【要約】風呂は命の洗濯『最高の入浴法』 シャワーだけで済ませるな!

2020年4月1日

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©大和書房/早坂伸哉

【書評】毎日の入浴は国民の義務である。


 

概要

本の内容を、二行で説明します。

  • 毎日、40℃の湯船に浸かりましょう。
  • 日本人シャワーで済ませすぎィ!

 

 

入浴は日本独自の健康法

皆さん、お風呂は好きですか?

入るまでは多少億劫でも、風呂そのものを嫌悪している人はいないのではないでしょうか。私はそんな人を今までに見たことがありません。もし居たとしたら、そういう人とは関わらないほうがいいでしょうね。絶対不潔です。

 

ちなみに、私はお風呂大好きです!こういう本を買って読んでいるくらいだから、分かると思います。

出身が九州で温泉地が多いこともあり、学生時代は休日によく近くの温泉まで自転車で行ってました。温泉同好会というものまでつくって、卒業旅行はそのメンバーで大分の温泉巡りをしました。もはや趣味の一つといっていいくらいでしたね。

 

社会人になってからは行く機会が減りましたが、月に一度くらいは温泉に行って、サウナで癒やされたいなーと考えております。『最高の入浴法』は私のような風呂好きの方にはもちろん、そんなに好きではない人にとっても、オススメできる内容です。

 

さて、再び質問です。皆さんは毎日湯船に浸かっていますか?

風呂好きを散々自称していて申し訳ないのですが、私はNoでした。というのも理由があって、平日はシャワーで我慢して、休日にお風呂を溜めてゆっくり入るのが好きだったんです。

毎日頑張った後のご褒美というか、アメとムチのような感覚でシャワーと湯船を使い分けていました。

後、毎日お風呂を溜めるのは水道代・ガス代がもったいないという思いもありました。私は一人暮らしなので、余計にその気持ちが強かったです。結構、私と同じ考えの人も多いのではないでしょうか。

 

しかしながら、この本曰く、毎日をシャワーで済ませることの方がもったいないというのです。お風呂というものは身近にありすぎて、多くの方が意識しておりませんが、入浴の健康作用はとても大きいです。

  • 免疫機能の向上
  • 代謝の活性化
  • 血流の改善

などの効果は、医学的に明らかになっています。

実は、全世界で「毎日のように湯船に浸かる習慣」があるのは日本だけです。世界トップクラスの「お風呂先進国」なのです。

私達はお風呂大好き民族の一人なのですから、医学的に正しい入浴法や、温泉の入り方など知りたいと思いませんか?

 

 

入浴2.0!

この本では「毎日湯船に浸かること」の利点として、主に次の効果を挙げています。

  1. 健康状態が良くなる。
  2. 幸福度が高くなる。
  3. 睡眠の質が向上する。

お風呂に入るだけで、そんな効果があるのか?個人によるのでは?と思うかもしれませんが、統計や、医学の研究結果をもとに導かれた事実です。

健康面でいうと、毎日一回入浴する文化の根付いた1950年代から、日本人の健康寿命が飛躍的に延びたとされる研究結果が実際に報告されています。更に、高齢者を調査した結果、毎日入浴する人は要介護になるリスクが30%低かったという結果も出ています。

 

もちろん、入浴だけで全ての健康状態が保たれるとは言えません。でも、意外と入浴の効果は高いと思いませんか?

 

お風呂に毎日入ると幸福度が上がるというのも、科学的な調査結果が出ています。

お風呂には温熱作用や浮力作用といった「7代健康作用」があり、体の疲れをとったり、緊張を緩和したりする効果があります。湯船というのは、体も心も開放状態になる究極のリラックス空間なのです。そのことが幸福度につながっているのだと考えられています。

ちなみに、シャワーだけでは「7大健康作用」のうちの「清浄作用」しか効果がなく、それすらも入浴と比べて効果は低いそうです。

 

そうはいっても、毎日湯船を溜める時間もお金ももったいない!という気持ちも分かります。私も学生時代に倹約にハマっていた時期があり、一ヶ月入浴をせずに、最低限の量のシャワーで過ごしたことがあります。その結果、普段の生活と比べて、2〜3000円節約できました。一日に換算して100円です。

100円で健康と幸福が買えると考えたら、安いですよね。

どうしても時間がないという方は、せめて洗面器にお湯を溜めて、足湯として使うことを推奨しています。それだけでも、シャワーだけのときより格段に体が温まります。理想は、全身湯船に浸かることですが。

 

また、入浴によって睡眠の質が上がるというのも、科学的理由があります。

質の高い睡眠は「体温」に密接に関わっているからです。入浴して体温が上がったあと、急速に体温が下がっていきます。このタイミングで布団に入ると、良い睡眠が得られます。時間にして入浴後1時間半〜2時間が目安です。これを守ると、休日でもお風呂上がりにダラダラ過ごすこともなくなるので、オススメです。

体が特に疲れているときは、サウナを利用するのもいいですね。休日にサウナ→水風呂の黄金のルーティーンを決めたあとは、「溶ける」ように深い眠りにつくことができますよ。良い睡眠に関しては『スタンフォード式 最高の睡眠』という本により詳しく書かれているので、良かったらそちらも読んでみてください。

 

 

最高の入浴法とは

結論は、最初に書きました。「40℃の湯船に浸かること」です。私はお風呂は熱めが好きな方なので、「ぬるま湯なんかに浸かってんじゃねえ!」と異議を唱えたかったのですが、この温度設定にはちゃんと理由があります。

 

入浴のメカニズム

疲れ・不調には自律神経が密接に関わっています。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。超簡単に言うと、活動しているときは「交感神経」がON状態で、リラックスしているときは「副交感神経」がON状態になっています。

仕事中はストレスや緊張等で、交感神経が常に優位の状態です。疲れをとるためには、副交感神経を優位な状態に切り替える必要があります。そのアクションとして「ゆっくり40℃までのぬるい湯に浸かる」が有効なのです。あまり熱いお湯だと、交感神経も刺激されてしまい、スイッチが切り替わらないからです。

また、42℃の熱いお湯よりも40℃のお湯に長く浸かった方が、保温効果が高いというデータもあります。様々な不調時のときの入浴の仕方も紹介されていましたが、基本的には40℃設定で入ることが推奨されていました。疲労回復を目的にするなら、40℃のお湯に浸かるというのが一つの基準になりそうです。

 

『最高の入浴法』ではこの他に、温泉の選び方や、温泉・銭湯の正しい入り方、健康美肌のつくり方なども紹介されています。お風呂好きの方にはもちろんのこと、そうでない人にとっても一読する価値はあると思います。是非、読んでみて、毎日お風呂に入るようにしましょう!

 

紹介した本

最高の入浴法』 著:早坂信哉

オススメ度:★★★☆☆

※「風呂は命の洗濯よ」という葛城ミサトさんの名セリフを引用しました。私はエヴァンゲリオンを未だ見てないですけどね。

 

  • この記事を書いた人

イナ

本業は設計者。29歳。書評とコラムを発信する、当サイトの管理人。気ままに記事を更新します。日課は読書と筋トレ。深夜ラジオとADVゲーム好き。

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