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【感想】壮大な物語の幕明けは、原点にして頂点。
ステイナイトを語ります!
今もなお大人気のシリーズ、“Fate”。
その“伝説”の作品の原点である、『Fate/stay night』をプレイし終わったので、
ゲームレビューを書いていこうと思います。
シリーズの大まかな設定などは、こちらの記事にまとめているので、ご参考までに。
Fateって何だよ?という方へ
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【紹介】今さら人に聞けない、「Fate」シリーズの解説【入門編】
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超簡単に作品を紹介すると、元々は18禁の同人ゲームとして発売された作品が、
信じられないくらいに馬鹿売れして、全年齢版の発売、アニメ化&コミックス化などのメディア展開。
スピンオフなど派生作品の発売、映画化、アプリ版のリリース・・・。
ーと、発売から20年が経過した現在でも、熱狂的なファンを生み出し続けている、
伝説のシリーズです。
基本的な説明:
作品を理解するにあたって、基本的な作品情報をchat-gptくんに説明してもらいます。
よろしくお願いします。
chat-gptによる説明
「Fate/stay night(フェイト/ステイナイト)」は、Type-Moonが制作した日本のビジュアルノベルであり、
その後、アニメ、漫画、ゲームなどのメディアミックス作品として展開されました。
ストーリー
「Fate/stay night」の物語は、主人公である士郎と彼の使い魔であるサーヴァント(英霊)が、
聖杯戦争と呼ばれる戦いに巻き込まれることから始まります。
聖杯戦争では、7人の魔術師(マスター)が自らのサーヴァントと共に聖杯を巡り、
最後の一人になるまで戦います。
その中で、士郎は他の魔術師とサーヴァントたちとの戦いに巻き込まれ、様々な運命と対峙します。
キャラクター
士郎エミヤ: 主人公であり、正義感が強く勇敢な青年。
セイバー:士郎のサーヴァントであり、伝説の王として知られる。
遠坂凛:士郎の幼なじみで、冷静で合理的な性格の魔術師。
間桐桜:士郎のもう一人の幼なじみで、内向的で穏やかな性格の少女。
作品の分類
「Fate/stay night」は3つのルートに分かれています。
- Fate
- Unlimited Blade Works(UBW)
- Heaven's Feel(HF)
それぞれに独自の物語があり、キャラクターの運命や結末が異なります。
また、派生作品や外伝、スピンオフなど、様々なメディアで「Fate」シリーズは展開されています。
人気と影響
「Fate/stay night」は日本をはじめとする世界中で大きな人気を博し、
特にキャラクターデザインやバトルシーンの美しさ、複雑なストーリーラインが評価されています。
ゲーム、アニメ、漫画、小説、フィギュア、グッズなど、多岐にわたるメディア展開が行われており、
熱烈なファンベース(?)を持っています。
「Fate/stay night」は、魅力的なキャラクターと奥深いストーリーで知られる人気のある作品です。
多くのファンがその世界観に魅了され、さまざまなメディアで展開される作品を楽しんでいます。
ー説明終わりー
・・・ところどころ日本語が怪しいところがありましたが、概ね上記の通りです。
何で主人公の衛宮士郎が士郎エミヤになっているかは分かりませんが、chat-gptくんありがとう。
あと、凛ちゃんと桜は、士郎の幼なじみではないけどな。
ゲーム自体はスマホアプリ版でも発売されておりますが、私はPS Vitaを持っていたので、
そちらでプレイしました。全年齢版の「レアルタ・ヌア」になります。
結論:
結論からいうと、この作品はまごうことなき伝説でした。
シナリオが面白いのは勿論、それ以上に作品への作り込みが凄いと感じました。
よくもまぁ、こんなに膨大で、深い世界観をつくれたなと。20年以上も続くシリーズになるのも納得。
最初は、流石に絵が古いなぁ・・・と感じておりましたが、
やっているうちに全然気にならなくなりました。
前回の記事では、Fateはアニメから入るのがいいと書きました。
初心者がやるノベルゲームとしては、話が長大ですし、原作はR18作品ですからね。
シリーズが多すぎてアニメでも見ておらず、ソシャゲのFGOしかやってない、という方も多いと思います。
しかし、実際にやってみると、やはりFateの原点はノベルゲームだなと。
印象的な台詞回し、キャラの心理描写、魅力。“文学”とまで評価される特徴的な文体。
続きを読むのが止められなくなる没入感は、ノベルゲームでしか味わえないものでした。
個人的な感想としては、アニメよりゲームの方が面白かったです。
人に勧められるかというと、迷うところはありますが、
どうしてもプレイする時間がないという事情がなければ、ゲームから入ることを強く勧めます。
やってみて後悔はない、と断言します。
今回の記事の流れは、下記の通りです。
記事の構成
- 作品の特徴
- 賛否両論点
- キャラクター紹介
- 各ルートの感想
- 統括
・・・では、レビューをはじめます。
あらかじめ言っておくと、本記事は1万文字を超えます。
1.作品の特徴
ゲームのパッケージ説明文に、「60時間にも及ぶシナリオ」とあったので驚きましたが、これは嘘です。
どうやっても、60時間で終わる量ではないです。
PS Vita版は、ゲームをプレイした時間を計測する機能がついているのですが、
全てのエンドを回収し終えたときのプレイ時間は、81時間でした。
これ、アクションゲームじゃないですからね?
一本のノベルゲームですからね?
テキスト量でいえば、過去に「シナリオが長すぎる」と紹介した『WHITE ALBUM2』と同等。
あるいは、それ以上だと思います。
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プロローグを読み終えるだけで、2時間以上掛かりました。
主人公役の声優を務めた杉山紀彰さんが、ゲームのボイスを収録する際、
担当する台詞量がありすぎて、台本を持ち帰ることができなかったというのは、有名なエピソードです。
・・・でも、全然飽きなかったです。ものすごいボリュームのシナリオでしたが、
最初から最後まで、楽しくプレイすることができました。
その要因を、私なりに分析してみます。
ストーリーラインが全く異なる
Fateには3つのストーリーがあり、士郎とセイバーが出会い、
15日間に渡って行われる聖杯戦争を戦うー・・・という、基本的な流れは同じです。
ですが、同じ時間、同じ聖杯戦争でも、ルートによって起きることが全く違います。
そして、活躍するマスター、サーヴァントもシナリオによって大きく異なります。
例を挙げると、サーヴァント:キャスターという敵は最初の「Fateルート」ではほとんど出番がないです。
ですが、次にプレイすることになる「UBWルート」では強大な敵となり、
彼女との戦いがシナリオの大きな山場となります。
また、ライダーというサーヴァントは「Fateルート」、「UBWルート」において、
一番最初に退場してしまうキャラです。
しかし、最後の「HFルート」ではサーヴァントの中で唯一生き残り、主人公と最終決戦を共に戦うという、
最高の見せ場が用意されています。
こういったシナリオの分岐は、ADVゲームという媒体の良さが最大限に発揮されていると思いました。
『WHITE ALBUM2』以上のテキスト量のゲームを、最後まで飽きずにできたのは、素直に凄いことだなと。
・・・まぁ、『WHITE ALBUM2』はシナリオが長いこと以上に、主人公があまりにカスすぎて、
当時プレイしていたPS Vitaを本気でぶん投げたくなるくらいでしたからね。
「もこう先生」が実況中にキレすぎて中断したのも、仕方ないと思います。
YouTubeリンク:主人公がクズ過ぎてもはや笑えてくる伝説のゲーム「WHITEALBUM2」実況プレイ
CGの量と差分
『Fate/stay night』は、CGの量とイラストの差分がとても多いゲームです。
プレイヤーにとっては、シンプルに嬉しいものです。
ずっと同じ絵が続いていると、どうしたって飽きちゃいますからね。
そして、数々の戦闘シーン。これが凄い。
決してアニメではないのですが、そう錯覚させるほどに臨場感があり、物語に緊迫感を生み出しています。
評価の声として、ADVゲームに新しい演出を示したとまで言われております。
複数の攻撃エフェクトCGを連続して切り替える、
立ち絵を躍動感ある動きで移動させる等して、
アニメーションとビジュアルノベルの間に位置する臨場感の妙を生み出している。
(ゲームカタログWikiより一部引用)
Fateはアニメのクオリティも物凄い作品ですが、それとはまた違った魅力が原作ゲームにありました。
これは是非、体験して味わって欲しいです。
多数の選択肢とバッドエンド
『Fate/stay night』は、シナリオを進めると多数の選択肢が出てきます。
この選択肢を間違えてしまうと、主人公の士郎が死にます。あるいは、死ぬ以上の酷い目に遭います。
当然、そこで物語は終わり、Dead EndかBad Endに直行してしまいます。
その総数はなんと40。
正規のNormal EndとTrue Endを合わせた『Fate/stay night』のエンディングは、45にも及びます。
選択肢は単純なものもあれば、初見殺しに近い性質のものもあり、
『Fate/stay night』はノベルゲームの中では難易度が高いと思います。
攻略情報を見なくとも、クリアは可能な範疇でしたが、
最初の「Fateルート」では1回、その次の「UBWルート」では2回、
最後の「HFルート」においては、4回以上も士郎を死なせてしまいました。
Dead EndかBad Endを迎えてしまうと、「タイガー道場」という、
デフォルメ化されたキャラクターたちによるミニコント劇場が始まり、
ストーリー攻略のヒントをもらうことができます。
これらを回収するのも、ゲームのやり込み要素の一つになっております。
設定の作り込み
前述した通り、作品設定の造り込みが凄まじいです。
マスター、サーヴァント、魔術、聖杯戦争といったFateを代表するキーワードは勿論のこと、
それぞれのキャラクターに対する設定の細かさ・深さは、計り知れないものがあります。
神話・伝説を扱った“英雄バトルロワイヤル”というアイデア一本だけの作品ではありません。
各キャラクターに人格、歴史があり、敵・味方に関係なく、全キャラクターが愛おしくなります。
それが端的に表現されているのが、サーヴァントたちの設定画面。
シナリオを進めると、プロフィールがゲーム画面から確認できるようになり、
彼らの伝説や神話を知ることができるだけでなく、それぞれのステータスまで見ることができます。
繰り返しますが、『Fate/stay night』はノベルゲームです。
こんな設定をつくらなくとも、ほとんどのプレイヤーにとってゲームを遊ぶことに支障ありません。
ターン制バトルとか、ありませんからね。
ですが、これらの設定が後々の派生作品に活きることになり、シリーズの発展に繋がっていることを考えると、
決して無駄なものではないことがよく分かるかと思います。
あと驚いたのが、全ての場面に副題がついていることですね。
作中のターニングポイントとなる場面だけでなく、数多く描かれる日常シーンにおいても、
コミカルなものからシリアスなものまで、全場面に副タイトルが付けられています。
こんな作品は、Fateだけではないでしょうか?
2.賛否両論点
ここまで本作を絶賛してきましたが、プレイして気になった部分も紹介します。
全キャラが幸せになる結末は存在しない。
ノベルゲームは基本的に、主人公の選択によってシナリオが分岐し、
それによって結末が変わるという作品が多いです。
この『Fate/stay night』も、Normal ENDとTrue ENDが存在する作品ですが、
全てのキャラクターが生き残り、幸せになるルートはありません。
特に、本作の賛否両論点に挙げられるのが、最終ルートであるHF。
このシナリオのメインヒロインを救う為に、
ずっと一緒に戦ってきた別のヒロインを、主人公が殺さなければいけない場面があります。
ここにも選択肢が用意されており、プレイヤーは断腸の思いで選択しないといけません。
それができない限り、物語は先へ進まないのです。
「誰かを救うということは、誰かを救わないということ。」
ーという言葉がFateの序盤で出てくるのですが、それを具現化した場面が、
最後の最後で待ち受けています。
とにかく長い
やっていて飽きることはなかったのですが、前述した通りテキスト量が膨大です。
特に、最終ルートの「HFルート」がとにかく長く、
「Fateルート」と「UBWルート」を合わせた長さを更に超えます。
物語の構成も、起承転結の「起」と「承」が7割、「転」と「結」が3割という配分になっており、
Fateに慣れてきたプレイヤーでも、完走するには根気のいるシナリオです。
また、「HFルート」はこれまでと全く違う展開を見せるので、
事実上、1本のソフトに2つのノベルゲームが収録されていると考えても間違いではないと思います。
私がプレイしていて、読むのが少し大変だった箇所は、
作品を構成する「魔術回路」や「聖杯戦争」が説明される場面。
どのルートを選んでもシナリオに関わるので、その度に、主人公(プレイヤー)に対して説明されるのですが、
「またかよ!」と思うところもありました。
ルートによって微妙に展開が違うので、ゲームのスキップ機能も使えないです。
PC版のHシーンは当然、全年齢版においては別のシーンに差し替えられているのですが、
各キャラクターの精神世界が描かれるような描写になっており、ぶっちゃけ意味分からなかったです。
エヴァを見ていたときと同じ気分でプレイしていました。
ヒロインの好感度が進行に関わる
シナリオ上の選択肢の幾つかは、各ヒロインの好感度に影響されるものがあります。
これが一定値に達していないと、詰みます。問答無用でDead EndかBad Endです。
それ自体は、ゲーム性を高める為に一躍買っていると思うので、頭ごなしに否定したくはないのですが、
ゲーム画面でその好感度を確認することはできません。
そして、この性質の選択ミスは大体が「遅延型バッドエンド」と呼ばれ、
数日前からの選択がゲームオーバーに繋がるものとなっております。
最後の「HFルート」で特に多く、“正解”となる選択肢が予想し難い場面も多く、
本作の難易度を上げている大きな要因です。
「タイガー道場」で攻略のヒントはもらえるのですが、正直めんどいです。
全ての選択肢をセーブできるほどデータ数には余裕があるので、そこは救いではありますが。
Fateルートにおける主人公
はじめてFateをやろう!という方にとって、最大の障害となるのが、
最初の「Fateルート」が一番面白くないということです。
ここでの「面白くない」というのは語弊があります。シナリオは間違いなく面白いです。
ーが、まず主人公:衛宮士郎のことを受け入れられないという方は、非常に多いと思います。
基本的には常識人ですが、”正義の味方”を目指しているが故の、異常なまでの利他主義。
作中の他キャラから「歪んでいる」とまで言われる自己犠牲精神。事実、歪んでいます。
最も“異常”といえる程の個性を持ったキャラが主人公であり、
自己投影ができるような人は、非常に少ないと考えられます。
特に「Fateルート」は、その性質が非常に強く出ているシナリオです。
マスターとしてそもそも未熟なのに、サーヴァントとの戦前で出しゃばり、あっさり致命傷を負う。
その理由も、「セイバーは女の子なんだから戦うな」という、
ジェンダーレス化が進んでいる現代では時代錯誤も甚だしいもの。
ひろ●き的に言えば「やる気のある無能」であり、人によっては非常に苛つくし、不快にまで思う存在です。
私はもう慣れてしまいましたが、Fateの世界に入る上で、最初の“鬼門”といっていいでしょう。
この話が全ての土台になるので、どうしても避けては通れません。
ここを超えた後は、もうメチャクチャに面白いです。
なぜ主人公がこういった性格なのか、その意味も理解できるようになります。
なので、最初は我慢してください。
目が死んでる。
これは賛否両論点とまでは言えませんが、Fateの世界では大人の男性キャラは全員、目が死んでます。
『Fate/stay night』においては主人公の義父、学校の教師、教会の神父といった男性キャラが出てきますが、
例外なく目が死んでいます。瞳にハイライトが全くありません。
本作の前日譚にあたるFate/Zeroは、登場する7人のマスターのうち5人が大人の男だった為、
キャラクターの目が全員死んでるアニメとまで言われておりました。
3.キャラクター紹介
ここからは、『Fate/stay night』で活躍するマスター、サーヴァントたちを、一気に紹介します。
ただ、全キャラを紹介するとあまりにネタバレになってしまうので、
作品の面白さを損なわない程度に紹介させてもらいます。
マスター
願いを叶える聖杯に選ばれ、サーヴァントと共に戦う魔術師。
だが、本作においては純粋に聖杯を求めるマスターは少ない。
衛宮 士郎(CV:杉山紀彰)
本作の主人公。かつて自身の命を救った衛宮切嗣に憧れ、“正義の味方”を目指すようになった。
原作のPC版では、あるルートにて某ヒロインから「好きな子で自慰するタイプ」と言われる。
全年齢版では「好きな子のリコーダーが気になるタイプ」という台詞に修正された為、却って変態性が増した。
遠坂 凛(CV:植田佳奈)
通称「赤い悪魔」。自他共に認める天才魔術師であり、とても可愛い。
プロローグは彼女目線で進行し、どのルートでも最初から最後まで活躍するので、
実質“第二の主人公”といってもいい。
非常に優れたマスターだが、肝心なところでミスをする一面がある。とても可愛い。
間桐 桜(CV:下屋則子)
毎朝、主人公の家まで来て一緒にご飯を作ってくれる。健気で大人しく、しかも隠れ巨乳の女の子。
「これなんてエロゲ?」と言いたくなるかもしれないが、Fateは元々エロゲである。
メインヒロインを務めるHFルート以外では、ほとんど出番がない。ラスボス系ヒロイン。
間桐 慎二(CV:神谷浩史)
桜の義兄で、士郎の昔からの友だち。長所を探すのが難しい性格だが、製作陣からは愛されている。
声はリヴァイ兵長と同じだが、この作品では唯一といっていい雑魚。大概、碌な目に遭わない。
ただ、「UBWルート」では利用されていたとはいえ、あのギルガメッシュといいコンビをやれていたので、
やっぱり凄いやつなのかもしれない。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(CV:門脇舞以)
美しい白髪の少女。聖杯戦争の起源に関わる、物語的には超重要な人物。
最強の敵として登場し、士郎とセイバーを何度も追い詰める。
うわ、ようじょつよい。
言峰 綺礼(CV:中田譲治)
今回の聖杯戦争の「監督役」に任命された、教会の神父。
前回の聖杯戦争にマスターとして参加し、主人公の父親と死闘を演じた男。
どこからどう見ても本作の黒幕だが、コンセプトが「一発で黒幕と分かるデザイン」だったらしい。
実はフィジカルが超強く、中国拳法を極めている。なんで?
『Fate/Zero』で描かれた、衛宮切嗣との一騎打ちは必見。
サーヴァント
全世界の神話に登場する英雄、怪物たち。
とりわけ、『Fate/stay night』で召喚されたサーヴァントは、伝説級の人物ばかり。
彼らはそれぞれシンボルとなる「宝具」を所持しており、
その名を唱えることで神話級の能力と、人理を超越した大破壊を再現する。
セイバー(CV:川澄綾子)
主人公の相棒であり、Fateシリーズの顔。
「セイバー」はあくまでサーヴァントに与えられたクラス名だが、
Fateでセイバーと言えば、基本的には彼女のことを指す。
その正体はアーサー王であり、滅亡した国の運命を変えるために聖杯を求める。
騎士道精神を重んじる、厳格で静謐な性格だが、物語が進むと意外とコミカルな一面を見せてくれる。
Fateの人気投票ぶっちぎり1位のヒロイン。
アーチャー(CV:諏訪部順一)
『Fate/stay night』のプロローグにおいて、遠坂凛によって最初に召喚される英霊。
背中で語る男。弓兵クラスだが、作中ではあまり弓は使わず、「干将・莫耶」という双剣を愛用する。
主人公やセイバーに対して本質を突いた言葉を掛けたり、聖杯を「悪趣味な願望機」と切り捨てたり、謎多き人物。
彼がどの時代に生き、名を残した英雄なのかは、「UBWルート」にて明らかになる。
FGOやってれば、すぐに真名が分かっちゃうけどね☆
ランサー(CV:神奈延年)
プロローグで最初に戦う英霊。
作劇の都合上、絶対に当たらない必中の槍:ゲイ・ボルクを愛用する。
シナリオの都合で、何かと不遇な目に遭うことが多いサーヴァント。
しかし、宝具の性能、本人の実力、性格。どれをとっても全く隙がなく、
FGOをはじめ、数多の伝説級の英霊が登場した現在でも、
ファンからは「サーヴァント当たり枠トップ10には余裕で入る」と言われるほど。愛称は兄貴。
バーサーカー(CV:西前忠久)
イリヤが召喚した暴力の化身。あらゆる神話の頂点に位置する大英雄:ヘラクレス。
迫撃戦において彼を超える英霊はいない。最初の「Fateルート」では圧倒的な存在感を見せつけた。
狂戦士クラスで召喚された為、残念ながらほとんど台詞はない。
バーサーカーのクラスではなく、セイバーやアーチャーのクラスで召喚されていたとしたら、
本当の意味で最強のサーヴァントだったとされている。
ライダー(CV:浅川悠)
Fate、UBWの両ルートにおいて、一番最初に退場するサーヴァント。
彼女の真価が発揮されるのは、最後のHFルートから。
映像作品においては長らく活躍の機会に恵まれなかった為、
担当声優の浅川さんは「ただのお色気要因なのでは?」と、本気で思っていたらしい。
私の脳を焼いたゲーム、『白昼夢の青写真』のヒロインと同じ声優さんということもあり、個人的には最推し。
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キャスター(CV:田中敦子)
聖杯戦争においては、最弱のクラスと呼ばれる。
その為、真っ向からの勝負を避けて、数々の搦手を扱う狡猾な人物。
ただ、ステイナイトは他の奴らが化け物すぎるだけで、十分すぎるほど強力な英霊。
まぁ、彼女に関しては、サーヴァントと肉弾戦ができるマスターの印象の方が強いかもしれない。
アサシン(CV:三木眞一郎)
真名は佐々木小次郎。お前のような暗殺者がいるか。
アサシンの癖にセイバー以上の剣術使い。
純粋な剣技を極めた彼の戦闘シーンは、軒並み評価が高い。
アニメのUBWを見てみよう、凛ちゃんも可愛いので。
ギルガメッシュ(CV:関智一)
聖杯戦争に存在するはずのない、“8人目”のサーヴァント。
その正体は、前回の聖杯戦争で「アーチャー」のクラスとして召喚され、最後まで生き残った唯一人の英霊。
人類史における最古の英雄王。あのセイバーと並ぶ、Fateシリーズの顔。
『Fate/stay night』においては、各ルートのラスボスから噛ませ役まで、幅広い仕事をこなす。
一人称は「我」と書いてオレ。この世の全ては我のものと豪語し、
自分以外の有象無象を「雑種」と見下す、超ジャイアニズム。でも声はスネ夫。
かつて全世界を支配した王である為、願いを叶える聖杯などに興味はなく、
その場の気分とノリで現世を謳歌している。
意外と子ども好きで、派生作品ではよく子どもたちに懐かれている。
対サーヴァントとしての能力は、疑いようもなく最強。
必殺級の「宝具」を無尽蔵に所有しており、本気を出せば一夜で聖杯戦争を終わらせられると言われている。
敗因は全て油断と慢心。だが、慢心しないギル様なんて、それはもうギル様ではない。
4.各ルートの感想
ここからは、実際にプレイした各ルートの簡潔なレビューを書きます。
ストーリーの詳細な内容は書きませんので、ストーリーを知りたい方はアニメを見るか、
スマホアプリをダウンロードしましょう。
※最初の「Fateルート」は無料でプレイできます。
"Fate"(セイバールート)
プレイ時間の目安:20時間程度。
ーその日、少年は運命に出会う。
プレイヤーが最初にプレイすることになるルート。
便宜上、「セイバールート」、「SN(ステイナイト)ルート」とも呼ばれます。
セイバーが聖杯を望む理由と、彼女にとっての救いを描いたルートであり、
士郎とセイバーの関係性が物語の全編で描かれます。
前述した通り、主人公の性格が受け入れられない人も多いかもしれませんが、
このルートが次の物語への大きな布石となっているので、
Fateを遊ぶのであれば、ここからが始まりです。
ーでも、シナリオは純粋に面白いです。
サーヴァントや聖杯戦争の基本的な設定と、士郎とセイバーとの間で芽生える絆と愛。
最後に登場する最強の敵:ギルガメッシュと、そのマスターとの聖杯を巡る死闘。
“王道”といっていいストーリーは簡潔で分かりやすく、ラストバトルは何度も読み返しました。
やっぱり僕は、王道を征く・・・セイバールートですね。
2006年に放映されたアニメ版は、「UBWルート」や「HFルート」の要素も盛り込まれているので、
純粋な「Fateルート」の映像化は未だ実現されておりません。
最新の映像クオリティで、「Fateルート」の再アニメ化を望むファンは多いです。
"Unlimited Blade Works"(遠坂 凛ルート)
プレイ時間の目安:15〜20時間。
ー遠い残響を頼りに、少年は荒野を目指す。
最初の「Fateルート」で提示された、主人公の理想に対する“歪み”。
その問題に、真正面から向き合うことになるルート。
メインヒロインは遠坂凛になりますが、凛の個人的な事情にはあまり踏み入らず、
公式からも「ある意味、士郎ルート」と説明されるほど、主人公にフォーカスされるシナリオです。
「Fateルート」にて数多くの謎が残されていた、アーチャーの正体。
そして、主人公の“正義の味方”という理想が孕む矛盾と、その結末。
『Fate/stay night』という物語において、大きな真実が明かされることと、
全ルートで最も少年マンガしている熱い展開が合わさり、
ファンからの評価は一番高いといっていいでしょう。私も人に勧めるなら、このルートを推します。
最後は、「Fateルート」であれほど絶望的な力を見せつけたギルガメッシュを、
主人公の士郎が倒すという激アツ展開。
この「UBWルート」のアニメを観て、私はFate沼にハマりました。
"Heaven's Feel"(間桐 桜ルート)
プレイ時間の目安:40時間以上。
ー少年と少女は、運命に抗う。
「Fateルート」と「UBWルート」の2つを攻略することで遂に開放される、ファイナルルート。
最難関にして、最長。そして『Fate/stay night』において、最も悲壮的な物語。
一人の女を守る為に、主人公がこれまでずっと抱いてきた理想を捨てて、
ただの人間として過酷な運命と戦う。公式曰く、“裏のFate”。
聖杯戦争を描いていた「Fateルート」と「UBWルート」とは根本的に異なり、
そもそも「聖杯」とは何か?
なぜサーヴァント同士の戦いが必要だったのか?
ーという、物語の核心部分が明らかになるストーリー。
これまでのルートには全く登場しなかったキャラクターが暗躍し、
「Fateルート」と「UBWルート」で活躍したサーヴァントたちは次々と退場し、
中盤以降からは完全にマスターたちの戦いへとシフトしていきます。
シナリオが進むごとに壊れてゆく、主人公とヒロイン。
それまでの英霊同士の戦いとは違い、淫靡で閉塞的な雰囲気の漂う物語は、
Fateという作品全体へのアンチテーゼともいえるものになっております。
最後の物語にして、とにかく鬱度が高かったです。
ヒロインである桜の真実が明らかになるにつれて、読むのがどんどん辛くなりました。
主人公もヒロインも、なんでこんな目に遭わなければいけないんだよと。
最終章に進む際、物語を最後まで続けるかどうかの選択肢が出てくる場面があるのですが、
Bad Endになることが分かりきっていても、その時は「諦める」を選んでしまいました。
・・・もう、桜を救うことは無理だ、と。
そうなってしまうほどに「HFルート」は全体的に暗く、しんどい。
しかし、それを乗り越えた末のラストバトルと、大感動の結末は、
『Fate/stay night』を締め括るのに相応しいものといえます。
あと、激辛麻婆豆腐をハフハフしている言峰神父に全部持ってかれる。
5.統括
『Fate/stay night』は非常に長大なシリーズ作品ですが、
バッチバチに熱いシナリオ、それを彩る魅力的なキャラクターの人気から、
20年以上も全世界の人々に愛されています。
どのような形から入っても全く構わないと思いますが、
私から勧めるとすれば、原点である『Fate/stay night』をプレイしてみるのが一番だと思います。
是非、Fate沼にどっぷり浸かりましょう。
余談:PC版(R18)をやるべきか否か。
『Fate/stay night』の原作はPC版で、R18作品になっております。
純粋なゲーム作品として比較するなら、圧倒的に全年齢版:レアルタ・ヌアの方がいいでしょう。
R18だからとかではなく、PC版にはキャラボイスがありません。
今も活躍されている、豪華声優さんたちによる熱演。
さらに、PC版よりも各場面の演出が強化されており、プレイもしやすい。
『Fate/stay night』を遊ぶなら、レアルタ・ヌア一択。
・・・と思っていたのですが、PC版はPC版で、表現が過激になっており、
文章表現も結構変わっているらしいので、割と気になっています。
プレイできる環境があれば、PC版をやってみたいと思っています。
以上、余談でした。
紹介した作品