【要約】99%の人が価値のある読書をしていない。「攻める」読書法の解説。

2022年1月22日

 

【書評】目的意識を持って読書しよう。


今回の記事では、赤羽雄二さんが書かれた『Action Reading』を元に、「世の中のほとんどの人が価値のある読書をしていない」ということを解説します。

 

著者の経歴

著者の赤羽さんは、以下の経歴をお持ちの方です。

 

著者経歴

  • 東京大学工学部を卒業。
  • スタンダード大学院で機械工学修士、修士上級課程を修了。
  • 世界的コンサル企業であるマッキンゼーに入社し、マーケティング、新事業の立ち上げ等、多数のプロジェクトに関わる。
  • その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業するなど、多方面で活躍中。

 

早い話、超エリートです。自らの経験を活かし、仕事術に関する本を多数執筆しております。

 

以前、当ブログでも『ゼロ秒思考』という書籍を紹介させて頂いてます。

【要約】思考の質とスピードを上げるトレーニングメソッド『ゼロ秒思考』

続きを見る

 

読者の中にも、赤羽さんの書籍を読んだことがある方は多いのではないでしょうか。

私のような凡庸な社会人から見れば、雲の上にいるような方です。

 

そんな人が、「ほとんどの人がやっている読書には意味がない」という旨の本を出版しています。

「なんだと、このヤロー!」と思う気持ちは充分に分かりますが、私なりに要点を纏めて、役に立つ部分をピックアップしてきました。

それを、今回の記事でお届けします。

 

では、早速始めていきましょう!

 

 

読書の意義

読書をする最も大きな意味は、「その本を読んだことで自分の行動が一つでも変わること」です。

逆に言えば、読んだ内容を自分の活動に落とし込むことが出来なければ、いくら活字を読んだところで何の意味もありません。

 

例えば、マーケティングについて書かれた本を読んだのであれば、その知識・理論が自分の事業にどうすれば活用出来るか?

その視点を持って、自分なりに考える必要があります。

 

以前、当ブログで紹介した『LOVE理論』を読んだのであれば、実際に女性に声を掛けるなり、友達に紹介してもらうなり、

どんな手段を使ってでも彼女(彼氏)を作る努力をするべきなのです。

【要約】一途な恋は報われない。『LOVE理論』から学ぶ恋愛の真実。

続きを見る

 

私は『LOVE理論』を読んでから、『アマガミ』というギャルゲーを購入し、全ヒロインを攻略することが出来ました。

言うまでもありませんが、こんなことで満足してたらダメですよ。私のようにはならないでください。

何いってんだコイツ。

これはもう、ダメかも分からんね。

 

読書をすることで、何か一つでも自分の人生を好転させるような習慣をつくることが出来れば、それは人生において非常に重要な資産になります

人生は習慣によってつくられます。読書を習慣に出来ている方は、それだけでも、素晴らしい成長意欲を持った方だと思います。

そこから一歩ステップアップして、実際の生活に活かせる、行動が変わる読書法を身につけましょう。

 

読んだらそこで終わり。明日から同じ毎日を繰り返すだけの、自己満足の為だけの読書は、もう終わりにしましょう

それが、『Action Reading』で提案している「攻める読書法」です。

そのことをお伝えする為に、今回の記事を書きました。

 

 

記事の構成

今回の記事の構成は、以下の通りです。

『Action Reading』で書かれている内容で「これ良いな!」と思ったものを厳選して、再編集しました。

 

ココがポイント

第1章:そもそも本が読めないんだけど・・・。

どうすれば生活の中で本を読めるようになるのか、ということを解説します。

第2章:より効果的な本の読み方。

自分の為になる読書法の紹介です。

第3章:理想的な読書習慣。

読書を習慣化させる方法を提示します。

 

最後まで楽しんでいただけたら、幸いです。

 

 

第1章:そもそも本が読めないんだけど・・・。

まず、私たちが何故、普段から本を読まないのか。読むことが出来ないのか。

結論から云うと、そこに価値を感じていないからです。

 

それはそうですよね。だって、一生で一冊も本を読まなかったとしても、生存していくことは可能です。

本が好きでもない人に無理やり読ませたところで、長続きはしません。

 

何を書いてあるのかすらもよく分からない、マネジメントの本とか経営の本とか、読むのがしんどい。

それよりも、ビールを飲みながらYouTube見たりNetflixでドラマ見ている方が、楽しいですもんね。

(ワカール、ワカルヨ、その気持ち・・・。)

 

「読書」に対して“趣味”とか“自己成長”という意識のままでいると、どこかのタイミングで私たちは必ず読書を止めてしまいます。

だから、その意識から変えていく必要があります。

 

趣味とか、余暇とかに考えず、自分の人生の中での重要事項として考える。

と、『Action Reading』では提案しています。

呼吸をするように読書するんです。必要なことであれば、私たちは人から言われなくても絶対にやりますよね?

例え仕事が忙しくても、他の趣味をやりたくても、「読書」という行為の優先順位を上げて、時間をつくるんです。

 

読書の価値

読書をすることで得られる恩恵は多々あります。だからこそ、常人の何倍も忙しい経営者、ビジネスパーソンは本を読むんです。

Microsoftのビルゲイツ氏が秘書に本を持たせて、週に10冊の読書をすることは有名なエピソードですよね。

 

『Action Reading』でも読書の価値について体系的に述べられています。そこは是非本書を読んでもらうとして・・・

私が思う読書の最大の意義は、「問題解決をする為」です。より幸せに生きたいから、本を読むんです。

 

生きていれば、否応なしに色々な困難に直面しますよね。全く悩みの無い大人は存在しないでしょう。

どう生きていけばいいんだろうとか、もっとお金が欲しいとか。

 

でも、考えてみれば可笑しな話なんです。大体の人が普段感じている悩みというのは、既に世の中の誰かが答えを本に残している

今の貴方が頭を抱えてしまうくらいに深刻だと感じている問題は、人類史で初めて直面した困難であるはずがないでしょう?

 

私たちの大半の悩み

  • 早起きできない、どうしよう。
  • 彼女が欲しいのに、つくりかたが分からない。
  • 会社の上司からの当たりが強く、ツラたにえんでヤバたにえん。

 

そんな程度の悩みは、大体解決方法があります。だって、その悩みを感じているのは貴方一人ではないから

先人たちが既に「どうすればいいのか」という答えを示してくれています。

 

気軽に相談できる人間が身の回りに居れば、それで良いと思うかもしれません。

ただ、そんな都合のいい人間がいる人は限りなく少ないでしょうし、いつ何時でも相談は出来ないでしょう。

親しい人にこそ知られたくない、ということだってあると思います。何が何でも相談できるというのは現実的ではありません。

 

書籍であれば、自分が知りたいタイミングでいつでも読むことが可能です。

読書で学んだことを実生活に活かして、駄目だったところは適宜修正。人生はその繰り返しです。

 

ネットでいいのでは?に対して

インターネットが普及したことで、知りたい情報はネットで直ぐに調べられる様になりました。

恥ずかしながら、私もネットジャンキーです。インターネットが無い生活は想像できなくなっています。

ただ、ネットの記事で充分という意見には否定的です。

 

『Action Reading』で述べられていたのは、ネットの記事は体系的では無いという意見でした。

ネットの情報は、新しい情報を追うには適していますが、その多くは、短い時間と浅い知識で書かれたものが大半です。

それをどれだけ読んでいても、自分の見識はあまり深くならない。

 

要するに、結論ありきで根拠に乏しいものがほとんどということです。

楽だからといってネットの情報だけで生きていくと、段々と思考がこんな感じになっていきます。

「〜ってホリエモンがTwitterで言ってたよ。」

「それはメンタリストのDaiGoがYouTubeで言ってたよ。」

 

・・・私は、こんな発言をする大人は残念な人たちだと思います。その主張に対して何一つ自分の考えは持っていないのかよ、と言いたくなる。

 

極論を言ってしまうと、結論なんてどうだっていいんです。大事なのは結論ではなくて、根拠

何故そう云えるのかを教えてくれるのは、やはりネットではなくて書籍なんです。

 

 

第2章:より効果的な読書法。

読書の価値が少しでも伝わりましたでしょうか?

ここからは、『Action Reading』で述べられていた読書法を紹介します。

 

・・・とはいえ、それら全てをこの記事で紹介することは出来ませんので、特に重要なことだけに絞ります。

ポイントは、たったの2つです。

 

ココがポイント

  • 「問題意識」を持つ。
  • 「目的意識」を持つ。

 

読書の前に、「自分はこの本で何を得たいのか」、「何故この本を自分は手に取ったのか」を明確にしよう、という話です。

『Action Reading』では、「問題意識や目的意識の持てない本は、買っても意味がない」とまで主張しています。

 

これは結構、私の中では反省でした。思い当たることが多々あったからです。

タイトルや概要を見て、「面白そう!」と思って購入しても、結局読まないまま数ヶ月放置・・・そんなことがしょっちゅうでしたから。

自分の中で好奇心を強く持てたり、「何かを得よう!」という思いが無ければ、読書の恩恵を充分に享受することは出来ません。

 

読みすぎはダメ!

でも、本に書かれている全てのことを吸収する必要は全くありません。

最初の方にも書きましたが、読書の目的は「自分の行動を変えること」です。

1冊の本の中から、2〜3個印象に残ったものを実践出来れば、それでもう充分に元は取れています

 

『Action Reading』では以下のように説明されています。

必要なだけ読んで、後は「現場」で、実際の自分の行動や判断力を磨いていく。

本を読むこと自体を目的とせず、成長のきっかけにした方が、より自分を磨くことができるのです。

今度は、いかに本から自分の行動を変えるかが大事。

 

読書という行為自体が目的になってはいけない、ということです。

 

推奨される読書法

著者の赤羽さんがやっている読書法も書かれていたので、簡単に紹介します。

ネットや電話を切る。

一冊に集中して読む。

振り返って読まないというルールをつくる。

 

私からすると、「そこまでやらなくても・・・」という気はします。流石にここまで出来る気はしません。

 

ただ、「一冊に集中して読む」というのは実践してみようかな、と思いました。

読書中、結構目移りする方なので、読んでる途中で全く別の本を手に取るということが多々あります。

そうすると、前まで読んでいた内容を忘れて、一から読み直す羽目になってしまっていました。

 

完全に余計な工数が掛かっているので、その癖は直した方が良さそうです。読みたいものを読めばいいとは思っていますけどね。

 

ある程度読める様になってきたら・・・

コンスタントに読書ができるようになったら、今度はインプットに時間を費やすのではなく、アウトプットに力を入れましょう!

読んだ本の内容を、ブログやTwitterで発信してみるといったことです。

 

やっているから分かるのですが、アウトプットしないと読んだ本の内容はほぼ忘れます。どんなに印象に残った本でも、です

アウトプットしたことは少なからず感情が動くので、記憶の定着に物凄く効果的というのは、言うまでもないでしょう。

 

ブログは敷居が高いかもしれませんが、無料で始められるものであれば簡単に始めることが出来ます。

といっても、ブログを書くことに気を取られすぎては読む時間が無くなるので、2000〜3000字程度のもので充分とのことです。

その意味では、当ブログはやり過ぎです。(平均で6000字を超過しています。)

 

アウトプットをどう書けばいいのか、参考となる記事が『Action Reading』で紹介されていました。

下記にリンクを貼っておきますので、ご参考ください。

 

参照リンクはこちら!

30分で3000字書くためにぼくがやっている4つのこと

 

 

第3章:理想的な読書習慣。

第3章は、「どうやったら読書を習慣に出来るか?」について書きます。

結論は、本を読んでいる人のコミュニティに所属してみること。周囲の環境を変えるやり方です。

 

というのも、去年の私が例年と比較して、ほとんど読書が出来ていなかったんですね。だからこそ分かります。

読書を習慣に出来ていたときは、知人同士で読書をするコミュニティをつくり、決まった時間に読書をしていました。

そこを抜けてしまった今、通勤中などの空いている時間、スマホで漫画ばかりを読むようになってしまいました。

 

習慣にするときは、人と約束するってマジ大事です

今年は週に一冊の読書をノルマとして、読んだ本の感想をSlackで友人に報告するようにしました。朝や休日に読む時間をつくっています。

 

SNSを利用する

コミュニティをつくるのはハードルが高いという方もいると思います。そんな方に提案するのは、SNSを使ったやり方です。

『Action Reading』で実際にFacebookのグループがありますので、アカウントを持っている方であれば直ぐに参加できます。

 

また、ビジネスで活躍されている方を積極的にフォローしてみても良いと思います。経営者とか、実業家の方々ですね。

私も、自分が感銘を受けた本の著者などは積極的にフォローする様にしています。

そういった方々は大変な読書家であることが多いので、オススメの本を知ることも出来ます。

 

当ブログで紹介したことのある『転職の思考法』を書かれた北野唯我さんは、少し前の三連休で9冊読んでいたと発言されていました。

【要約】あなたに天職は存在しない。好きな仕事がなくてもいい。『転職の思考法』

続きを見る

 

 

こういう人を知っていると「自分はまだまだだな」と感じますし、もっと努力しようと思える活力になります。

 

その他の習慣

本書では読書以外で、赤羽さんが推奨している習慣も載っていました。

その中でも、私が実生活で取り入れているものを2つ紹介します。

 

  • 休日も平日と同じ時間に起きる。
  • Googleアラートの活用。

 

休日も平日と同じ時間に起きるというのは、言わずもがな、ですね。ダラダラしているとあっという間に時間は過ぎてしまいますから。

 

あと、本書を読んでからGoogleアラートを利用し始めていますが、これは皆さんも活用した方がいいです。

ネットの記事は断片的とは書きましたが、それでも「情報の速さ」に関しては圧倒的に書籍より上です。時間を決めて利用することは、赤羽さんも推奨しています。

その際、Googleアラートでキーワード登録しておけば、設定した時間にメールが届いて情報収集出来るので、本当に便利です。

 

転職情報を知りたいときは、「転職」を設定するとか。自分の専門分野や、「VR」、「メタバース」、「AI」といった今後のトレンドを登録するのも良いかもしれません。

私は朝7:00に設定し、通勤時間で読む様にしています。

 

 

結論:読書によって人生は面白くなる!

今までの価値観が破壊されること。新たな視点を持てることが読書の最大のメリットであり、楽しさだと思っています

 

例えば、『13歳からのアート思考』という書籍を読んで、私はアートに対する考え方が変わりました。

【要約】美術革命!『13歳からのアート思考』 アートって何なの?からの解放。

続きを見る

 

それまでは、アートを崇拝する人や、アートそのものを軽視していました。

「絵画の良さが全然分からん。こんなのが5億円とか、世の中って意味不明だな・・・」

としか思えなかったのですよ。まあ、正直今でも思っていますけれど。

 

それでも、アートの本質を知ったことで、その意義や価値を少しでも理解することが出来ました。

キングコングの西野さんが以前に仰っていたことで、「知らないと嫌いは似ている。」という話があります。

 

参照リンクはこちら!

「嫌い」が加速する日本  by キンコン西野

 

正にこの事例だな・・・と思った次第です。

 

大事な考え方として、本書にも載っていたのですが「学ぶから何をしたいかが見えてくる」というのは真理です。

「自分が何をしたいかが分からない」というのは要するに、何も学ばずに生きているということ

厳しい言い方ですが、正論だと思います。

 

私も、今後はもっともっと本を読んでいこうと思います。知れば知る程、自分の世界が広がっていくのはワクワクすることです。

 

 

【余談】分かり易い本だけ読めばいいのか?

今回紹介した『Action Reading』は非常に分かり易い本です。

「どうすれば本の知識を自分のものに出来るか?」といった読者の悩みに対して、具体的な方法論が提示されています。

だからこそ、多くの方にオススメ出来ます。

 

一方で、世の中には抽象的な表現が多く、理解することが困難な書籍も数多く存在します。

そういった本を購入してみて、「今の自分には理解できない」と読破を断念したことが、私には何度もあります。

難しい本を無理して読むよりは、理解できるものから読んでいけばいいというのが、私のスタンスです。

 

では、内容が抽象的で理解しにくい本を読む必要がないか?と問われるとそれは極論だとも思います。

自分で考える努力を、しなくなってしまうからです。

 

自分で考えず、提示された具体的な方法をなぞっているだけでは、いずれやっていることの本質を見失います。

そして、いつかやらなくなるんです。

 

敷居が高いですが、抽象的な概念で書かれることの多い所謂「名著」と呼ばれる本にも、挑戦するべきだというのが私の意見です。

そこで書かれている内容の意味を掴み、自分の行動に落とし込めたら、一生忘れることのない資産になります。

引用:アオアシ(4)/©小林有吾

 

私の好きな漫画、アオアシもついに今年の春にアニメ化されますので、非常に楽しみです。

 

紹介した本

アクション リーディング 1日30分でも自分を変える“行動読書』 著:赤羽雄二

 

  • この記事を書いた人

イナ

本業は設計者。29歳。書評とコラムを発信する、当サイトの管理人。気ままに記事を更新します。日課は読書と筋トレ。深夜ラジオとADVゲーム好き。

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