【要約】社会人への道標『「仕事ができるやつ」になる最短の道』(後編)

2020年6月28日

©日本実業出版社/安達裕哉

【書評】ベテランの経験者も必読の一冊。


 

後編スタート。ここから紹介するのは、主に長期的に取り組む内容です(更新遅くなりすみません)。

 

成果を挙げる習慣(1年かけて取り組むこと)

努力を成果につなげるにはどうすれば良いでしょう?

 

成果というのは単なる結果であり、日々努力する過程そのものが大事なことというのも分かります。私の考えは、むしろそれに近いです。

そうはいっても、ビジネスで求められるのは結果です。実績・成果がなければ、会社で出世することや、人から注目されることはありません。

そういった成果を挙げるためには、当たり前ですが努力が必要です。

 

圧倒的な努力をし続けている人は皆、成功しています。

更に、努力を成果に結びつけるためには、知っておかなければいけないことが数多くあります

ここで語られるのは、そういった話です。

 

頭の良い凡人

世の中には「優等生」がありふれています

学生時代は優秀な学歴を修め、勤務態度は至って真面目、仕事をしても大きなミスをすることはない。

ただ、世の中から注目されるほどの成果を挙げられていない。そんな人達です。

 

私もこういうタイプです。自分で「優等生」とかいうのはどうかと思いますが、それなりに偏差値の高い学校を卒業しています。

ただ、学校の勉強ができることと、ビジネスで成功することは全く別です。

全く別というと言いすぎかもしれませんが、頭の良さというのは成功要因の一要素にしか過ぎません。

 

本書は具体的に、成功できない原因を以下の5つにまとめています。ここで挙げることと逆のことをしていけば、成功に近づきます。

成功できない要因:
  • 失敗をしない
  • 頼り方が下手
  • 周囲から恐れられる
  • 人に期待しない
  • 頭の良さに依存する

本の中では違う表現をしていますが、私にとって分かりやすい書き方にしています。

驚いたのは、ほとんど自分がやっていることだったということです。特に「人に期待しない」はドンピシャでした。

 

他のビジネス本とかでは、むしろ「人に期待するな」と書かれているものもあるので、人によって解釈が分かれることだと思います。

 

人に期待することが仕事では大事

例えば、超有名なベストセラー『嫌われる勇気』の「課題の分離」という考え方では、

他人を変えることはできない」ということが述べられています。これは私も真理だと思っています。

 

私たちは、「馬を水辺に連れてくることはできるが、馬に水を飲ませることはできない」のです。

その考え方を知ってからは、他人に何か言われても、あまり気にならなくなっていました。これは自分にとっていい変化でした。

 

しかし、「課題の分離」を拡大講釈し過ぎて、他人に対しての「期待」という感情を持てなくなっていったのも事実です。

これが悪い方向に行くと、「この人はこの仕事を自分よりも上手くできる」ということに気づかなくなってしまいます。

 

成功する、あるいは人間的に成長したいのであれば、

自分のほうが立場が上だったとしても、相手に敬意を持って、相手の良いところを探す努力をしなければいけません

 

これは簡単なことではなく、私もまだまだできていません。

相手に期待した上で裏切られたら、自分が辛いからです。であれば、最初から期待しないほうがいい。

その方が気持ちとしては楽です。

 

ただ、仕事でもプライベートでも、何か挑戦をしようと思うと、一人では難しいことが多いです。

大きなことを成し遂げるには、自分一人が何でもかんでもやろうとするのではなく、人を動かすことが大事です。

人を動かすのは人当たりの良さではなく、その人に対する期待感です。そのことは忘れないようにしましょう。

 

失敗を恐れない

失敗しないことがダメというのは、今さら解説することでもないですね。

多くのビジネス本を読んできましたが、「失敗を恐れるな」という類の文章が出てこなかったことは、ほとんどありません。

リスクを恐れずに、色んなことに積極的にチャレンジしていきましょう。チャレンジを続けた人だけが、成果を出すことができます。

 

とはいえ、我々のような凡人が急に明日から「借金1000万円を背負って会社を起ち上げる」というような挑戦は、やっぱりできないですよね。

 

人生を破滅しかねないような一か八かのギャンブルをするのではなく、

今までやってこなかったことを明日からやってみるというレベルでいいんです。

 

私も今年からブログを始めましたが、それだけで生活の過ごし方が大分変わりました。

ここだけで長くなってしまったので、大分割愛しますが、更に2つほどこの章から重要なものをピックアップします。

 

サラリーマンが出世する方法

自分が出世する為の決定要因とは何でしょうか。答えは「上司が出世すること」です。

 

一般社員がグループリーダーや課長を飛び越えて、いきなり部長になれるわけがありません。

優秀な部下とは、上司に成果を挙げさせて、昇進させることができる人です。だから出世できるんですね。

 

漫画の『島耕作』シリーズでも主人公の上司は皆出世して、その結果、主人公も昇進しています。

3日で身につけられることは、皆3日で身につけられる

優れたスキルを身につけるには、単純に時間がかかりますよ、という話です。

 

勉強でもそうですが、英単語を少し覚えた位では、TOEICのスコアは上がらないですよね。

単純に知識として知ったとしても、試験問題が直ぐに解けるにようにはなりません。

 

何回も問題練習をやって、スピードや正確性を身につけることで、やっと「スキル」として身につけられます

人よりできるようになりたかったら、人より多くやるしかありません。

1日1時間勉強したことは、10年後には4000時間近くになります。

それはもう、他人には追いつかれない領域です。

 

 

リーダーシップを発揮する(3年は取り組むべき大きなテーマ)

人と協力するために必要なことが、「マネジメント」と「リーダーシップ」です。

有能な人材の育成と、組織として仕事をすること。それは言うまでもなく重要なスキルです。

 

部下のいない私にとっては気が早い内容ではあるものの、

今後の為に知っておいて損はないので、「自分はこうならないようにしよう」と思ったものをまとめていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

部下に何回も同じミスをさせる上司は無能

これを読んだ時に私は「何で?」となりました。注意されても同じミスをする人が悪いじゃないかと、そう思ったからです。

これは、正確には「部下が3回以上同じミスをした場合は、上司の責任」ということになります。

 

どういうことかというと、初回のミスは責任不問です。ミスを恐れていては、大きく動くことができないから。

この発想の時点で面白いですよね。

 

そして、同じ事案での2回目のミスは、本人の責任になります。初回のミスから何も学ばなかったということですので、当たり前の話です。

3回目繰り返されたミスは、再発防止策のシステムをつくらなかった、上司の責任になります。

 

ミスをした本人に責任を負わせるのではなく、仕組みで解決するようにする。そこまでやれば、会社にとってノウハウという財産にもなります。

 

会社の魅力を語れる

これは「良い上司」と「ダメ上司」を見分ける6つの基準という章から、特に重要なものを選びました。

それ以外は「謝れない」、「常に機嫌が悪い」、「過去の経験に頼る」等、当たり前のことばかりだったので、改めて説明する必要はないかと。

 

会社の課題を知ることは勿論大事ですが、自社の魅力を語れるようになりたいですよね。

そういう人に部下はついていきます。自分が前向きに取り組んでいないと、人を巻き込むことはできません。

 

成果を出しているのは、運

これはちょっと極論かもしれません。

もし、今の仕事で成果を出している社員は、「私は運が良いだけ」と謙虚な姿勢を保つことが推奨されています。

何故なら、成果を出しているというのは、言い換えれば「今の会社の事業、商品」が、その人の能力とマッチしているだけです。

 

それは、永遠にその状態を約束してくれるわけではありません。社会は流動的で、重要視される価値観も時代によって変わります。

変化が起きたとき、優秀だった人の能力が、そのときにも重要視されるとは言えません。

 

成果を出している社員は、成果を出していない社員が「どうすれば力を発揮できるか」を考えなければいけません

そうやって課題を分析し、言語化していけば、環境が変化したときにも対応できて、成果を出し続けることができます。

要は、成功したときに「再現性を持たせる」ということですね。

 

 

仕事で良い人生をつくる(一生かけてやる価値のあること)

大前提として、人生の多くは「仕事をする時間」が占めています。これを避けて通るのは難しいことです。

なので、仕事を通じて、良い人生を得るための話を最後に紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

何故、働かないといけないのか

これは、ある会社のインターンに参加した学生が、お礼とともに経営者に送った質問です。中々勇気のある質問をしますね。

私が学生の立場だったら、こんな質問は絶対にできません。

 

そもそも「労働は社会人の義務」ですから、人が働くのは当たり前のことだと思っています。

でも、そんな回答ではこの学生は納得しませんし、私自身も心からそう思っているわけではありません。

例えば、過労による自殺とかのニュースを見ると、「何でそこまでして働くのだ」という気持ちになります。

 

これに対する経営者の回答が素晴らしかったです。

この経営者の方も、質問をした学生と同じようなことを思い、「現状の仕事も苦しいものばかりで、楽なことは一つもない」と答えます。

その上で、働くことは多くのことをもたらすのだと言います。

それは、以下の6つです。

  • お金をもたらす
  • 目標をもたらす
  • 出会いをもたらす
  • 学びをもたらす
  • 信用をもたらす
  • 自信をもたらす

どうでしょうか。確かに、私たちは「働く」ことによってこれだけのものを得ています。

少なくとも「自分の稼ぎで飯を食っている」という自信は、誰にでもあるはずです。悶々としていた感情が少しは晴れるような気がしませんか?

 

「働く」というのは、何かを成し遂げること。それは、自分の人生を一生懸命生きていくということです。

それだけでも十分な理由だと私は思います。

 

何故、努力するのか

「努力したもの全てが報われるとは限らない。だが、成功するものは皆すべからく努力している」

という金言があります。

漫画『はじめの一歩』の名セリフです。私は読んだことないですが、この台詞だけは知っています。

 

ただ、この台詞は成功に興味のない、無難な人生を送りたいという人にとっては、何にも響かない言葉ですよね。

そういった人生も一つの生き方ですから、否定はできません。

 

では、何で努力が大事なのでしょうか。答えは「人は努力しないことに耐えられない」からです。

人生には常に不安がつきまといます。何もしない状態では、その不安と真正面から戦わないといけません。

 

そこに対する解決策は一つです。余計な考えを止めること。

何かに没頭し、行動することが精神の安定にとって一番です。

努力すれば報われる、というよりは「人生を不安なく過ごす」ために人は努力するのです。

 

紹介した本

仕事ができるやつになる最短の道』 著:安達裕哉

オススメ度:★★★★★

※社会人1年目のときに読みたかったです。仕事をする上でのバイブルですね。

 

  • この記事を書いた人

イナ

本業は設計者。29歳。書評とコラムを発信する、当サイトの管理人。気ままに記事を更新します。日課は読書と筋トレ。深夜ラジオとADVゲーム好き。

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