fate」
  • 「UBW (Unlimitedアンリミテッド Bladeブレイド Worksワークス)」
  • 「HF (Heaven's Feelヘヴンズ フィール)」

 

ーというタイトルがついています。

タイトルが長くてややこしいですが、全て一つのゲームの中で展開される物語です。

 

大まかにシリーズを識別するなら、本編はステイナイト、それ以外は派生作品と考えてもらえたら良いかと。

本編の前日譚として「Fate/Zero」という作品がありますが、それは後で説明します。

 

『Fate/stay night』だけでも数々のメディアミックス展開がされているので、

この時点で既についていけない・・・と、感じる方もいるかもしれません。

 

そ・こ・で! HFのコミカライズを担当されているタスクオーナ先生の書かれた、

こちらの図が非常に分かりやすいです。

引用:Fate/stay night [Heaven's Feel](2) (角川コミックス・エース) タスクオーナ (著), TYPE-MOON

 

現在は全ての話が漫画化、アニメ化されています。

アニメ版も複数ありますので、これも後で簡単に説明します。

 

 

2.シリーズの魅力。

この「Fate」シリーズの魅力は、何といっても登場するキャラクターです。

 

7人のマスター、7騎のサーヴァントが自身の願いの為に戦う。

ーというのが、ざっくりとしたあらすじですが、本当に全キャラかっこいいです。

引用元:http://www.typemoon.com/products/fate/index.html

 

女性キャラクターも、男性キャラクターも、それぞれ違った魅力を持っています。

原作はアダルトゲームですが、男性キャラの人気が高いのも“異色”の作品といえます。

 

英霊

特に、マスターである魔術師が呼び出す英霊(サーヴァント)は、

全員が主役級の能力とビジュアルを持ち、高い人気を誇っています。

 

“英霊”という名の通り、彼らの正体は神話に登場する英雄。

伝記に記されているような騎士王、戦士、魔導師、怪物など。

 

誰もが知っているような伝説上の人物が、サーヴァントとして主人公の前に現れます。

早い話、このFateには雑魚キャラというべき存在がいません。

 

ステイナイトでは、最初に「ランサー」というキャラと戦うことになるのですが、

彼の必殺技は、“因果律の逆転”を可能にする魔槍:ゲイボルク。

引用元:http://www.typemoon.com/products/fate/index.html

 

相手の心臓を穿つという“結果”を創り出す、文字通り必殺の一撃。

誰がどう考えても、初戦の相手が使っていい範疇の技じゃありません。

他作品なら余裕でラスボス級の能力です。

 

主人公側も敵もこういったチート能力を持ち、それらを駆使して戦うので、

一つ一つの戦闘がマジで“死闘”です。

 

原作が成人向けゲームということもあり、表現の規制も緩いので、

主人公であろうとヒロインであろうと、戦闘では容赦無く致命傷を負います。

 

これらの要素が、物語の緊張感を高めるのに一役買っています。

 

 

3.土台となる知識。

先ほど少し触れましたが、シリーズを理解するために必要となる前提知識について、

ここで軽く紹介します。

 

マスター

まず、このFateの世界観では、「魔術師」と呼ばれる人たちがいます。

引用元:http://www.typemoon.com/products/fatevita/cg/

 

数十年に一度現れる、あらゆる願いを叶えるとされる「聖杯」。

7人の魔術師たちが7騎の使い魔:サーヴァントと契約し、彼らの「マスター」となり、

この「聖杯」を巡る抗争に挑むー・・・というのが、Fateの物語になります。

 

細かい設定は多々ありますが、基本的には『金色のガッシュ!!』のように、

“ペアを組んで生き残りを賭けて戦う”という、

漫画やアニメ業界においては非常にポピュラーな展開です。

 

 

聖杯戦争

聖杯を手に入れる為、最後の一人になるまで互いを殺し合う戦い。

シンプルながらも緻密に練り上げられた設定、世界観は多くのファンを生み出しました。

引用元:http://www.typemoon.com/products/fatevita/cg/

 

一見、少年漫画にあるようなバトル要素。

ここに、アダルトゲームという媒体であるからこそ許される、過激なグロ要素が掛け合わさり、

他の作品にはないオリジナリティを発揮しています。

 

“戦争”の名の通り、目を覆いたくなるような残酷な場面も少なくありません。

ですが、それもまたシリーズを語る上では欠かせない、作品の魅力の一つになっています。

 

 

クラス

英霊(サーヴァント)とは何ぞや、については軽く説明しましたが、ここで少し掘り下げます。

 

サーヴァントの正体は、伝説や神話に登場する英雄。

そして、ファンから好評を得ているFateの魅力の一つであり、同時に、

初見の人を混乱させる要素にもなっているのが、彼らの「真名隠し」です。

 

例えば、このFateシリーズの「顔」といってもいい中心人物:セイバー。

©TYPE-MOON

 

彼女も伝説の英雄の一人である為、誰もが聞いたことのある史実上の人物が、

彼女の正体なのですが・・・この「真名」は最初は明かされません。

 

彼女に限らず、他のサーヴァントたちも同様です。

キャラによっては初登場と同時に、真名が判明することもありますが、

基本的にサーヴァントは彼らに与えられた「クラス名」で呼ばれます。

 

  • セイバー(剣士)
  • ランサー(槍兵)
  • アーチャー(弓兵)
  • ライダー(騎兵)
  • キャスター(魔術師)
  • バーサーカー(狂戦士)
  • アサシン(暗殺者)

 

何故こんな設定があるかというと、彼らは伝説上の人物である為、

真名が分かる。= 武器と能力、さらに弱点が分かる。

・・・ということになり、敵に自分の手の内を晒すことになるからです。

 

この設定が、物語における「伏線」にもなっており、サーヴァントの「真名」を当てるというのも、

シリーズの楽しみ方の一つです。

 

 

真名=ネタバレ

ただ、これの厄介なところは、全く別の人物が同じクラス名になることがあります。

 

これを人に説明するときが大変で、それぞれのキャラを真名で話せば済む話なのですが、

思いっきりネタバレになります。

 

別シリーズでは異なる時代や世界観の「聖杯戦争」を描いている為、

『Fate/stay night』に登場する「ライダー」と、『Fate/Zero』に登場する「ライダー」は、全く違う人物だったり。

逆に、作品によっては共通の人物が「アーチャー」として登場したり。

 

これも、作品の設定を知らなければ混乱することでしょう。

 

 

4.アニメの流れ。

さて、ここからはFateのアニメについて紹介します。

Fateを知ろうと思ったら、アニメから入るのがいいと思います。

それが一番楽でしょうからね。

 

とはいえ、アニメも様々な種類がありますので、基本となる作品だけ取り上げます。

 

Fate/ stay night

引用元:http://www.typemoon.com/products/fate/index.html

 

スタジオディーン制作により2006年に放送された、最初のアニメ作品。

始まりの物語である「Fate(セイバー)ルート」を、映像化したものになります。

 

全24話で、ここから視聴することを推奨されていますが、

今からみると少々古臭さを感じることは否めません。

個人的には、後述する「UBW」から視聴しても良いと思っています。

 

 

Fate/Zero

引用元:https://animestore.docomo.ne.jp/animestore/ci?workId=22156

 

『鬼滅の刃』で有名なufotable制作により、2011年に放送されたのが『Fate/Zero』。全25話。

 

Fateの人気を確固たるものにしたと呼ばれる作品で、『Fate/Zero』のファンは多いです。

男性キャラがとにかくカッコいいので、女性ファンもかなり増えたとか。

 

シリーズの主軸となる『Fate/stay night』の10年前。

本編では描かれなかった、“前回の聖杯戦争”が描かれます。

これのまたややこしいところが、元々はスピンオフ小説というところです。

 

『Fate/stay night』の物語を書いたのは「奈須きのこ」さんという方なのですが、

この『Fate/Zero』は「虚淵玄うろぶちげん」さんという方が執筆しました。

つまり、ステイナイトとは作者から違います。

 

虚淵さんといえば、「まどマギ」の脚本家として有名なシナリオライターです。

【アニメ】魔法少女まどか☆マギカは、詐欺アニメなんかじゃない!

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そういう事情もあってか、『Fate/Zero』は『Fate/stay night』とは細かな違いが存在しており、

序盤から『Fate/stay night』のネタバレがありますので、

『Fate/stay night』のシリーズを一通り見てから観ることをオススメします。

 

私はUBWとHFを未視聴の状態で、この『Fate/Zero』を観たのですが、

「この人誰だっけ?」と思う部分も少なからずありました。

 

また、『Fate/stay night』も決して明るい話とは言い難いですが、

『Fate/Zero』は“鬱要素”がかなり多めな点も注意です。

 

「まどマギ」のような、ゆるふわ萌え系アニメの脚本を書いた人とは思えないくらい、全体的にダークな物語です。

アニメ化に至っては一部、表現規制で画面が真っ暗になる場面すらある程です。

 

個人的にはダークな作品は好きな方ですが、聖杯戦争とは無関係な子どもまで犠牲になるのは、

視聴していて辛かったです・・・。

(まどマギも似たようなもんだろって? それはまぁ、そうですね。)

 

 

UBW

引用元:http://www.typemoon.com/products/fate/index.html

 

『Fate/Zero』と同じく、ufotable制作で2014年に放送開始されたのが、

Fate/stay night [Unlimited Blade Works]。通称:UBW。全25話。

 

2010年に劇場版として公開されていますが、展開がかなり巻かれているので、

テレビシリーズ版を観る方が良いでしょう。

 

『Fate/stay night』シリーズで活躍する「遠坂凛とおさかりん」がメインヒロインとなる物語で、

Fateのアニメ作品の中では個人的にイチオシです。超〜面白い。

ヒロインの遠坂さん、その他のヒロインも可愛く描かれています。

 

『Fate/stay night』の主人公:衛宮士郎えみやしろう秘密が明かされるのも、大きな魅力です。

引用元:http://www.typemoon.com/products/fatevita/cg/

 

Fateシリーズの中でも、一番、主人公が主人公している話だと思っています。

このUBWを知っていれば、他のシリーズ作品もより楽しめること間違いナシ!

 

 

HF

引用元:http://www.typemoon.com/products/fate/index.html

 

間桐桜まとうさくらがヒロインを務める[HF]ルートを、ufotableが劇場版3部作として映像化した作品が、

『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』です。ステイナイトの最終ルートの物語になります。

 

『Fate/stay night』の中でも異質なストーリーで、序盤から「ランサー」のような人気キャラが退場し、

他シリーズではラスボス役を務めたキャラですらあっさりと死ぬ等、衝撃的な展開が続きます。

 

そして、映像表現の美しさは『Fate』シリーズのアニメの中でも随一です。

このルートのみ登場する「黒セイバー」の戦闘シーンは、何度も巻き戻して観ました。

 

注意すべきは、Fateの序盤の展開はかなり省略されているところ。

少なくともUBWは観ておかないと、何がなんやらわかりません。

 

また、PG12指定でアダルティな描写があることも知っておきましょう。

具体的には、発情したヒロインがひとりHしたり、主人公の士郎と性行為したりする場面があります。

恋人や家族と観る場合、食卓の空気が冷え冷えになること間違いナシ!

 

誤解の無いように言っておくと、これは物語において必要なシーンですからね。

しっかり映像化してくれた制作陣の方々には感謝しかありません。やましい意味とかではなく。

 

 

統括

今回はFateについて大まかに紹介してみました。

アニメから入った方がいいと言ったのは、原作のPCゲームはプレイし難いからです。

 

アダルトゲームであるからという理由ではなく、単純に入手しにくい。

ダウンロード版の販売は現状なく、中古のDVD-ROMで1万オーバーという値段です。

起動できるかも怪しいものに、そんな金額はとても払えない・・・。

 

どうしても『Fate/stay night』を遊びたい方は、スマホアプリでインストール可能です。

参照リンク

 

PS2などに移植された全年齢版の「レアルタ・ヌア」になりますが、

原作には実装されていないCV(キャラクターボイス)も付いているので、

単純にゲームを遊びたいだけならこれ一択でしょう。

 

私はPS Vitaを持っているので、アニメを視聴終えた現在、ゲーム版を進めています。

確かに面白いのですが、完全クリアまでに60時間以上は掛かるらしいので、隙間時間でちょこちょこ遊んでいます。

完走したら、ゲーム版の感想をブログに書こうと思います。

 

・・・私は、いつ、ゼルダの続編を終わらせることが出来るのでしょうか?

 

 

紹介した作品

Fate/stay night[Realta Nua] フェイト ステイナイト(アプリ版 公式サイト)

 

 

  • この記事を書いた人

イナ

本業は設計者。29歳。書評とコラムを発信する、当サイトの管理人。気ままに記事を更新します。日課は読書と筋トレ。深夜ラジオとADVゲーム好き。

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