宇宙開拓者『堀江貴文と宇宙に挑む民間ベンチャー企業の勇敢な社長たち』

2020年10月4日

©repicbook/すわべしんいち

【コラム】宇宙産業が今アツいんです。(再)


日本の宇宙ベンチャー企業の紹介

まず、本にデカデカと堀江貴文さんの顔が載っていますが、これは堀江さんが書かれた本ではありません。タイトルにあるように、紹介されるベンチャー企業(インターステラテクノロジズ)の創立者なので、起用されたのでしょう。

世間的に良くも悪くも認知度が高い方なので、表紙にホリエモン載せてたら手に取る人も増えるだろう、という戦略なのでしょうか。私は、個人的には本の装飾はシンプルな方が好みです。

と、いきなり突っ込ませて頂きましたが、何故私がこの本を手に取ったかというと、宇宙ベンチャー企業に興味があるからです。『宇宙兄弟』にハマってから、こういう宇宙に関する書籍を多く読むようになりました。子供の頃から科学サイエンス系の図鑑を読んでたりしていたので、元々宇宙好きではあったんです。

 

そして今、宇宙業界がアツいですよね。今さら私が言うことでもないですが、イーロン・マスク氏の「スペースX」が、民間企業として初めて国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行を実現させ、地球への帰還を成功させました。ちょっと前ですが、日本でも人工衛星「はやぶさ」の帰還が大きな話題になりましたね。

『宇宙兄弟』の始まりは2025年で、その頃には月面へ基地を建設するミッションを作中で行っているのですが、そんな未来が本当に来るんじゃないかと思います。世界的にも宇宙へ挑戦する企業が増えている中で、日本でも宇宙業界のスタートアップが続々生まれています。この本はそんなスタートアップ企業の生まれた目的・動向をまとめた本です。

 

 

あらすじ

日本に民間の宇宙ベンチャー企業が続々と誕生したのが遠い昔に思えるほど、いまや各社は本格的に事業を加速させています。そんな日本を代表する宇宙ベンチャー企業の社長たちが本書に集結。

巻頭では堀江貴文氏が、民間企業として人類史上初となる有人宇宙飛行に成功したスペースXについて熱く語など、以下の日本を代表するベンチャー企業6社の社長たちが、それぞれのビジネスや自身について赤裸々に語ってくれています。

出典:Amazon公式HPより一部抜粋。

本書で紹介されるベンチャー企業は、下記の通りです。

第1章 インターステラテクノロジズ株式会社/ファウンダー 堀江 貴文

第2章 インターステラテクノロジズ株式会社/代表取締役社長 稲川 貴大

第3章 株式会社クラブツーリズム・スペースツアーズ/代表取締役社長 浅川 恵司

第4章 株式会社ispace/Founder & CEO 袴田 武史

第5章 株式会社ALE/代表取締役/ CEO・博士(理学) 岡島 礼奈

第6章 株式会社SPACE WALKER/代表取締役CEO 眞鍋 顕秀

第7章 株式会社スペースシフト/代表取締役 CEO 金本 成生

 

私が知っている企業はほとんど無かったですね。ただ、どの企業も「どデカいこと」に挑戦しているのだということが良く分かりました。

宇宙旅行を実現させようとしていたり、流れ星を人工的に発生させようとしていたり。そんなこと本当にできるのか?と思ってしまうプロジェクトに、本気で取り組んでいる人たちがいます。

求められる技術、安全基準は想像を絶しますが、こういった挑戦者が次の時代をつくっていくのだなと、改めて感じました。

 

 

印象に残った内容

今回は具体的な本の内容は取り上げませんが、個人的に印象に残った部分だけを取り上げようと思います。

 

宇宙を夢物語として捉えることに異を唱える

宇宙に行くことに対して「夢」という言葉をいつまでも使っていたら、誰も行動しなくなります。この本の中で紹介される経営者は、皆、宇宙に行くことは当たり前のことになると確信しています。決して絵空事ではないのだと、強く認識させられる言葉です。

 

実際に宇宙へ飛ばすロケット・宇宙船をつくとうと思ったら、想像しただけでも難しい技術が要求されます。こういう未知の領域に対して、やるべきことを淡々とやり続ける。失敗して、周囲から落胆されたとしても、次の挑戦の糧にする

言葉で書くと簡単ですが、実際に現場にいる技術者、開発に携わる人の苦悩は計り知れません。そういった現実を分かりきった上で、それでも「夢」じゃない、「現実」にするのだという強い意志が伝わります。

日常の些細なことで「あれどうしようかなー」などと悩み続ける私達にとって、学ぶべきところがあるのではないでしょうか。

 

特別なのは宇宙ではなく青い地球だった

これは宇宙飛行士の山崎直子さんが宇宙に行った後、語った言葉です。ベンチャー企業の経営者が言っている言葉ではないのですが、私は知らなかったことと、とても良い言葉だと思ったので、取り上げました。

宇宙に行って初めて、自分たちが今立っている地球という星の素晴らしさを知ることができた。そんな深い言葉です。『宇宙兄弟』の中にも似たような台詞があります。

生物も何もないこの広大な宇宙ではな

心の癒やしとなるのは実はー“美しい景色”じゃない

(中略)

人の心を感じられるものに人は癒やされる

出典:『宇宙兄弟 26巻』より

また、人が旅に行く理由として「自分がいる場所の素晴らしさを再確認できる」というものがあります。スケールは大きく違いますが、同じことですね。

 

宇宙業界に興味がある方は手にとってみてください。内容は割とあっさりしているので、すぐに読み終わりますよ。

 

紹介した本

堀江貴文と宇宙に挑む 民間ベンチャー企業の勇敢な社長たち』 著:すわべしんいち

オススメ度:★★★☆☆

※宇宙産業に興味がある人向けの本です。一般向けではないですね。

 

  • この記事を書いた人

イナ

本業は設計者。29歳。書評とコラムを発信する、当サイトの管理人。気ままに記事を更新します。日課は読書と筋トレ。深夜ラジオとADVゲーム好き。

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