【実録】アムウェイにはどんな風に勧誘されるのか。
私の体験談。
新年、明けましておめでとうございます。
2021年も、「人生を豊かにする」をテーマにブログを書いていきます。宜しくお願いします。
今年最初のブログは、今よりももっと未熟だった頃の自分の体験を、恥ずかしながら語ります。
今から1年以上前に、私はマルチ商法の勧誘を受けました。その時の体験談になります。
皆さんの参考になりましたら幸いです。
普段の記事より大分砕けた文章になりますので、予めご容赦ください。
プロローグ
2019年3月。
新卒として、地元の九州から愛知県の某企業に入社した私は、とにかく暇だった。
休日にやることがなかったのだ。
何せ学生時代、休日に何をやっていたかというと、部活かバイトである。
遊びといえば、友達とカラオケか、ボーリングをするくらいのもの。
それ以外の遊びというものを、ほぼ知らなかった。
社会人は仕事以外の趣味を持て、という言葉を聞くけれど、あれは本当のことだと思う。
アパレル業界という市場を間も無く独占するであろう、UNIQLOの経営者、柳生会長ですらゴルフという趣味を持っている。
人生をより良いものにする為にも、娯楽や趣味は必要である。
では、当時の私が休みの日に何をやっていたのかというと、大体こんな感じだ。
- 昼まで爆睡。
- ゼルダの伝説(ブレワイ)を1日中やり倒す。
- YouTube見てゴロゴロ。
どうだろうか。実にイケてないだろう?
強がりを言うようだが、これはこれで結構楽しかったりもする。
ただ、充実感はなかった。当たり前だ。
マッチングアプリとかやってみたの巻
そんな冴えない大学生のような生活にも、次第に飽きてくる。
新しく恋人でもつくれば人生が充実するかも、と安易な気持ちと下半身の欲望で動き始めた。
動き始めたこと自体は中々立派な行為だが、あまり上手くは行かなかった。
女の子と偶にデートに行くことはあったが、基本的には私が一方的に振られて終わっていた。
当時の私がちゃんとしたデートプランを碌に考えず、成り行きで遊んでいたのだから仕方ない。
凡人が愛する女性とベッドインするまでには、それなりの戦略なり準備なりが必要なものだ。
その後は、マッチングアプリとやらを1ヶ月使ってみたが、途中でギブアップしてしまった。
やってみて初めて分かった。あれは中々根性のいるものだ。
大体、会ってもいない人間と何往復もメッセージのやり取りをするというのが、
私にとっては強いストレスだった。
「この人とマッチングする為だけに、何でこんなに時間を使わないといけないんだ。時間を掛けても、全然マッチングできないし。」
・・・そういうものだから仕方ないのだが、こんな思考回路なので、根本的に私は恋愛に向いていないのかもしれない。
時には女性から食事に誘われることもあったが、
楽しみに待っていて当日ドタキャンされるということも、ざらにあった。
盛りのついた20代前半にして、「恋愛って疲れるな・・・」という極地に至ってしまった。
そんな、残念な感じのプライベートを過ごしていたのに加えて、
仕事でも上司から大した評価を得られていなかった。
仕事で結果を出せていれば、「俺は恋愛よりも仕事を優先させているので」と格好つけられたというのに。
とにかく、人生が上手くいっていなかった。
自己啓発に取り組んだの巻
では、次に私が何をやったか?
それは“自己啓発”である。本格的に「このままの人生ではイカン」と思い始めた。
少々、自分の人生に危機感を持つのが遅過ぎたような気もするが。
同級生は既に結婚して家庭を持ち、SNSに幸せな写真を上げている。
そういうものを見てしまったら、今の自分はなんなんだ、と考えるようになった。
補足
今の価値観は真逆で、結婚して家庭を築くことだけが、個人の幸せの在り方ではないと分かっています。
ただ、当時の自分は他人との無意味な比較ばかりして、勝手に自己嫌悪に陥っていました。
ネットで調べて、いろんなセミナーに行きまくった。とにかく必死だった。何かに追われていた。
当時の私が行ったセミナーの中の一つに「恋愛セミナー」というものがあり、3千円払って受けた。
今考えると随分と安いなオイ。
内容としてはネットの知識を詰め合わせた内容で、正直お粗末なものだったと記憶している。
3千円だから、所詮そんなものである。
セミナーというより、講師が紹介料を貰っているのであろう「恋愛養成所」という、
怪しげなスクールに誘導することが目的だったと思われる。
養成所と書いたが、本当に養成所だったのかどうかも覚えていない。
とにかく、お金儲けの匂いしかしないセミナーであった。
そのセミナーで、目の前に座っていた男性2人組と帰り道が一緒になり、近くで飯を食うことになった。
そして、話はここから始まる。
トンカツ屋での邂逅
名古屋駅の近くに金山駅という、都市の中心に位置している場所がある。
恋愛セミナーの会場は、その金山駅の近くだった。
我々は、駅近くのトンカツ屋に入り、セミナーの感想を言い合っていた。
知り合った男性2人は割と歳が離れていたが、古くからの友人らしい。
出会った人物
・蒲田さん(仮)34歳くらい
・淳さん(仮)28歳くらい
あまり勿体ぶるほどの話ではないので、先に言っておこう。
この2人がアムウェイ会員である。
アムウェイって何?と思われる人もいるかもしれないが、その説明は後にしよう。今は話を進めさせてもらう。
私は根が陰キャだが、初対面の相手とたわいのない会話をするくらいのコミュ力はある。
特に淳さんは歳が近くて気さくに話しかけてくれるので、それなりに打ち解けるのが早かった。
「あのセミナー、なんかお金儲けの匂いがしたよね」
「講師が、自分の年収600万円超えているという話をしたかっただけじゃない」
今しがた受講したセミナーの、中身のない感想を喋り散らかしていた。
中身はスッカスカだが、話は盛り上がっていた。
思い返すと、一番お金儲けのことしか考えていなかったのは、この淳という男である。
いけしゃあしゃあと、奴はセミナーの講師を非難していた訳だ。おめえも同類だよ。
そして、普段の私生活のことにまで話が及んだ。
愛知県で遊ぶ友人があまり居らず、退屈していると。ボッチだと告白した。
すると、淳という男は
「今度俺たちのグループでバスケをやるから、おいでよ」
と誘ってくれた。
何という陽キャなのだろう。
初対面の素性の知れない男を、何の抵抗もなく自分たちのグループに入れてくれるとは。
連絡先を交換し、1週間後に指定の駅で、という約束をして、その場は解散した。
初めての交流
駅に着くと、淳さんが車で迎えに来てくれた。その日の目的地である体育館は、何の変哲もない、普通の体育館だった。
ただ、私が思っていたよりも大人数が集まっていた。男女比4:1で20人は集まっていただろうか。
そのグループの年齢層は20〜30代。
淳さんの知り合いで、バーを経営している正文さん(仮)という人の知り合いでグループをつくり、
こうやって定期的に遊んでいるとのことだった。
新しいグループの中に参加するというものは、いくつになっても緊張するものだ。
私も例に漏れず、持ち前のコミュ障振りを遺憾無く発揮した。
だが、それは最初だけの話で、次第に数人とは打ち解けた。
久しぶりに運動するので、私は少し気合が入っていた。
学生時代の頃に使用していた運動着とシューズを持参して、バスケットボールの試合に臨んだ。
バスケ部には所属していなかったが、スラムダンクは全巻読んできているので、アドバンテージはあった。
左手は添えるだけ。
バスケの描写は省くが、私の華麗なる戦果だけ報告しよう。4試合やって、2得点だった。
とはいえ、ガチガチのバスケサークルではなく、“遊び”だったので、終始和やかな雰囲気だった。
グループの全員良い人だったので、安心した。
私は学生時代の体育の時間、自分のミスで失点した際、
部活でやっている連中から本気で怒られた経験があり、チームプレイに苦手意識を持っていた。
・・・さて、ここまで書くと、私が何の疑いもなく初対面の人に付いていく、ちょろい阿呆だと思われるだろう。
実際、その通りだから否定はしない。
ただ、こんな私でも少しは警戒心を持っている。集まった人の内の3〜4人に同じ質問をしたのだ。
「実際のところ、これはどういう集まりなのですか」と。
彼らの回答は、同じだった。
彼らの証言
バーで知り合った仲良しメンバーだよ。
サークルのようなものだよ。
その時点で彼等からはアムウェイのアの字も出なかった。
実際は全員ズブズブのアムウェイ会員で、私は新しいカモでしかなかった訳だが、
その確認作業で信用してしまった。
そのまま呑み会へ。
バスケが終わった後は駅近くの安い居酒屋で、全員と飲みに行った。
そこの会話でもアムウェイの話は一切出てこない。単なる気の置けない飲み会だった。
何の話をしていたかというと、
「“おっぱい”という言葉を産み出した人、天才じゃない?」
とか、クソしょうもない話しかしていなかったような気がする。まるで頭の悪い大学生の会話である。
一応、女性もいたのだが、男が数人集まって飲みに行くと、IQ2くらいの話しかしなくなるのは何故なんだろうか。
ただ、私としては楽しい時間だった。ここまでは。
2回目の交流、そして・・・
翌週、再び淳さんのグループと遊んだ。今度はバスケではなく、バレーボールをした。
これも終始和やかな雰囲気で、楽しかった。
2回目の交流ともなると、見知った顔や、心の距離が近くなった人が増えてくる。
スポーツだけではなく、月末に開催されるBBQにも誘われた。
当然予定のない私は、2つ返事で了承した。
「人生が充実してきている」と、その時は思った。
帰りが17:30頃になったので、私は淳さんに駅まで送ってもらう途中、ファミレスに寄って夕食を共にすることになった。
社会人になってから、会社の先輩や友人以外で、食事に行くことは滅多になかった。
会社の違う年上の人と2人きりで食事というのは、本来なら大分緊張するイベントだ。
とはいえ、場所がファミレスで、気を遣わない空間ということもあり、私は弛緩していた。
話は今日遊んだ感想から始まり、お互いの仕事についても話題が広がった。
最初は緩い会話だったものの、淳さんの親が手術をしたという経験を話した辺りから、
段々と真面目な方向に進んでいった。
話の内容は、大体こんな感じだった。
突然の告白
両親が突然大きな手術をすることになり、生まれて初めて人生に危機感を持ったこと。
大きな手術代を払う必要があったが、今の自分の貯金では到底担保できなかった。
せめて両親の側に付いてやろうと思ったが、正文さんに相談して考えを改めた。
「両親の側に居てやることは立派な行為だが、それをすることが最良の選択か、良く考えろ」
「お前は、お前にできることをやることが、親御さんへの最大の恩返しではないのか」
そう言われて、改めて自分のやってきた仕事を考え直した。
今の働き方を変えて、お金をもっと稼ぐことが何よりも重要ではないのかと。
今思い返せば、たかだか会って2回目の人に話す内容ではない。
ただ、相手の話し方が上手かったのと、互いの仕事観の話をすることは楽しかったので、随分と話し込んでしまった。
淳さんから、こういった深い話を友達とすることない?と聞かれた。
まあ、実際のところ大して深い話でもないような気がしたが。
私は「あまりすることはないですね」と答えた。そんなことに正直に答える義理もない。
それに対して、淳という男は更にこう質問してきた。
「アムウェイって知ってる?」
遂に本性を現すのだった・・・。
〜後編に続く〜
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【体験談】アムウェイの勧誘を受けたときの話。(後編) 〜狂気のサバト〜
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(参考)アムウェイ公式サイト
※こんなの見てる暇あるなら、最寄りの駅の時刻表でも眺めた方がよっぽど有意義です。