引用:『信友島(1)』/©赤秩父・(株)講談社
【感想】俺、なんでこんなマンガ買ってんだろ・・・。
狂気の楽園で待ち受ける衝撃!
今回は、マガポケ(少年マガジン公式無料漫画アプリ)で連載されていた、
『信友島 ~良い人でなければ終わり~』を紹介させていただきます。
アプリ内で表示されているバナーや、電子書籍で発売されている単行本には一貫して、
美しい女性と島の風景が映っているので、架空の島で暮らす日常系マンガに思えます。
ですが、見た目に騙されてはいけません!
恐ろしい怪物や、狂気に染められた島民たちの暴力行為。
凄惨で過激な描写が容赦なく展開される、猟奇的なサスペンス・ホラー作品です。
信友島は働かずに好きなことができる楽園のような島だが、
ひとつだけルールがあった――
景色は美しく島民も優しい信友島だが、
唯一のルールを破ったときに恐ろしいことが待ちかまえていた――。
(公式サイトより一部引用)
元々、『はじめの一歩』や『ブルーロック』を読むためにアプリを使っていたところ、
この作品に偶然出会い、その内容に大変なインパクトを受けました。
2023年がはじまってから、この漫画ほど私の脳裏に焼きついた作品は、無かったかもしれません。
最終回まで読了した感想ですが・・・もう、言葉が見つかりません。
紹介するって言っておいて申し訳ないのですが、何なんですか、このマンガ?
真実
公式サイトでは「ホラー・ミステリー・サスペンス」と書いてあるのですが、違います。
いや、嘘ではないです。ホラー作品としての舞台設定と、その雰囲気は物語全体に描かれてます。
ただ、それ以上にインパクトのありすぎる設定、荒唐無稽な表現が多々見られ、
「怖い」とか「グロい」という感情よりも、「何なんだよコレ」という気持ちになります。
つまり、この漫画のジャンルは「ホラーミステリー」ではありません。
ジャンル的に近いのは、『ボーボボ』です。
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ただ、『ボーボボ』は意味不明ながらも“漫画力”が非常に高く、
最後まで読ませてしまう勢い・引力が確かにありました。
しかし、『信友島』はそうではありません。
一つ一つの展開が“雑”で、全体的にハンコ絵のような作風なので、
「画力」や「構成」に秀でている作品とは、とても言えません。
物語自体は「主人公が信友島から脱出する」という、至ってシンプルなものですが、
明らかに使い捨てのキャラ・設定。話を動かすための強引な展開が目立ち、
登場人物たちに全く感情移入できません。
ハッキリと言ってしまえば、酷いマンガです。エンタメ作品としての質は、めちゃくちゃ低い。
大人の悪ふざけといってもいいレベルです。
・・・私が何を言いたいか分かりますか?
そんなマンガが、たまらなく大好きだってことです。
マガポケの無料チケットでほとんど読めるのに、課金したポイントで全話購入した上、
このブログに書くために電子書籍も全巻揃えましたよ、えぇ。
作者の赤秩父先生、素晴らしい作品を本当にありがとうございました。
次回作の『インフルエンサーにストーカーされています』も、楽しみに読ませていただいております。
『信友島』を読め!
では、ここからは『信友島』のストーリーを僭越ながら紹介いたします。
このカオスに満ちた世界観を、どこまで伝えられるのか。正直、自信はありません。
もし、この記事を読んで少しでも、このマンガに興味を持っていただけたのなら、
実際にマガポケアプリで読んでみることをオススメします。
『信友島』のストーリーは、こんな感じになっております。
- 上陸編
- 逃避行編
- 葬式編
- 収容所編
- 脱出編
※公式名称ではありません。
今回の記事では、2巻に収録されている「逃避行編」まで紹介します。
その後の話は、次回の【後編】の記事で取り上げますので、お楽しみに。
ストーリーを紹介する都合上、ある程度のネタバレは含みますが、ご了承ください。
それでは、さっそくはじめていきましょう!
1.上陸編
この『信友島』は、主人公である「佐藤エイジ」という少年が、
バイト先のパン屋で働くお姉さんに拉致されるところからスタートします。
開幕から凄まじいスピード感で進みます。
プロローグ:
交通事故で両親を亡くし、叔父・叔母の家で幼い妹と暮らす佐藤少年。
満足な食事も与えられず、苦しい生活を送っていたところ、喜多さんという人物に助けられる流れです。
ただ、無理やり連れて来られた上、その喜多さんに叔父・叔母も惨殺されているので、
明らかに不穏な雰囲気が漂っています。
ーで、その主人公が虐待されている回想シーンが、いきなりツッコミどころ満載なので、
下に載せておきます。
食事が与えられない上、バイト先でもらったパンまで奪われるという、辛い場面。
ーですが、叔父・叔母の作画が主人公たちと違いすぎだろとか、中年男性がたかだか菓子パンに興奮しすぎだろとか、
そのパンをとるとき無駄に躍動感ありすぎだろとか、「ムンッ」って何だよとか、俺のツッコミ長すぎだろとか。
1ページ切り取っただけでも、本筋とは全く関係ないところが目立ちます。
そして、問題なのは、この漫画は終始そんな感じで進むということです。
あまり高くない画力によるシュールな場面。
どこかズレているセリフ回し。
脈絡のないエロシーン。
読者のツッコミが全く追いつかず、ひたすらボケが渋滞しています。
上記の画像の続きのシーンですが、
逆上した叔父さんはサイドスローでパンを妹に投げつけます。
どう見ても顔●です。本当にありがとうございました。
島の掟:
「信友島」に上陸した佐藤くんと、どこか訳アリの事情でやってきた人たち。
税金や勤労の義務のない、この世の楽園のような美しい島。
ただ、唯一のルールとして「いい人でありなさい」という規則がありました。
そんな中、実は取材で来ていたライターが島の様子を盗撮していたことがバレます。
島の情報を外部に漏らす訳にはいかないらしく、その人は島を出ることになります。
気になった佐藤くんは、喜多さんの案内で様子を窺うことに。
そこで見たものとはー・・・。
小さい丸太を口に詰め込まれ、餅つきのように丸太で頭を潰され、殺されてしまいます。
処刑法が独特すぎるだろ。
「頭がなくなってるじゃないか・・・!!」って、主人公の感想もおかしいだろ。
生きて島を出ることは不可能。島の掟に背いたものは始末され、
死体はサメがうじゃうじゃ生息している海に投げ込まれるようです。
そんな海に捨てるなら、頭を潰す必要はなかったのでは・・・?
とはいえ、異常な状況に気づいた主人公は、
何とか生きて「信友島」を脱出すると決意します。
島内での殺人:
歓迎会で「ナリマ」という植物を、発酵させた不気味ドリンクを飲まされた佐藤くん。
気分を悪くした彼がその場を離れると、またも衝撃的な光景を目にすることに。
主人公を信友島まで連れて来た喜多さんと、主人公と共に島に上陸した「守谷さん」という男性が、
茂みの中でおっ始めていました。
近づいてきた佐藤くんに気づいた喜多さんは、非常に興奮した様子で、彼を誘惑し始めます。
困惑した主人公は、何とか自分の貞操を守ろうとしますが・・・。
ここで、急に喜多さんが逆上。
「こっちは色々してやったのに、お礼をしないなんて、お前どうかしてるだろ!」
・・・みたいな感じでキレられます。
どうかしてると言われたら、ここまでの何もかもがどうかしてると思いますが。
「ナリマをケツに突っ込んでやる」とか意味不明なことを言われた佐藤くんは、
思わず喜多さんを突き飛ばしてしまいます。
そのまま崖から転落した喜多さんは、その場で死亡。
島民にこの事態がバレたら殺されるー。
焦った佐藤くんは急いで立ち去り、宿泊所へ戻ります。
その宿泊所では、眼鏡を掛けたオタク風の男性が、
隣で寝ていた胸の大きな女性に近づいていました。
キレイな目をした不気味な男に、この女性が襲われる・・・。
ーかと思われましたが、胸を見ながら自分磨きをして、女性には手を出しませんでした。
旧エヴァのシンジくんかな?
そもそも、この場面必要あったのか?
ちなみに、ここまでの話がアプリ内では「たったの3話」です。
もう、お腹いっぱいだってマジで。
一夜明けて:
喜多さんを殺したのが自分であることがバレない内に、
信友島からの脱出を画策する佐藤くん。
観光で来ていた「深田さん」という女の子が、島民の家に連れ込まれ、
媚薬を盛られて襲われるという、雑なAVみたいな展開があったりしますが、
ここで何があったかは分からないまま物語が進みます。
いや、股間のサイズどうかしてるだろ。
島民の家で出された食事に、「ナリマ」が盛られており、深田さんは倒れてしまいます。
だから、「ナリマ」って何なんだよ!
ここまで読んだ読者は、次第に気づきます。
「主人公が島を脱出する」という物語の目的が、どうでもよくなっていることに・・・。
2.逃避行編
翌日の朝。
浜辺に島民が集まっていることに気づいた佐藤くん。
そこにあったのは、すごい顔で打ち上げられていた、喜多さんの死体でした。
トラブル:
自分が殺してしまった喜多さんがあっさりと発見され、動揺する佐藤くん。
喜多さんの死体が面白すぎて話が頭に入ってこないですが、
島民の疑いは「守谷さん」に向けられていたので、当面は誤魔化せそうな雰囲気になっています。
悲しみに暮れる島民。その場に喜多さんの兄:ミナミさんも到着し、
喜多さんの名前が「ソアラ」だったことが分かります。
ここまで読んでも、この作品の世界観が全く分かりません。
明るく努めていたお兄さんでしたが、やはり動揺は隠せず、
躓いたお兄さんに巻き込まれて、その場にいた島民も大怪我を負ってしまいます。
状況がよく分からないと思いますが、実際に漫画を読んだ私もよく分かっていないので、大丈夫です。
幸いにも死人は出ず、大怪我を負った人たちは包帯代わりのワカメで治療を受けます。
・・・もう、キリがないので、ワカメを包帯にすることについてはツッコミません。
スタンプラリー:
島民が用意したスタンプラリーに参加することなった佐藤くん。
ヒロインである元地下アイドルの「浜辺さん」とのラブコメ描写が少し続きます。
事故とはいえ人を殺しているのに、この主人公も大概おかしい気がしてきました。
道中、『進撃の巨人』みたいな島民が登場しますが、ナリマで成長したらしいです。
スゲーな、ナリマ。
この巨人たちに喰われることはなく、浜辺さんとスタンプラリーを楽しみます。
ーが、そんな平和が長く続くはずもなく、山で泊まることになった主人公はバケモノと遭遇します。
その正体は、喜多さんと【自主規制】してから行方不明になっていた、「守谷さん」でした。
新時代を創ろうとしていた守谷さんは、喜多さんにナリマを肛門に突っ込まれ、
島民たちに追いかけられて、変わり果てた姿になっていました。
・・・無駄な情報が多すぎるんじゃ!
隠蔽:
追ってくる島民から、浜辺さんと協力して守谷さんを匿うことに。
ベッドにサッドイッチ状態にして隠しているとき、
何故か守谷さんが喘ぎ声を出してバレそうになりますが、
一旦の窮地は凌ぎます。
ここからはなりゆきとはいえ、喜多さんを殺した犯人として島民から誤解され、
追われている守谷さんを保護することになります。
ゴツい山男と一緒に入浴するシュールな展開を挟みつつ、
主人公は守谷さんと一緒に島を脱出する決意を固めます。
隠蔽2:
一時的に別れていた守谷さんと合流。
酷く汚れていた守谷さんを、佐藤くんは元の清潔な姿に戻しましたが、
そのおかげで島民たちに守谷さんの正体がバレるピンチに陥ります。バカかな?
島民から逃げる途中、守谷さんが屁をこいて匂いで見つかりそうになるなど、
とにかく守谷さんが足を引っ張ります。海に捨てろよ、もう。
足場の悪い沿岸部で、運悪く島民に遭遇し、守谷さんと共にいた浜辺さんが捕まりそうになります。
この辺りは中々緊迫感のある場面なのですが、頭上に降ってきた島民のヨダレが、
佐藤くんの髪の毛にずっとへばりついているので、うーんカオス。
近くに住んでいた「潮見アイラ」という女性に助けられ、何とか事なきを得ます。
彼女は、この「信友島」の転覆を目論むレジスタンスの一人でした。
互いの利害が一致していることに気づいた潮見さんは、
主人公に「契約」を持ちかけてきます。
【後編】に続くー・・・
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【マンガ】マガポケオリジナル作品『信友島』がヤバすぎた・・・。【後編】
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予告
後編は、コミックス3巻以降の内容になります。
コミックス2巻の巻末ページには、
「狂乱の宴が幕を開ける」
ーという次回予告が掲載されていました。
今までのも十分、狂乱の宴だっただろ!
いいかげんにしろ!
紹介した作品
『信友島』 (著)赤秩父